2023年03月26日

説明の下手さ(「シン仮面ライダー」評7)

最初の小屋の緑川博士の説明部分一つとっても、
こいつ説明下手やな、としか思えない。

ただ立って、板付き(動かずに棒立ちのこと)で、
アップとロングを切り返してやってるだけやんけ。

以下ネタバレで。


他にも、
雪の山バックの、
本郷と一文字の一端の別れや、
海辺のシーンでの、
立花と本郷のシーンなど。

説明だけだと絵が持たないという思いか、
「いい背景」を探してきてるところが、
とてもアニメ的だ。
棒立ち芝居しかつけてないんだよな。
(そもそも棒立ち芝居でセルを稼いでる、
アニメ業界にも問題がある)


実写の芝居では、
あのような説明シーンでは、
歩きながらやる、座ったり立ったりする、
小道具をうまく使って象徴化して説明する、
たとえ話をする、
回想を挟んで、説明してる対象を示す、
などをするものだ。

Iの誕生くらいか、回想シーンがあったのは。
あと改造手術関係にイラスト説明があったか。
今回の根幹であるところの、
プラーナやハビタット計画に、
ひとつも絵がないのはどういうこと?

プラーナって結局999の命の火でしょ?
命の火は機械化人間が飲む「カプセル」として、
絵になってたぞ?
(これ自体は「グリーンソイル」のパクリだけどさ)


庵野、説明シーン下手なのでは?


もっとも、
説明にすべて絵をつけてたら、
アクションの予算がなくなっただろう。
予算のかけどころはまあよし。
せめてうまくたとえ話にしたり、
話をちゃんと理解させるように芝居の動線をつけるべきだろう。
バカでもわかるように脚本を書くアメリカと、
説明はヲタクだけ理解してバカはアクションだけ見とけと、
割り切る庵野脚本。
下手なのは庵野である。

で、プラーナがグリーンソイル以来の伝統的なもので、
ハビタット計画が人類補完計画と同じもので、
新しさがないことが、
ヲタク的な大失敗なのでは?
posted by おおおかとしひこ at 07:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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