2023年04月23日

【風魔】背の高さは配役に影響を与えるか

僕は与えない、というスタンスでつくった。
本人の努力のできないところで、
役を掴むチャンスを潰すべきじゃないので。


よく言われるのは、
劉鵬だよね。

現実的にあんな体格の役者はいない
(プロレスラーや相撲取りならいるが、
彼らはお芝居が上手いわけではなく、
人を感動させる芝居ができる確率は限りなく低い)
ので、
ガタイよりも「人間的な大きさが劉鵬である」
と現実的に解釈することで、
あの実写版独特の、劉鵬が生まれたわけだ。

ライバルの黒獅子も同様だけど、
たまたま外人の血が入る、デカい城田がいたから、
黒獅子のほうが劉鵬より小さい、
というのはなくなって助かった。
城田180以上だからね。190はなかったよなたしか。

まあ実際、ライバルのほうが背が低くても、
映像マジックで背を高く見せることはできる。
でも舞台があったから、これでバレちゃうんだけど。


同じく、古川は霧風にしては背が高すぎる。

アニメ版はとくに劉鵬の肩に乗るなど、
戦隊モノや忍者モノで言うグリーンのチビの役割を与えられているよね。

でもそれで、古川のもつ柔らかさ、鋭さ、
冷たさ残酷さ、内に秘めた芯を捨てるのは、
惜しすぎると思ったんだよな。
(ルックスでもオッと目を引くだけの特別感もあるし)

実写の霧風は背が高い、と原理主義者から言われるだろう、
と覚悟はしていた。
もっとぴったりな人いなかったの?と。

じゃあ古川以上に合う役者がいたら、おしえてください。
マジ小次郎と霧風は、ほとんどいない役者なんだよなあ。
途中まで田代(陽炎)を霧風候補にしてたもの。
違う次元の霧風像にする、という考え方。
でも古川がいたから、
「本質的に霧風」な感じが作れたと思った。

霧風の本質に、背の低さはいるか?という話だ。
僕は、なくて良いと判断した、ということ。


小次郎村井と、蘭子亜弓は、
偶然背の低い山猿と、デカい女番長の感じになって、
いい背の高さ差になった。
弟と姉という、車田作品でよくあるモチーフを、
体現できたと思う。
(反対側の弟と姉、壬生と夜叉姫では、
姉より大きい弟、という逆の萌えは提供できたし)


背の高さはひとつのキャラのファクターであり、
それを利用した萌えやキュンを作れるんだけど、
別になくてもストーリーが本質的に風魔であれば、
気にならんやろ、と僕は覚悟した。
原作にどうしても背の高さのエピソードがあればしょうがないが、
そこに規定がない以上、
本質で迫るぞ、と構えてやっていたなあ。


受け入れられなかったら全面的に「監督のセンス」と、
叩かれることになるが、
成功したら「古川くんすてきー」になるので、
そう覚悟してホンを書き彼を採用した、
俺の功績は誰もほめてくれない。
因果な商売でございます。

たとえばかぼちゃワインは男女逆転の背の高さの話だから、
これを破っちゃいけないが、
風魔はそうじゃない。
風魔の本質はそこじゃない、ということを、
みなさんが理解してくれててよかったな、
と今更思う次第。


いや、背の高さでコスプレごっこするなら、
身長合わせてもいいけどさ、
実写化ってそこは大事じゃないと思うんだ。
posted by おおおかとしひこ at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 実写版「風魔の小次郎」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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