タイパーと配列屋とエンジニアたちが混じり合う、
同じものを違う側から見る人々の集い。
打鍵動画が作りたくて参加したけど、
次回、俺に作るものあるかな?
大変刺激のある会でした。
そこで少し考えた、タイパーの打鍵の特別性。
タイパーの考えていることと、
配列屋さんの考えていることは真逆のベクトルで。
配列屋さんは、
「なるべく手間を減らすために、
悪運指は極力封印して、
良運指のみで生きていきたい」人々。
タイパーは、
「理想は全組み合わせ運指が均等になるように、
鍛えること。
しかし現実には無理なので、
ベースをあげつつ、
悪運指と良運指を咄嗟に見分けて、
最速かつノーミスでルートを見つけたい」人々。
そんな違いがあるなあと。
そもそもTiNというランダム文字を打つタイピングゲームを嬉々としてやることは、
悪運指がある前提で、
この凸凹道をいかにして最速でクリアできるのか?
という冒険をしてる人々がタイパーで、
配列屋さんは、
この凸凹道は通らない、
美味しいところだけ打っていたい、
と思うのではないかなあ。
「この無駄は改善できる」
「この無駄が放置されてることが許せない」
「ほらこんなに楽になった。
次の問題はなんだ?」
と言う人々が配列屋さんなんじゃないかな。
これは自作キーボードの人々でも同じかもだ。
(もちろん、自作勢は、
エルゴノミクスに興味ある人はだいぶ少ないが)
タイパーにとっては、
凸凹道は当然あるものとして、
それを乗り越える自分ないしメソッド(最適化、チャンク化など)に、
興味があるんじゃないか。
だからタイパーにとって必要な配列は、
競技を1ミリ秒でも縮められる配列であり、
10万字書いた時に疲れないとかは、
第一の優先事項じゃないんだなあってこと。
JISカナタイパーのテルさんの話で印象的だったのは、
JISカナがダメな配列であるのはわかってるんだと。
ただ競技がある以上、
普段使いをなるべくして、
JISカナをダメだなあと思いながら使ってるのだそうだ。
そこには競技人生としての生き方があり、
競技の良し悪しではなく、
一人の選手なんだなあ、
ととても興味深かった。
最近自作キーボードに触れたことで、
キーキャップの表面の手の滑りについて、
興味が出てきたのだそうだ。
つまり、すべての要素は、
競技の役に立つか?という目線で生きてるらしい。
面白い。
そんなダメだとわかってるくせに、
文章の速度は、
薙刀式より速かったと思う。
おそらくどんな新配列の人よりも、
10分速で速かったのでは?
体感1800字(変換後)/10分は超えてた気がする。
詳しくは動画を編集するのでおまちを。
これじゃ新配列勢ボロ負けなのだが、
そもそも勝負の土俵が違うので、
勝ち負けはないよなあ。
新配列は、
タイパーがより速くなるための道具ではない。
ブラインドタッチすら出来ない人、
つまりタイピング技能で下の方の人を、
並の人(以上)にしてくれる、
下駄なのだ。
(下駄配列の由来の一つはまさにそう)
悪運指を使わずに、
美味しい所だけで書いてるから、
化け物みたいな人の足元くらいに、
遥か下から辿り着けるだけのことなんだよね。
「労力の省略」には二種類ある。
トップレベルのレベルアップ。
ボトムレベルのボトムアップ。
うちの新配列は違うよ、もあるかもだけど、
競技レベルじゃない、実用配列は、
日本の70%の、ブラインドタッチできない人を救うことが、
一番価値があるのかなあ、
などと考えた。
「薙刀式は、
はじめてのカナ配列におすすめで、
記憶負荷が最小クラスなのに、
それでいて出来が良く、一生使えるほど楽ですよ」
みたいなスタンスになるんだろうなあ。
あと雑感。
新下駄が手が滑らかすぎてすごかった。
飛鳥がすごく静かだった。
(同じtomoemonさんのAZIKと、
全然音が違うんですよ…)
漢直の、変換がいらないとは頭でわかってるのに、
スペース変換やエンター確定を一切使わない、
日本語母国語入力みたいな感じ。
月の、見た目ローマ字的なジャラジャラ打ってる感じ。
それでいて文はどんどん進む感じ。
Tomisuke改のUruzumisukeの左右交互でほとんど混乱のない感じ。
(これは打ち手とも関係ある?)
大西配列の、全体的に無駄のない感じ。
ブリ中トロはぱっと見複雑だけど、
打ってるのを見るとなんとなく掴める感じ。
文や写真では伝わりにくい、
「ほんとにそれでそれができるんだ」は、
やって見せてる様が一番おもしろい。
ということで、GWは編集三昧だな…
2023年04月23日
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