スプレッドは僕があまり推奨するやり方ではない。
そこで話が停滞して詰まらなくなるからだ。
だけど、スプレッドを使わざるを得ないときもある。
そのときに重要なことは、
「拡大感」だと思う。
スプレッドとは、
同じ次元の違う要素を、
その場に並べることである。
メンバー紹介とか、ある要素で共通する何かを、
ひとつずつ話していくことだ。
ごく短時間ならばそれを待つが、
それが一個一個長くなるならば、
それらが全部終わるまで、
時間が停止していることになり、
退屈が襲ってくるぞ、
ということを僕は毎度警告している。
だから、スプレッドをやるときは、
徐々に時間が進んでいることを表現するとよい。
メンバー紹介がものすごく長くなるならば、
いつの間にか夜になっていたとか、
紹介している間に恋が生まれるとか、
ストーリー進行と、スプレッドは同時でやるべきだ。
で、それは時間軸方向の展開なのだが、
今回は空間的な話をしておきたい。
あることを説明するときに、
要素要素を取り出してスプレッド的に説明することはよくある。
そのときに、
要素をどのような順番で並べるか、
ということを言おうとしている。
僕は、原則小さいものから大きなものに並べるべきだと考える。
食べやすいものから並べて、
徐々に大きくしていくべきだと。
そんなこと分っている、と思うかもしれないが、
実際にやってみると、
案外うまく行かないことが多い。
それは、説明するべきことが、
そのように並んでいないからだ。
だから、そのようにうまく切り分けて出せ、
と僕は言っているわけだ。
説明するべきことがややこしかった場合、
スプレッドが小から大に並ぶように、
要素をうまく切り分けよ、
ということを言おうとしている。
小さなものから始めると、
徐々に大きくなっていったときに、
省略が可能になる。
そこは説明しているから、
すでに分るので、足す部分だけ説明すれば済む、
ようになるからだ。
これは人間の認識の問題だ。
補完できる部分は説明しなくてよいのだ。
逆に、補完が起こる順番で説明していくとよい。
世界の理解をどのようにするか、が説明である。
その理解とは、小からはじめて、補完しながら、
大に至るようにするとよい。
これが説明の要素スプレッドになることが多いので、
小要素からはじめて、
大要素へグラデをつくるといいよ、ということ。
言われてみれば当たり前の原則であるが、
逆にこれを破ると、詰まらないスプレッドになるぜ、
という警告はしておこうか。
この型以外のスプレッドは詰まらない、
となると、
急にこの型にはめることは難しいとわかる。
もしこの型にはまらないときは、
ストーリーという時間軸を進めながら、
スプレッドせざるを得ないと思われる。
もっとも、
「今からこれを説明します」と一番大枠と結論を見せておいて、
小から大に至るようにするのがベストだ。
今回の説明はそうしている。
それは人間が、ものごとを認識するのに、
もっとも効率のよい方法なのかもしれない。
退屈だなあ、と思ったら、
これに時間軸を加えるとよい。
腹減ったので、めしいこか、とか。
(最初に伏線で腹減ったなあ、を入れておくとさらにいいぞ)
2023年05月28日
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