2023年05月28日

スプレッドは、話が理解できるようにせよ

スプレッドは僕があまり推奨するやり方ではない。
そこで話が停滞して詰まらなくなるからだ。
だけど、スプレッドを使わざるを得ないときもある。
そのときに重要なことは、
「拡大感」だと思う。


スプレッドとは、
同じ次元の違う要素を、
その場に並べることである。
メンバー紹介とか、ある要素で共通する何かを、
ひとつずつ話していくことだ。

ごく短時間ならばそれを待つが、
それが一個一個長くなるならば、
それらが全部終わるまで、
時間が停止していることになり、
退屈が襲ってくるぞ、
ということを僕は毎度警告している。

だから、スプレッドをやるときは、
徐々に時間が進んでいることを表現するとよい。
メンバー紹介がものすごく長くなるならば、
いつの間にか夜になっていたとか、
紹介している間に恋が生まれるとか、
ストーリー進行と、スプレッドは同時でやるべきだ。


で、それは時間軸方向の展開なのだが、
今回は空間的な話をしておきたい。

あることを説明するときに、
要素要素を取り出してスプレッド的に説明することはよくある。
そのときに、
要素をどのような順番で並べるか、
ということを言おうとしている。

僕は、原則小さいものから大きなものに並べるべきだと考える。

食べやすいものから並べて、
徐々に大きくしていくべきだと。

そんなこと分っている、と思うかもしれないが、
実際にやってみると、
案外うまく行かないことが多い。
それは、説明するべきことが、
そのように並んでいないからだ。

だから、そのようにうまく切り分けて出せ、
と僕は言っているわけだ。

説明するべきことがややこしかった場合、
スプレッドが小から大に並ぶように、
要素をうまく切り分けよ、
ということを言おうとしている。

小さなものから始めると、
徐々に大きくなっていったときに、
省略が可能になる。
そこは説明しているから、
すでに分るので、足す部分だけ説明すれば済む、
ようになるからだ。

これは人間の認識の問題だ。
補完できる部分は説明しなくてよいのだ。
逆に、補完が起こる順番で説明していくとよい。


世界の理解をどのようにするか、が説明である。
その理解とは、小からはじめて、補完しながら、
大に至るようにするとよい。
これが説明の要素スプレッドになることが多いので、
小要素からはじめて、
大要素へグラデをつくるといいよ、ということ。

言われてみれば当たり前の原則であるが、
逆にこれを破ると、詰まらないスプレッドになるぜ、
という警告はしておこうか。
この型以外のスプレッドは詰まらない、
となると、
急にこの型にはめることは難しいとわかる。

もしこの型にはまらないときは、
ストーリーという時間軸を進めながら、
スプレッドせざるを得ないと思われる。

もっとも、
「今からこれを説明します」と一番大枠と結論を見せておいて、
小から大に至るようにするのがベストだ。
今回の説明はそうしている。

それは人間が、ものごとを認識するのに、
もっとも効率のよい方法なのかもしれない。
退屈だなあ、と思ったら、
これに時間軸を加えるとよい。

腹減ったので、めしいこか、とか。
(最初に伏線で腹減ったなあ、を入れておくとさらにいいぞ)
posted by おおおかとしひこ at 10:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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