色々なものを考えていて、
これは「話になるぞ」と枠組みができるときってどういう時だろうか。
僕は、「話として立ったとき」だと考えている。
まず話になるときって、
「落ちがついたとき」だと思う。
前振りがあり、
それからいろいろあって、落ちになり、
ああ、こういう話だったのか、なるほどね、
となったときだ。
それは落ちありきかもしれないし、
全然考えていなかったが、
まあなんとかなった、という場合もあろう。
作り方の是非は問わないが、
なんにせよ、
落ちに至っていないものは出来ていないのだから、
「話になった」という必要条件じゃないかと思う。
でもこれで十分か、と言われると、
僕はそうじゃないと考えている。
落ちがついたとしても、
そもそも面白くない、ということは万もあるからだ。
その「落ちがついたストーリーたち」の中で、
何が面白さの必要条件か?
ということが問題だと思う。
それは、「ストーリーが立っていること」だと思うんだよね。
ストーリーが立つ、ってどういうこと?
キャラが立つ、と同じことだと思うとよい。
キャラが立つ、というのは、
他にないもので、目立っていて、
独立して真似できないもの、
のようなことだ。
それ以外を駆逐するほどのパワーを持っている。
似ているものが他に(近くに)ない、
というようなときに、
「キャラが立っている」というと思う。
ストーリーが立ってるとは、
つまり、どこでも聞いたことのないパターンで、
似ているものがなく、
それ以外を駆逐するほどのパワーを持っている、
ということだ。
立ってるの逆を考えると分りやすい。
平凡な、どこででも見る話で、
飽き飽きしたパターンになってて、
新鮮味がなくて、簡単に予測できてしまい、
よくあるシチュエーションでしかなくて、
興味が持てない、
ということだろう。
それを仮に「寝ている」と表現するとしようか。
立つ為には、寝ていてはだめなのだ。
それは平凡であり、埋もれる、
ということだ。
そして、じゃあ、これまでにない、目立つために、
逆張りなどをして、ただ「ないもの」をつくれば、
それでよいのだろうか?
そうではない。
キャラを立てようとして、
ただ逆張りしたり、
騒がしいものをつくっても、
一瞬は立つけど、それでおしまいだよね。
深い所へ人を連れて行くにはしんどい。
つまり持続力だ。
「ずっと立つ」ことが重要だ。
逆張りなどして、無理やり立てたものは、
すぐに倒れるのだ。
ずっと立っていることに必要なものは、
無理することではなく、
自然に立っていることである。
それは構造的に立っている、ということだと思う。
キャラでいえば、背景や動機や、
目的や行動様式という、ストーリーに関係するところが、
立っているかどうかで決まると思う。
変わった格好をしたり、
変わった言葉遣いをすることは、
一瞬はキャラが立つが、それは表面的なことに過ぎず、
ずっとキャラが立つことにはほとんど寄与しない。
ずっと、というのは、
ストーリーの始まりから終わりまで、
だけでなく、10年とか20年とか、
つまりその作品が愛されるだけの間、
ということになる。
ストーリーも同様だ。
構造的に立っていることが重要で、
しばらく(10年単位でもいいし、数週間単位でもよい)
立っていられるか、
ということを見極めるべきなんだよね。
で、それって、奇抜なシチュエーションや、
どんでん返しの衝撃だけじゃ足りなくて、
それはあくまで部分であり点であるわけだから、
構造的な面白さで、
ストーリーが立っているか、が重要だ、
ということだ。
そんな簡単にできるわけがない。
だから難しいんだよね。
ああでもない、こうでもない、
とストーリーを転がし、練っているときに、
「ここの部分は立ちそう」がでてくると思う。
それでうまく落ちがつけば、
立ったストーリーがつくれるな、
と判断すると良いだろう。
仮に落ちがついたとしても、
立っていないものは、まだ立っていない。
構造的に立っているように、
もっと練ったほうがいいと思う。
ただ事件が起こり、
ただ展開して、
ただ解決するだけでは、
たぶん立ったストーリーにならない。
何かしらの「違い」が必要になる。
ここで古典の学習が必要なわけ。
どこにも似ていないものかどうかの判定は、
古典に詳しくないとできないからね。
「俺だけが思いついた素晴らしいもの」は、
すでに名作の中でだれかがやっている可能性は全然ある。
論文ならば検索できるが、
(そもそもグーグル検索は論文検索アルゴリズムから始まっている)
名作の、そうした構造的な部分は、検索できない。
(誰かデータベースつくってくれ……)
だから、名作を分析して、
どういう構造になっているか、
勉強することはとても大事なんだよね。
まあ10本もやれば、
その構造分析をしなくても、
見ただけで頭の中にそういう構造をつくることは出来る。
そろばんが頭の中にできる、みたいな感じだ。
そういうふうになると、
どんどん映画を見ても勉強になるんだよね。
さて、
あなたの考えたストーリーは、
話になっているだろうか?
矛盾していないとか、無理があるとか、
そういうネガティブな欠点がないだけでは、
ポジティブな力を持っていない。
落ちがちゃんとついて、
しかも立っていなくてはならない。
なんという難しいことだろうか。
だから価値があるのだ。
2023年05月29日
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