これを知りたかったのだ。
KIH2023での打鍵動画、日常文の実態について、
変換後の日本語の文字数で比較すること。
各配列や使い手ごとの速度、測定結果!
本文記事が長い為、先に結論の結果発表から!
★文章完成速度トップ3は、qwertyが独占!
種別だと、qwerty、薙刀式、tomoemon-AZIK!
★トップスピードトップ3は、
qwerty、qwerty、tomoemon-AZIK!
種別だと、qwerty、tomoemon-AZIK、Uruzumisuke!
(これは使い手の手の速度であり、配列ではないかも)
★手が楽してる配列トップ3は、
薙刀式、T-Code改、れんか!
れんかを薙刀式に入れれば、
薙刀式、T-Code改、月光!
★薙刀式は、qwertyの1.9倍効率が良い
まずは文章完成速度ランキングから。
大きく4つのグループに分かれた。
変換後の文字数、時間、速度を示す。
速度は変換後の文字数/10分に換算。
【第一群】1600〜1700
Qwerty たのんさん
822字 4分54秒 1678字/10分
Qwerty テルさん
622文字 3分53秒 1602字/10分
Qwerty 白狐さん
1361字 8分40秒 1570字/10分
【第二群】1500近辺
薙刀式 大岡俊彦
831字 5分43秒 1454字/10分
tomoemon-AZIK tomoemonさん
794字 5分28秒 1452字/10分
JISカナ テルさん
1879字 13分56秒 1349字/10分
(※10分を超える長文なので速度は落ちている筈)
【第三群】1000近辺
飛鳥配列21c-290 tomoemonさん
603字 5分6秒 1182字/10分
月光 tkenさん
671字 6分34秒 1029字/10分
月配列2-263式 O.U.さん
344文字 3分29秒 988字/10分
Uruzumisuke ウルズニャーさん
455字 4分44秒 961字/10分
【第四群】800〜900
T-code改 岡さん
820字 8分54秒 921字/10分
新下駄 kouyさん
853字 9分25秒 909字/10分
親指シフト 綾木健一郎さん
582字 6分46秒 860字/10分
6ppng配列 6ppgnさん
673字 8分3秒 836字/10分
ブリ中トロ mobitanさん
841字 10分16秒 819字/10分
れんか 小川謙三さん
410字 5分19秒 771字/10分
大西配列 大西拓磨さん
1348字 18分10秒 742字/10分
(※10分を超える長文なので速度は落ちている筈)
参考
ビジネスタイピング一級 700字/10分
(ただしコピー打鍵)
ざっくり結論。
・みなさんビジネスタイピング一級700より全然速い。
文章を考えているにも関わらず速いということは、
「文章を考えていることがボトルネック」
なんてことは、関係ないのでは?
・薙刀式はかなり速い。
第一群がqwertyタイパーで占められるのはしょうがないとして、
薙刀式が第二群にいるのはすごくない?
二群の他はタイパーだぞ?
逆に配列勢で俺より速い人はそんなにいないのか?
tomoemon-AZIKは手だけ見ていると俺より全然速いが、
結果的な速度はほぼ同じ。
これが薙刀式の優秀さでは?
・ローマ字配列は見た目ほど速くない。
新配列ローマ字系は、
手軽に配列を変えられるメリットはあるものの、
やはりカナ系新配列には一歩劣る。
日常文には手数が多いのではないか?
新配列ローマ字系で最も速いtomoemon-AZIKの用途は、
slack上のチャットやコーディングのコメントだから、
1000文字も一気に書かない。
だから手数の多さは気にならないのだろう。
一方薙刀式は一日一万字などは普通なので、
その時の手数の少なさを想定している。
なお、AZIKは2割ほど総打鍵数が下がるので、
1.7の打鍵効率(1カナを出すまでの打鍵数)に、
ざっくり0.8をかけて1.36。
薙刀式の打鍵効率1.3と比較すると大して変わらないはずだが、
手の忙しさの印象は薙刀式の方が滑らかで静かだ。
これはqwertyの動線の忙しさが、
AZIKにそのままあることの影響だろう。
8割方qwertyの運指は必要だからだ。
もし同じ速度で書きたいなら、
AZIKと薙刀式どっちが楽か?
を考えれば答えは明らかだろう。
あとは学習コストだけだが、
薙刀式はカナ配列の中では、
かなりマスターしやすい配列だよね。
・手の印象と最終的な完成速度にはかなりギャップがある。
たのんさんと僕を比較すると、
トップスピードが14kpsと5.4kpsの差と、
猛烈な速さの見た目の違いがある。
しかし完成速度は3倍開いているわけではない。
15%程度しか違いがなかった。
テルさんのJISカナは俺より断然速そうだったが、
数字で見ると薙刀式と五分。
飛鳥の手の速さがすごいが、
文章完成速度は薙刀式の方が速い、という結果が意外。
漢直はミスタイプが沢山あるにも関わらず、
この速度が出ているのがものすごい。
そもそも普通の人でこの速度(900)
出せる人ってどれくらいいるんだろう?
・JISかな、大西配列はとくに長文なので、
文字数を揃えたらもっと速くなると思う。
語りすぎやろ!笑
・みなさんがどれだけ緊張してたかは不明。
タイパーたちは動画慣れしてる。
新下駄のkouyさんとれんかの小川さんは緊張がわかるレベル。
緊張してなかったら、新下駄は1200ぐらいすぐ行きそう。
れんかも900くらい行ったのでは。
以下考察。
Qwertyのたのんさんと薙刀式の直接比較をしたい。
たのんさんの手数はものすごいが、
結果速度は薙刀式に比べて15%しか速くない。
見た目はすごいのに進まないのはローマ字全般の特徴だが、
薙刀式の優秀さが際立っていると思った。
単なる打鍵数だけでなく、
手の動きのエネルギーコスパを見てもわかる。
排気量にたとえたが、
qwertyはガソリンエンジンを食いまくるモンスターカーで、
薙刀式は優れたエコカーだ。
その結果的パフォーマンスは、15%しか差がない。
たのんさんの修練のすさまじさは、
あの手の動きを見れば分る。
トップスピードで僕の3倍速い。
20年やって音ゲーもやって、
一般人よりかけ離れた努力をしてきたものが、
たかがタイプウェル55.7秒(SS)の俺の手から見て、
結果がたった15%しか速くない、
というのが衝撃的だと感じた。
ちなみにたのんさんのタイプウェルは25.6秒(ZI)。
(ネットで調べただけなので間違ってたら訂正してください)
俺の手の2.18倍速い。
タイプウェルだと月とうんこくらいの差がある。
しかし最終完成速度では15%しか変わらない。
たのんさんより15%遅い速度をqwertyで出すなら、
タイプウェルで29.4秒(ZJ)必要だ。
Zタイパーレベルのことを、Sタイパーに可能にさせる。
これが薙刀式の(下駄を履く)威力だ。
マグネットコーティングとしてすごくない?
日常文に関しては、XタイパーやZタイパーになる、
あの青天井の努力はいらないってことだ。
55.7/29.4=1.9なので、
薙刀式=Qwerty×1.9
がなりたつ。
競技レベルの超高速域で薙刀式が仮にへぼくとも、
日常文レベルでは、
薙刀式はQwertyの1.9倍効率よい、ということである。
僕がQwertyクソと思った度合が、
ようやく数値化されたようで感慨が深い。
つまりQwertyは薙刀式の1.9倍クソ!
薙刀式はQwertyより1.9倍お得!
日常文が目的のとき、
Qwertyでたのんさん並みの努力を重ねるか、
薙刀式でちょいと数年やるかの違いで、
どっちを取るか、ということだ。
でも別にタイパーは強制されて努力したわけではなかろうから、
Qwertyは薙刀式より1.9倍チャレンジャブル!
努力の結果が出やすい!
という言い方も可能だ。
僕は早撃ちの為の努力を全部捨てたかったので。
ちなみに、
文字完成速度をトップスピードで割ってみよう。
これを「効率的戦闘力」としようか。
すべての配列で文字画面が計測できないが、
測定したトップスピードは以下(単位はkps)。
14.0: qwerty×たのんさん
10.6: qwerty×白狐さん
9.5: tomoemon-AZIK×tomoemonさん
8.5: Uruzumisuke×ウルズニャーさん
8.4: JISカナ×テルさん
7.5: 6ppng配列×6ppngさん
6.5: 大西配列×大西琢磨さん
5.8: 飛鳥×tomoemonさん
5.4: 薙刀式×大岡俊彦
4.7: ブリ中トロ×mobitanさん
4.3: 月光×tkenさん
3.8: T-code改×岡さん
3.2: れんか×小川謙三さん
文字完成速度をこのトップスピードで割ると。
各配列の効率的戦闘力(部分)
269 薙刀式×大岡俊彦
242 T-Code改×岡さん
241 れんか×小川謙三さん
239 月光×tkenさん
204 飛鳥×tomoemonさん
174 ブリ中トロ×mobitanさん
161 JISカナ×テルさん
153 tomoemon-AZIK×tomoemonさん
148 qwerty×白狐さん
120 qwerty×たのんさん
114 大西配列×大西琢磨さん
113 Uruzumisuke×ウルズニャーさん
111 6ppng配列×6ppngさん
この値が高いほど、
物理打鍵力がたいしたことないのに文章完成速度が高く、
低いほど、物理打鍵力の高さの割に文章完成速度が低い。
つまり、
日常文における配列の、
指の無駄をしていない効率性を示している、
と考えることができる。
やはり動線効率を煮詰めたカナ配列が強く、
これが「楽の指標」といってもいいかもしれない。
漢字変換のない漢直はやっぱ効率がいいんだな。
トップスピード、つまり指の限界値でしか比較できなかったが、
打鍵数カウンタがあれば平均打鍵速度が出せたろうに…
qwertyだけでも幅があるところを見ると、
白狐さんは自分で言ってた通り長文コピー打鍵出身だから、
日常文のようなものに対して効率が高い動きをしてるのだろう。
たのんさんは音ゲーだから、比較的短い乱打的な動きなんじゃないか。
新下駄や親指シフトや月がどのへんにいるのか知りたかった…
録画ミスかー…orz
見た目の感じだと200は超えてきそう。
おそらく新配列の一番の目的は、
このスコアを上げることじゃないかな、
と今回比較してみて感じた。
ということで、結果をもう一度まとめる。
★文章完成速度トップ3は、qwertyが独占!
種別だと、qwerty、薙刀式、tomoemon-AZIK!
★トップスピードトップ3は、
qwerty、qwerty、tomoemon-AZIK!
種別だと、qwerty、tomoemon-AZIK、Uruzumisuke!
(これは使い手の手の速度であり、配列ではないかも)
★手が楽してる配列トップ3は、
薙刀式、T-Code改、れんか!
れんかを薙刀式に入れれば、
薙刀式、T-Code改、月光!
★薙刀式は、qwertyの1.9倍効率が良い
このデータを取るにあたって、
実際の動画をリアルタイムで流しながら、
実際にタイピングしてエディタで文字数を数えた。
(JISカナのテルさんでは切替や雑談の時間を引いている。
6ppngさんの機能キー実演部分も引いている)
タイパーたちの凄さが分ったのは、
英語、記号、数字の入力のところだった。
僕はそこで置いてけぼりになり、
一時停止を何回かした。
日本語部分はそうでもなかったので、
なるほど、タイピングは日本語だけじゃないよなと。
テルさんのMarkdownのとことか切り替え速すぎるし、
記号一発で打ってるし。
RTCの説明あたりの日本語英語入り混じり文とかマジすげえ。
一方配列勢の文章は、
ほぼリアルタイムで書き写せた。
一個一個の文章完成速度が、
タイパーと配列勢で全然違うことは体感できた。
もし暇があれば、
それぞれの文章をコピータイピングしてみてはどうだろう?
自分の配列と比べてどうか、体感できるかもね。
さて。
じゃあ、「一般人でタイピングの速い人」って、
どれくらいなの?
俺はこれくらいだ、という人は、
ぜひ日常文動画を上げてね!
結果的に俺とたいして変わらないくせに、
めっちゃ努力している人がいたら、
「それはまるで無駄だったな、
薙刀式を使えば必要なかった」と言ってやるぜ!
逆に、「僕タイプウェルCなんですけど、
1500出せます」って人がいたら見てみたいぜ!
もっとエコカーなんだからねえ。
実はJISカナのテルさんが一番すごいと思う。
あれだけ長いこと打ちっぱなしで、
全然速度が落ちなかった。
5分だけだったら1600や1700くらいありそう。
「爆速親指シフト」「楽な親指シフト」の人、
特に反論を待っています。
現在、新配列最速日常文は、
不本意ながら(もっと他にいるでしょという意味で)
薙刀式が暫定です。
どんどん覆してください。
ちなみに僕自身は全然もっと速くなりたい。
2000ぐらいになりたいんだけど、
タイパーでも無理な世界なのかしら?
2023年05月14日
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