フィクションの面白さとはこれだと思う。
窓を開けたら異空間に繋がってて、
そこを探検する感じ。
ほんとにそうだったら、
帰ってこれるのか、
元に戻るのか、
心配で何もできないが、
30分後、2時間後、
元に戻ってこれてその窓も閉じることがわかってれば、
そこで思い切り飛べるというものだ。
物語とはそのようなものである。
どんな酷いことがあっても、
どんな苦しいことがあっても、
2時間後には窓は閉じて、
もとの景色になるのだ。
チャンネルのザッピングをイメージしよう。
「なんかないかな」って探してるとき、
リアルで今その辺にありそうなもので手が止まるかな?
珍しくて、ヘンテコで、
怖そうで、この世と違いそうな、
何かで手が止まるのでは?
それを用意しなさい。
それをヒキという。
せっかく引いても、
嘘くさかったり、ご都合だったりすると、
チャンネルを変えられてしまうね。
映画館だったら逃げられないから、
退屈で怒りを溜めるだけになるだろう。
その、
全然違う世界で、
しかもそれがほんとにありそうだと、
信じられる世界。
窓はたくさん開いている。
その中で一番面白そうな窓を、
みんな見るだけである。
ある日窓を開けたら、
いつもと違う異常な世界が広がっていた。
それが毎度毎度物語の始まりで、
その窓が閉じる時、
いつもの日常に帰ってきたが、
まだ体がふわふわしてるし、
まだあっちに心がいる感じがする、
のが、毎度毎度物語の終わりである。
色んな窓が開いては閉まる。
まるで違う世界を、窓の外へ。
2023年06月19日
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