2023年05月26日

【薙刀式】配列を検討する前に見たかったもの

僕が「配列を変える」という概念を思いついた時、
あるいは配列を変えている人が結構いると知った時、
見たかったのは、ほんとにそれで打っている様子だ。

生で見てその場で質問できるのが最高だけど、
少なくとも動画で転がってんだろ、
と探したら全然なかった記憶がある。

だから僕の撮らせてもらったKIHでの打鍵動画は、
そうした「配列を検討しようかなと思う人」に対する、
過去の自分が欲しかったものだ。


当時(今でも)、みなさんは、
文字で語ることは沢山していた。
タイプウェルのスコアで語ったり、
10分あたり、1時間あたりの文字数なんかで、
巡航速度などを語っていたものの、
「実際どんな感じか」は、
想像の中でしかなかった。


僕が知りたかったのは特に親指シフトで、
鼻息荒いシフターたちが、
qwertyを全否定し、JISカナを全否定するものの、
じゃあ極めた親指シフトの打鍵動画を上げていたとはいえず、
ぶっちゃけ「理想の打鍵」を、
嘘をつくことすらできた。

だから綾木さんの親指シフトを撮れたのは僥倖で、
5年前の俺へのメッセージともなった。
シフターが神として崇めるほどじゃないぜ、と。
爆速は、方式ではなく人の属性では?と。

彼らが全否定する、
qwertyやJISカナの、頂点を収められたのも大収穫だ。

この速度で書きたければ、
ここまで達人にならないといけない、
が視覚的に示されたと思う。
ローマ字で秒14打、JISカナで秒8.5打は正気じゃない。
それでも1700字(変換後)/10分と、
薙刀式の1500とあまり変わらない衝撃。


そして、
タイパーたちの日常文を書く速度が、
我々の黙読の速度より遅いことは、
事実として曝け出されたと考えている。

つまり、おそらくだけど、
我々の黙読速度を超えて日常的に日本語をタイピングできる人は、
日本にいない。
(数名くらいはいるかも)

この時点での「タイピングの天井」を、
明らかにできたことも収穫だよね。


じゃああとは、
そこそこの速度でいいから、
一番楽してるのがいいんじゃない?
って思うよね。

その中で、
カナ配列では薙刀式、飛鳥、新下駄、親指シフトあたりが、
打鍵の感じが楽そうだなと思えた。

月配列系は次点かな。まだ指が忙しそうだ。
でもqwertyに比べればバラバラに指が動いてないので、
いいかもなあとは思う。

行段系では、
大西配列が抜けてた気がする。
カナに手を出すほどの勇気がなければ、
まずこれを選択するべきではないかな。


もっとも、
カナ配列のほうが指の動きが、
総量的に少ないのは明らかだから、
行段系でもまだ疲れるなら、
腰を据えてカナ配列を検討する時が来るだろう。

漢直はやはり異次元で、
変換のわずらわしさがないのは全くすごい。
しかし勇気という点では、
26/50/1600の差があるわけで…




「キーの位置を変えれば、より動線は合理的になるのでは?」
「キーの位置を変えて交通整理をすれば、
渋滞は解消するのでは?」
と思ったとしても、
ほんとうにそうなるかは分からない。

しかしこれらの動画たちが、
現実解を示している。
ここまでは全然できますよと。

あとは、やれそう、やってみたい、
自分ならこうしたい、
などの、次を考えられると思うのだ。


5年前の自分ならどうするだろうね。
大西配列をとりあえずやってみて、
そのうち薙刀式や飛鳥配列あたりを、
やってみようと思うんじゃないかなあ。
好みでいうとそんな感じで、
人には好みがあって良くて、
だから一覧資料には意味がある。



「配列を変えるメリット」を、
示せた人はなかなかいない。
個人の感想ですどまりだからね。

「キーボード強者の日常文打鍵動画」を見ると、
色んな配列のリアルを、まざまざと見ることができる。

その上で、
俺は配列を変えるべき、
俺は変えなくて良い、
を選択すればいいと思う。

qwertyローマ字もJISカナも、
日本語の生産性を落としている。
自分の意思すら書けない文房具って何よ。
それを変えるやり方は、たくさんある。

5年前の俺たちにむけて。


もちろんKIH動画以外もたくさん配列動画はある。
http://oookaworks.seesaa.net/article/475004852.html
に集積しているので参考にされたい。
ようやくここにもKIH分を反映させておきました。
posted by おおおかとしひこ at 09:47| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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