なぜ人はすぐにブラインドタッチが覚えられないのか?
左手から始めるからだ。
それは、サイトメソッドで、左から文章を読むからだ。
どういうことかというと、
たとえば左手中段は、
54321
のようになるべきだ。
DFGあたりの順番は異論があろうが、
分かりやすさのためにこうしておく。
これを触覚的優位順としよう。
しかるに、視覚的優位順は、
12345
だから問題なのだ。
左から右へ読む慣習が、
ブラインドタッチでは、
左手では右→左になるわけだ。
で、そもそも右利きが多いから、
ほんとはHJKL;から始めるべきだ。
だから触覚的優位順は、0を最初の数字だとすると、
98765 01234
と並ぶべきだと思う。
これが視覚的優位順と異なっていること、
すなわち、
右手から読み左手が次なこと、
中央から外側に流れること、
の二点が、
ブラインドタッチの学習を困難にしている。
とくに左手は二重にひっくり返っているから、
視覚的慣習と反転して、ややこしくなるのだと考えられる。
さらにこれは三段にも言えて、
視覚的優位順は、
1
2
3
だが、触覚的優位順は、
2
1
3
だ。
だからほんらいqwertyローマ字は、
hjkl;ローマ字と呼ぶべきなのに、
触覚的優位順の名前で呼ばず、
視覚的優位順で読んでいるから、
齟齬が生じているのだ。
つまり、
サイトメソッドで打つならqwertyローマ字、
ブラインドタッチで打つならhjkl;ローマ字、
と呼ぶべきだ。
で、qwertyの問題点としては、
ちっともよく使う文字がそこに来ないことだよね。
行段系ローマ字が、
eaiuoであったり、
ktnhrであったり、
異同はあれど頻度の高いものがあるのは、
その文字を配列のセカンドネームにしていいはずだ。
薙刀式で言えば、
「くあいうー」配列と言って良いということ。
最初のひらがな三文字が右手真ん中にあり、
左端にはまあまあ使う「く」があり、
右端には記号的な長音がある、
という運指感覚で、
右小指をあまり使わない配列であることがわかろう。
こうした設計思想を、
01234のパートを見ればわかるわけだ。
しかるに、
hjkl;配列は、触覚的設計思想を全く感じない。
日本語でkはかなり使うが、
英語ではkは下から数えるくらい使わない。
分からないものを鰯の頭のように信じて覚えるには、
負荷が大きすぎる。
そしてそれがとても効率が良いとも思えないから、
ブラインドタッチは普及しない。
まあ元素記号や周期表は無理やり覚えたから、
それだと思えばしょうがないかもしれないが、
「もっと合理的なもんあるやろ」
とすぐに気づくと思うんだけどなあ。
手の合理でいえば、
テントしたキーボードであるべきだ。
その時にはじめて、
「中央から外側へ」を意識するかも知れない。
視覚的優位順と、
触覚的優位順は異なる。
とくに左手では鏡像反転が起こる。
だから左手のブラインドタッチは、習得が困難だと思う。
ちなみに薙刀式では、内側から順に、
「っかとけろ」。
人差し指中指に重要なカナがあり、
薬指にマイナーギリギリのカナがあり、
小指にものすごくマイナーなカナがあり、
人差し指伸ばしに記号的なカナがあり、
右手部と似た思想であることが読み取れる。
鰯の頭を食べるだけで、
それがどういう構造のもとにあるのか、
理解しながらマスターできる。
gfdsaは、読み取れない。
後半に行くに従って頻度が高いのは、
無理があるやんと、体が警告するよね。
この左右反転の感覚に、
僕はまだ慣れていないし、
ここが合理的な薙刀式を使っている以上、
一生qwertyには納得しないと思う。
そもそも、
qwertyはサイトメソッド用の配列として生まれた。
それを誰かがブラインドタッチを始めて、
サイトメソッドより速いから、
特殊技能として広まったわけだ。
最初からブラインドタッチ前提の配列として設計されてないから、
左から探したほうが早いように出来ている。
触覚的優位順の配列を使って、
はじめてブラインドタッチは、
うまくいく。
そしてそれは、qwertyではない。
qwertyの難易度が高いのはそうした理由もあるが、
あまり議論されてないね。
それは、
98765という話を知らないからだろうな。
2023年05月29日
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