流行りのガスケットやリーフスプリングマウント、
そしてゴム足やポロンやテープMOD。
打鍵音、打鍵感の向上には、
たくさんのテクニックが費やされてきている。
最近ずっと自分のキーボードの打鍵感を良くしようとしてきて、
気づいたことを書いておく。
そもそも何を目標にすればいいのか?って話。
結論から書いておく。
「キーボードをひとつの物体だと思った時に、
その一つの物体が剛体だとして、
固有振動すること」が理想。
そうじゃないときとは、
「パーツがバラバラに『全体の振動』とは異なる振動をしてしまい、
振動同士がぶつかる不快感」
であると考えた。
「打鍵感が良い」にはたくさんの要素があると思うけど、
「一つのキーを打ったらコーンと一つの振動が響き
(理想はsin波?)、
他のキーのコーンとも混ざらない、
純粋なこと」
が理想なんじゃないかと。
で、純粋の逆はなんだろうと考えると、
「一つのキーを打った振動が、
複雑なパーツをランダムに揺らして、
内部で整理されていない振動になること」
じゃないか?
と感じたのだ。
振動の原因はなにか?
キーの打鍵、底打ちである。
そしてもうひとつある。
キーの戻りによる振動だ。
キーボードは、二種類の振動が、
常にあちこちで起こり続ける、
「揺れ続ける物体」であるわけだ。
底打ちしないときもある。
半ば、アクチュエーションで止めて、
戻る打鍵法だ。
つまり、確率的には、
打鍵に対して、戻り振動が100%起こり、
底打ち振動は50〜80%起こる(数字は人や調子による)。
で、
これらの時に、
「全体が剛体になってれば良し」
なのでは?
と思ったわけ。
もし全体が理想的な剛体ならば、
どこで打っても同じように響き、
しかもその固有振動数で響くはずである。
そうなっていない、
密度の違いや接合の具合により、
振動がバラバラになるわけだ。
ということは、
各パーツをうまく繋いで剛体にすれば良い。
単に接触してるだけではそこでがたつくから、
柔らかいものを入れると良いだろう。
ガスケットやOリングやリーフスプリング、
PCBにスリットを入れて全体を柔らかくする、
あるいはスイッチとPCBの間に入れるシートや、
スイッチフィルムも、
各パーツの間のギャップを埋めて、
全体の一体化に寄与している。
あるいは、
音を出すのは空気であるから、
空気の振動も影響する。
空気の空間をなるべく潰す、
ポロンやEVAスポンジなどは、
打鍵音だけではなく、
振動する空気を排除することで、
打鍵感を剛体化するだろう。
そもそもゴム足も、キーボードと机の間の緩衝材だよね。
キーボードマットもそうだろう。
剛体化にはもう一つある。
パーツの一様性である。
たとえば重たいものと軽いものがパーツにはあり、
重たいものの振動では大したことないが、
軽いものだけが振動しまくり、
これが振動のバラバラさを生むことになる。
僕は「ビビリ」と呼んでいるが、
全体の振動に対して、
スイッチだけが震えている、
トップハウジングの戻りだけが震えている、
なんてことがとても気になり、
打鍵感の統一性、純粋性が保てなくなっているのだな、
と気づいた。
軽いものは高周波で固有振動する。
重たいものは低周波で固有振動する。
そのバラバラさを統一するには、
それらの間に緩衝材を挟むことが一つ、
もう一つは、
軽いものを重くすればいいはずだ。
ということで、
最近やってる改造は、
最も軽いパーツであるところの、
トップハウジングの戻り振動だ。
トップハウジングの接触部は、
プレートに触れた爪の部分と、
ボトムハウジング部分しかない。
だからそこにマステやらシリコンやらを挟んで、
緩衝材がわりにしてきた。
でもなんか足りなくて、
質量を増やせばいいのでは?と気づき、
「トップハウジングにマステを貼る」を試行錯誤中だ。
現在有効なのは、マステ8枚重ねの分厚いものをつくり、
トップハウジング裏、
金属リーフ用の穴の上部分に貼り、
かつトップハウジング表の四隅、
ボトムハウジングの噛み合いの、穴の空いてる部分、
計五箇所に貼っている。
これが正しい場所かはこれから検討だけど、
トップハウジングのビビリが、
質量が重くなることで消え(0ではない)、
全体の剛性感に一体感が出てきたような気がする。
理想の剛体振動は、
内部の密度が一様であることだろう。
そしてその物体のもっている固有振動に、
純粋になることで、
中でガタガタしないことだろう。
そんな風になると、
キーボードはもっと良くなる。
この一週間くらい、毎日ちょっとずつやってはまたやり直している。
地味でMPを削られる工夫だ。
そもそも真鍮ブロックの、
新しい打鍵感(たぶん麻雀音といわれるのが一番近い)を、
目指していることによる、
そこにどう統一化していくか、
をやっているのだと思われる。
マステ8枚重ねメソッドは今のところ一番良いので、
やっと客観的に見れてきたので、
知見をまとめてみた。
キー部に向けて図を書いたり写真を撮りたい。
2023年06月18日
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