2023年06月18日

【自キ】振動制御理論

流行りのガスケットやリーフスプリングマウント、
そしてゴム足やポロンやテープMOD。
打鍵音、打鍵感の向上には、
たくさんのテクニックが費やされてきている。

最近ずっと自分のキーボードの打鍵感を良くしようとしてきて、
気づいたことを書いておく。
そもそも何を目標にすればいいのか?って話。


結論から書いておく。

「キーボードをひとつの物体だと思った時に、
その一つの物体が剛体だとして、
固有振動すること」が理想。

そうじゃないときとは、
「パーツがバラバラに『全体の振動』とは異なる振動をしてしまい、
振動同士がぶつかる不快感」
であると考えた。

「打鍵感が良い」にはたくさんの要素があると思うけど、
「一つのキーを打ったらコーンと一つの振動が響き
(理想はsin波?)、
他のキーのコーンとも混ざらない、
純粋なこと」
が理想なんじゃないかと。

で、純粋の逆はなんだろうと考えると、
「一つのキーを打った振動が、
複雑なパーツをランダムに揺らして、
内部で整理されていない振動になること」
じゃないか?
と感じたのだ。

振動の原因はなにか?

キーの打鍵、底打ちである。

そしてもうひとつある。

キーの戻りによる振動だ。

キーボードは、二種類の振動が、
常にあちこちで起こり続ける、
「揺れ続ける物体」であるわけだ。

底打ちしないときもある。
半ば、アクチュエーションで止めて、
戻る打鍵法だ。
つまり、確率的には、
打鍵に対して、戻り振動が100%起こり、
底打ち振動は50〜80%起こる(数字は人や調子による)。


で、
これらの時に、
「全体が剛体になってれば良し」
なのでは?
と思ったわけ。
もし全体が理想的な剛体ならば、
どこで打っても同じように響き、
しかもその固有振動数で響くはずである。

そうなっていない、
密度の違いや接合の具合により、
振動がバラバラになるわけだ。

ということは、
各パーツをうまく繋いで剛体にすれば良い。


単に接触してるだけではそこでがたつくから、
柔らかいものを入れると良いだろう。
ガスケットやOリングやリーフスプリング、
PCBにスリットを入れて全体を柔らかくする、
あるいはスイッチとPCBの間に入れるシートや、
スイッチフィルムも、
各パーツの間のギャップを埋めて、
全体の一体化に寄与している。

あるいは、
音を出すのは空気であるから、
空気の振動も影響する。
空気の空間をなるべく潰す、
ポロンやEVAスポンジなどは、
打鍵音だけではなく、
振動する空気を排除することで、
打鍵感を剛体化するだろう。

そもそもゴム足も、キーボードと机の間の緩衝材だよね。
キーボードマットもそうだろう。


剛体化にはもう一つある。
パーツの一様性である。

たとえば重たいものと軽いものがパーツにはあり、
重たいものの振動では大したことないが、
軽いものだけが振動しまくり、
これが振動のバラバラさを生むことになる。
僕は「ビビリ」と呼んでいるが、
全体の振動に対して、
スイッチだけが震えている、
トップハウジングの戻りだけが震えている、
なんてことがとても気になり、
打鍵感の統一性、純粋性が保てなくなっているのだな、
と気づいた。

軽いものは高周波で固有振動する。
重たいものは低周波で固有振動する。
そのバラバラさを統一するには、
それらの間に緩衝材を挟むことが一つ、
もう一つは、
軽いものを重くすればいいはずだ。



ということで、
最近やってる改造は、
最も軽いパーツであるところの、
トップハウジングの戻り振動だ。

トップハウジングの接触部は、
プレートに触れた爪の部分と、
ボトムハウジング部分しかない。
だからそこにマステやらシリコンやらを挟んで、
緩衝材がわりにしてきた。

でもなんか足りなくて、
質量を増やせばいいのでは?と気づき、
「トップハウジングにマステを貼る」を試行錯誤中だ。

現在有効なのは、マステ8枚重ねの分厚いものをつくり、
トップハウジング裏、
金属リーフ用の穴の上部分に貼り、
かつトップハウジング表の四隅、
ボトムハウジングの噛み合いの、穴の空いてる部分、
計五箇所に貼っている。

これが正しい場所かはこれから検討だけど、
トップハウジングのビビリが、
質量が重くなることで消え(0ではない)、
全体の剛性感に一体感が出てきたような気がする。


理想の剛体振動は、
内部の密度が一様であることだろう。
そしてその物体のもっている固有振動に、
純粋になることで、
中でガタガタしないことだろう。

そんな風になると、
キーボードはもっと良くなる。

この一週間くらい、毎日ちょっとずつやってはまたやり直している。
地味でMPを削られる工夫だ。

そもそも真鍮ブロックの、
新しい打鍵感(たぶん麻雀音といわれるのが一番近い)を、
目指していることによる、
そこにどう統一化していくか、
をやっているのだと思われる。

マステ8枚重ねメソッドは今のところ一番良いので、
やっと客観的に見れてきたので、
知見をまとめてみた。
キー部に向けて図を書いたり写真を撮りたい。
posted by おおおかとしひこ at 10:41| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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