2023年06月19日

【薙刀式】ベータとVHSの入口戦略

一太郎とワードについてはリアタイではないため、
よくわからないままであったけど、
ベータとVHS戦争については個人の目線から簡単に答えられる。

なぜベータは(性能がいいにも関わらず)、
VHSに負けたのか?
値段だ。VHSの方が安かったから。


ベータが画質がいいのは知ってた。
でも高いのも知ってた。
つまり、
「ベータはマニアのためのハイエンド機」でしかなくて、
「まずテレビを録画することに、
価値があるかどうか?
録画生活をすることにどれほどの意味があるか?」
が分かってない状況で、
いきなりハイエンドに手を出す勇気は、
誰もなかったんだよね。

そこに、
多少画質がへぼいかも知れないが、
実用上はそんなもので
(だってみんな三倍モードという、
画質は1/3だが三倍長く撮れるモードしか使ってないし)、
とにかく安く上げられて、
録画生活の仲間入りができる、
VHSを買った。

CMの戦略も、
高級ハイエンドvs庶民の手軽さ
の二つに分かれていたと思う。

僕はベータが庶民をアピールしてもいいと思ったんだけど、
「棲み分け」を意識して、
ベータは高級路線に行ったのかな。

安さ爆発のほうが売れるんだよな。
内容じゃない。

内容はしばらくして、あとからついてきて、
もっと高級なやつが良かったと知った時は後の祭りなんだよな。
改めてベータを2台目として買う余裕はない。

つまり、
入口戦略で、VHSは勝利したのだ。

安いよ、簡単だよ、普及してるよと。

高いよ、画質がいいよ、普及は微妙、だと、
臆してしまうんだね。



qwertyローマ字が普及したのは、
入口戦略での成功かも知れない。
戦略なんてなかったんだろうけど、
結果的に。

「キーボードアレルギー」という言葉が当時あったくらい。
「あんなにたくさんのキーを扱えるはずがない」
という恐怖だ。

だけど、26文字/109キーさえ覚えればなんとかなる、
ことが安心材料になって、
qwertyローマ字は、結果的に入口戦略に成功した。

パチンコの原理と一緒で、
大量に玉を打てば当たりの確率は上がるわけで、
こうしてqwertyで速い人が生まれて…
のループでここまで来たのだろう。

JISカナも、親指シフトも、
だから流入の入り口戦略を誤った。

Windows95で、
入り口はここから、を明快にせず、
qwertyローマ字より楽で簡単をアピールし切れなかったから、
滅びのルートに入ったのだろう。


薙刀式の入口戦略はどうだろ。
動画と記事メインでガンガンやってるけど、
一回「すべての人にブラインドタッチをマスターさせるとしたら」
というSF的な形で、
議論するのはあると思っている。

そもそもブラインドタッチ率30%の国で、
100%識字率みたいになるとしたら?
みたいなことを考えたい。

子音母音の左右分離式行段系は、
ひとつの答えだけど、
カナ配列の合理性はそれを凌駕する話をしたいんだよな。

で、
最終的には、
それを議論せずとも、
配列図を見ただけで、
簡単にブラインドタッチが学べそうだ、
と感じるようなデザインがないかなあ、
なんてことを妄想している。


カナは活字一つ一つを拾って持ってくるんじゃなくて、
言葉のパーツ単位で揃えるもんなんだよな。

上の文でも、

     一つ一つ  って ってくるんじゃなくて、
      単位で   もんなんだよな。

あたりは定型句でジャラッと打てる。
このへんが、配列図を見ただけでわかるようになれば、
薙刀式は入口戦略に成功すると思うんだが、
正解は出てこない…

瞬きの間にそれが伝わるデザインを、考えたいところ。

なにせ「安かったから」で済まされるくらい、
コミュニケーションの速度が必要なのだ。
posted by おおおかとしひこ at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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