2023年09月21日

自信のある人が好き

という話をカフェの隣の女子が話していて、
耳をそばだてて聞いていた。
「自分に自信がないから、自信のある人が好き」
という結論であった。
ふむ。


モテたい人は自信をつけろ。
そうしたら自信のない女子から好かれる。

自信のある人はどれだけいるだろう。
多分そんなにいないよね。
どこかしら自分の弱点を分っている人ほど、
そこは自信がないじゃんね。
冷静な人ほど過信はしない。
ここまではいけるが、ここからは無理、ってちゃんと思う。
それは傍目からみたら自信がないように見えるだろう。


さて、物語である。
つまり、
物語を見るほとんどの人は自信がない。

だから、自信のある人にあこがれる。
だから、物語には自信のある人物が出てくるべきだ。

だからといって、
主人公が自信にあふれていることが正解かというと、
そうじゃないと思う。
なぜならリアリティがないからだ。

自分に自信のない人が見るものが、
自信のある人の人生を見てもリアリティを感じない。

だから、自信のない主人公のほうが、
投影はしやすい。

だから、その自信のない主人公が、
やむにやまれずに事件に巻き込まれ、
仕方なく事件を解決せざるを得ない状況になり、
そこから事件を解決していく過程において、
どんどんと自信がわいてくるような、
成功の階段を上っていくと、
面白くなるわけだ。

最終的には、
最初のときのような、自信がなく、所在なさげな主人公が、
世界を睥睨するほどの自信にあふれ、
これからどうやっても大丈夫だと思えるように、
終わるのがよいだろう。

これが、自信がない人が見る物語の典型である。


自信のない人に、
自信を生まれさせるような物語が、
一番よいと僕は思っている。
自信は、じゃあどこから来るのだろう?
「これだけやって、それが成功したという自負」なんじゃないかと思うよ。

モテないことに自信がなかったとしても、
何か別に得意なことがあり、
それが成功していけば、自信はつくと思うんだよね。
たとえモテなくても、
そのことが成功していたら、告白とかできると思うんだよ。
成功している自分という自負が、自信になってくるからね。

自信のない男子ほど、
今は告白できないが、
いっぱしの人物になったら告白しよう、
なんて思うことがあると思う。
女子も同様かな。
いっぱしの人物に、と思うよりも、
ダイエットが成功したらとか、メイクを変えたらとか、整形したら、とかかもしれないけど。

つまりその心理の裏には、
「こうなれたら自信がつくのに」という理想形があるということだ。
そうなっていないから自信がない、
というコンプレックスの裏返しだということを理解しよう。


つまり、
そのようなコンプレックスを刺激するように一幕をつくり、
二幕三幕を通じて、
そのコンプレックスを吹き飛ばす成功を描くといいわけだ。
そうしたらコンプレックスはなくなり、
自信がつくだろうからね。

どうやって?
それを創作するのが、創作だよ。


つまり創作ストーリーは、
「自信のない人が、自信がつくまで」をつくることだ、
といっても過言ではないということだ。


事件から解決までの一連の中で、
このように思えるようなストーリーラインをつくれるだろうか?
中盤の活躍や失敗や立ち直りが、
大事になってくるだろうね。
「ここまでやったんだ」は自信の根拠になるからね。

自信なんてなくてもいい。
自負と誇りを描こう。
それはそのうち自信に育つ。
posted by おおおかとしひこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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