2023年06月28日

【薙刀式】薙刀式が楽な理由

薙刀式は長距離用の設計だ。
0.1秒を削るタイピングゲームで高スコアを出すよりも、
長文、たとえば10万字の小説を一ヶ月かけて執筆したり、
1万字のレポートを半日かけて書くのに向いている。

その秘密は、「なるべく楽をする」ような設計だからだ。


長距離ランナーは、
短距離ランナーに比べて体が細い。
なるべくエネルギーを使わずに、
無駄な体重を減らして、
最小労力で進めるような体をしている。

贅肉が多かったり、
無駄なフォームだと、
疲れて途中で脱落するのだろう。

だから、
以下のような楽さにより、
無駄を削ぎ落とした動きになっている。

・親指の通常シフト、連続シフト
・同時打鍵ではなく相互シフト
・BSがU位置
・編集モードが人差し指中指中心で操作
・繋ぎの言葉が楽な運指に


・親指の通常シフト、連続シフト

中指シフトや薬指シフトを使わず、
でかいスペースキーを押してシフトするセンターシフト方式は、
なんか精神的に楽だね。
どんとこい的な安心感がある。
スペースキーがデカくないキーボードはないし。

そしてこれが同時打鍵じゃないのがミソ。
同時打鍵は神経を使う気がする。
小一時間なら別に同時打鍵でもいいんだけど、
ずっと書き続けるには、
ダラダラ書ける方がいいと思う。

この「ダラダラやれる感じ」こそが、
長距離ランナー体型ってことだと思うんだよね。
無駄を削ぎ落とした、ソリッドな緊張感は、
結果、ダラダラに変貌する。

連続シフトの楽な感じもこれに寄与している。
飛鳥配列に比べれば連続率は低いけど、
親指シフトのような逐次シフトよりかは、
精神的にかなり楽できる。

飛鳥も親指シフトも、
シフトが左右交互になるときとか、
バタバタする感じの時はめんどくさい。
それがセンターシフト一個しかないため、
どっちの親指でとってもいいし、
連続するし、楽。


・同時打鍵ではなく相互シフト

説明の簡便のため同時打鍵とかいってるが、
2キー同時押し3キー同時押しは、
相互シフト方式だ。

これは薙刀式だけ?が採用している。
「Aを押しながらB、Bを押しながらA」の、
どちらでも同時打鍵とみなす方式。
先押し後押しの順を問わず、
同時に押されている瞬間があれば同時、
一切無ければ順押し、
のようにロールオーバーありなしでの判定方式だ。

だから、ダラダラやれる。
一方をシフトキーのように押したまま、
考えてよっこいしょと他方を打ってもよい。
○ミリ秒以内に、などを考えずともよいのがよい。
薙刀式独特の3キー同時押しも、
ガッとやってもいいし、
ダラっと打ってもいい。
このダラダラが良い。

特に編集モードでは、
「人差し指中指を押しながら逆手」
に操作系が統一されているが、
「人差し指中指を押しながら」複数の機能をガガッと連続できる。
いわば編集モードの連続シフトだ。

たとえば、
「7文字選択しながら戻って、1文字戻り×3、
1文字選択×4、再変換」
「ホームに移動して、文末まで消去」
なんてのを、DFを押しながらやれる。

このダラダラと連続する感じが良い。


・BSがU位置

これも楽だよね。
このためだけに薙刀式使ってもいいくらいだ。
英語qwertyでもuにBSを置きたいところだが、
qwertyを崩さないために、
Lower+UにBSを入れてます。

その他機能キーが近いのもよくて、
エンター: V+M
IMEオフ: F+G
IMEオン: H+J
が楽しながら打てる。
すべてがホームキーFJから1U範囲内にあるので、
人差し指で操作している感覚になるのがよい。

小指エンターとかBSとか、
左上の方の全角半角とか、
操作をなんだと思ってるんだよ。
人を指す一番器用で神経の通ってる指で、
操作し続ける方が楽じゃんね。


・編集モードが人差し指中指中心で操作

その他の操作系、操作系ショートカットは、
編集モードに入れてある。
それらは、
「DFを押しながら右手キー」
「CVを押しながら右手キー」
「JKを押しながら左手キー」
「M,を押しながら左手キー」
と、
「人差し指中指を押しながら」
に統一してある。
「2キーを押しながら」は一見大変なのだが、
やってみればわかるけど、
大きなシフトキーを押しながらの感覚なので、
「小指でシフトキーを押しながらなにか」より、
楽だと僕は思う。

当然だけど、よく使う機能は人差し指中指に集めてあり、
これも薬指小指の頻度を減らしているため、
結果、
「操作をする時はほぼ人差し指中指の組み合わせ」
になっているのだ。

これは楽。
そして上に書いたように、
連続シフトで組み合わせやすい配置にしてあるので、
これも楽。


・繋ぎの言葉が楽な運指に

語尾部分、助動詞、助詞、よく使う言葉が、
アルペジオなどで楽に打てるため、
あるものとあるものを接続する、くっつけることが楽。

これは思考の本質が、
「あるものとあるものをくっつけることが思考である」
だとして、
「くっつけるときに楽できる」
わけ。
だから次々に連鎖的に思考することが楽になり、
流れるように思考が進む。



このように、
「楽できる」「ダラダラ打てる」
ことが薙刀式の本質である。

このダラダラ性が素晴らしい道具なのだ、
怠惰性こそが優れた道具である、
というのは直感と反するが、
ソファはそれが機能性だよね。

だから配列はソファなのだ。

ソファであればあるほど、
マラソンランナーのように、
無駄なく動き続けられるんだよな。


「優れた道具はダラダラ性で決まる」
「ダラダラとは最短距離のこと」
などで評価すると、
薙刀式はすぐれたダラダラ道具である。

だから、0.1秒を削って、
1分以内に決着がつく数百字のことをやるよりも、
半日かけて1万字やるときの、
ダラダラ性能こそ大事なのだ。

1分用のソファと、
半日用のソファは違うよね。
もちろん一ヶ月用のソファもだ。

これまでの配列理論では、
「ソファかどうか」はあまり議論されてこなかったのではなかろうか。
「無駄をなくすぞー」はあったけど、
それがどのようなものになるのかの、
時間のスパンは不明だったような。

というわけで、
半日以降単位で効いてくるのが、
薙刀式の効果だと思われる。


「配列を変えて速くなる」をイメージするときに、
数分の話なのか、
一日、一ヶ月の話なのかで、
だいぶん変わってくるよね。
そして二つのジャンルは比例しないことが、
ソファのたとえで説明できるかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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