岡さんの統計によれば、
漢字を除いたひらがなのみの出現率の順は、
の、る、に、し、を、い、と
らしい。
これがどこにいるのか、調べてみると。
【薙刀式】
○○○し○ ○○る○○
○○と○○ ○○い○○
○○○○○ ○○○○○
○○○○○ ○○○○○
○○に○○ ○の○○○
○○を○○ ○○○○○
すべて人差し指中指に集中。
漢字以外のひらがなは繋ぎの語が多いと思われるが、
それを人差し指中指で担当しているのが、
薙刀式の特徴であるといえる。
この中央側の指で打っていく感覚こそ、
薙刀式の打鍵感だ。
【飛鳥】
○○○○○ ○○と○○
○し○○○ ○○い○○
○○に○○ ○○○○○
○○○○○ ○○○○○
○○○○○ ○るの○○
○○○○○ ○を○○○
「し」を除き、
薙刀式と指の考え方が同じといえる。
無意識に影響されるほど、
僕は飛鳥を使い込んだわけではないため、
最初から考え方が近いんじゃないか。
あるいは「膨大な評価打鍵」が、
飛鳥と薙刀式の作り方の共通点なので、
ずーっと打ってると中央指に収束するのかもしれない。
海の生き物が、進化系統樹は全く違うのに、
なぜか同じカニの形に収束する現象をカニ化というらしい。
海という環境が大体同じ答えに収束させるから、
と言われている。
同じ環境に放り込むと進化収束の方向は似るのかもだ。
【新下駄】
○に○○○ ○○○○○
のと○○○ ○い○し○
○○○る○ ○○○○○
○○○○○ ○○○○○
を○○○○ ○○○○○
○○○○○ ○○○○○
全部単打にありそう、と予想したら、
やはり単打率の高い新下駄、
「を」を除き全部単打に出している。
とはいえ、僕の苦手な左薬指、左小指にふたつ。
僕が新下駄に挫折するのもよくわかる。
新下駄は中指や薬指と同時打鍵する配列だが、
シフト文字を低く見て、
単打の方を優先する考え方を採っている。
親指でシフトする薙刀式や飛鳥は、
シフトにしてでも真ん中指に集めるべき、
のような考え方で、
対照的だと思う。
シフトを手間だと思うか、
そうでもないと思うかの差があるようだ。
【親指シフト】
○○○○○ ○○○○○
○し○○○ ○と○い○
○○○○○ ○○○○○
○○○○○ ○にる○○
を○○○○ ○○の○○
○○○○○ ○○○○○
多くは右手に集まるが、
左手にいるやつがなんか微妙。
右手の感覚はかなり興味深く、
なるほど文筆業の人が最初に親指シフトを覚えて、
qwertyやJISカナを下に見るのは、
こうした感覚がデフォルト配列にはないからだろう。
左手の感覚は改良すべきでは?と思うと、
薙刀式や飛鳥が、
この感覚の乗り換え先に相応しい気がする。
【新JIS、月】
○○○○○ ○○のを○
○○しと○ ○○い○○
○○に○○ ○る○○○
○○し○○ ○○いの○
○○○と○ ○○○○○
○○に○○ ○る○○○
○○○○○ ○○○○○
○を○○○ ○○○○○
○○○○○ ○○○○○
新JISのオール単打は驚いた。
しかも中央指なので、
新下駄的でもあり、薙刀式的でもある。
名作配列といわれる一端が垣間見えた感じだ。
しかしそのトレードオフでどんな欠点があるんだろう。
外来語への弱さはひとつあるよね。
月は「を」をシフトに落としている以外は、
新JISの特徴を色濃く継承している。
DKをシフトに使う関係上、
そこを避けたせいで薬指に負荷がずれ、
新JISから微妙に使いにくくなっていると思う。
これを良しとするかどうかだろうなあ。
【シン蜂蜜小梅】
○○○○○ ○○のに○
○○○る○ ○○いしと
○○○○○ ○○○○○
○○○○○ ○○○○○
○○を○○ ○○を○○
○○○○○ ○○○○○
「を」を除きオール単打。
新下駄に考え方が近く、
単打>中央指の優先度のよう。
親指のシフトだからシフトは楽だ、
とは考えてないようだ。
この辺、感覚的に異なるのが興味深い。
シフトは楽だから、
シフトを含んででも中央に集めた、
薙刀式と飛鳥。
シフトを含んででも右手中心とした親指シフト。
単打の方が楽だろ、と考えた、
新下駄、シン蜂蜜小梅。
両方を兼ねた感の強い新JISと月。
設計思想の無意識に近い領域が、
根本的に違うなと感じる。
2023年06月29日
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