というのが芯になる。
さて、それはガワか中身か?
ってことなんだよな。
ガワを面白いと思っているなら、
それはストーリーになる意味がない。
写真、絵、設定集、コスプレ、
そんなものの方が出来が良くなる。
それをやった方が、
そのガワにとって最も適切な出口になる。
中身を面白いと思うならば、
それも点でなくて線で考えるべきだ。
たとえば、「母に再会する場面が面白いと思う」
ではまだ点だろう。
「母に再会する場面」自体は、
古今東西どんな物語でも存在するので、
その物語ではじめて「母に再会する」
が描かれていない限り価値がない。
つまり、どこかでみた場面ということだ。
「記憶喪失になった主人公が、
母と再会する場面で記憶を取り戻す場面」
ならば、
あまりなさそうなのでオリジナリティがありそうだ。
そして線になっている。
ただしそれが「面白い」まで来ているかは、
これだけではわからない。
「記憶喪失になった主人公が、
母に再会して、母の鼻歌で子供の頃の記憶が蘇る場面」
なら、話はもっと具体的になり、
「ふむ、それは面白いかもしれない」
となると思う。
なぜなら、
面白さはディテールに宿るからだ。
きっとその歌のディテールも良いのだろう。
泣ける歌でなくて、
子供の頃の自分が作った曲「うんこぶりぶり」かもしれない。
「うんこぶりぶりぶー」というサビで、
母に再会したことがわかり、
記憶が取り戻される場面、
なんてまでディテールを描写できれば、
「それは面白そうだ」
まで来ると思う。
歌詞は笑えるのに場面は泣けるんだぜ。
これは何かしらの新しい感情であり、
しかも気持ちよく感動できそうだ。
すなわち「同じものだが、
違うものをもってこい」に応えていることが、
これだけでわかる。
これが、芯だと僕は思う。
ChatGPTが作るストーリーにはこれがない。
新しいガワ(これはランダムなジェネレート機能が持つ、
新しいマリアージュ)を作ることが出来、
それらをアイテムとした、
平凡な中身のストーリーは書ける。
しかしそれが何の意味があるのかや、
なぜそれになったのかの腹落ちする部分がない。
それは、平凡なプロットという骨格と、
ランダムジェネレートのガワという組み合わせの、
ChatGPTの構造そのものだからだ。
ある面白い芯を作り込み、
それが成立するようなプロットを逆算で組み、
ツカミをして、同時に伏線を張り、
感情移入をつくりあげて、
意外な展開を持ってきて興味を抱かせ、
独自の世界観に引き込んでゆき、
その芯に至るようなものをつくる、
という風には、
ChatGPTはつくっていない。
そのようにせよと教えれば可能だろうが、
そうした作りかけの何かのデータはネットに転がっていないため、
学習するソースがないよね。
完成品しかないからな。
芯はなんだ?
何を面白いと思い、
それはどんな線とディテールを持つ?
それが出来てないと、
剥いても剥いても芯のない、
フニャフニャの何かしか作れないだろう。
そして人が楽しむものは、
その芯なんだよ。
俺はこれのここを面白いと思うんだ。
そのプレゼンこそが、
作品を見せるということだ。
賛同を得られるかどうかは、その出来と世間の流れ次第だね。
2023年07月19日
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