2023年08月29日

うまい芝居とはなにか

色々な説があろう。

僕は、
「台本が表す感情に対して、
過剰すぎる表現でもなく、
あっさりしすぎた表現でもないこと」
だと考える。

つまりちょうどよくリアルで、
ちょうどよく感情が乗る芝居、ということだ。


料理の味付けでいえば、
濃すぎず、薄すぎず、
ということである。


さっきストリートミュージシャンを路上で聴いてたのだが、
歌詞に対して、
アレンジを効かせすぎた、
思い入れたっぷりの歌い方をしてて、
寒いなあと感じたのだ。

でもあっさりしたらあっさりしたで物足りないだろうな、
などと考えて、
何基準でこれを考えてるのかを考えると、
原曲の歌手の歌い方ではなくて、
「台本」、つまり詩と曲に対してどうか、
ということなんだなあと思ったわけ。

台本の要求する感情の流れに対して、
間を取ったりくどい言い方をすれば、
クサイ芝居になるだろう。
逆にこってりした気持ちの時に、
あっさりしてしまったら、
物足りなくなるだろう。

役者は解釈力だ、なんていうけど、
濃すぎの解釈は下手で、
薄すぎの解釈も下手ってことだね。


じゃあその大元の台本の、
うまさ/下手さも同様では?
と思ったんだよ。

それが導く感情に対して、
濃すぎたらクサイ台本になるだろうし、
薄すぎたら物足りない台本になるだろう。

そしてそもそもどんな濃さを目指したものなのか、
はっきりしてなくて、
統一感がなければ、
下手な台本ってわけ。


カラオケが上手い人は、
音程が取れてリズム感があるだけが、
重要なのではない。

内容に対して、
適切な濃さで味付けできるか?
が大事だと思うんだよな。

それは芝居も同じだし、
そもそもその大元の台本が、
そうなんじゃないかなあと思ったわけ。


ちなみにそのストリートミュージシャンの歌は、
尾崎のI love you。
思い入れたっぷりになりがちだよな。笑
しかしあっさりではこの濃い感情は物足りないだろうね。

…と思ったら宇多田のfirst loveをタメまくって歌い出した。
だめだこりゃ。
posted by おおおかとしひこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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