2023年09月03日

オリジナリティのあるエピソードはあるか

いろんなキャラクターが集合して、
なんとかやっていくのが物語というものだ。

何人いるだろうか?
数えてみよう。
一覧表をつくってみて、
それぞれのキャラクーの独自エピソードを羅列してみよう。


その「独自のエピソード」というのは、
他にないオリジナルなやつがよい。

たとえば、「ごめんと謝る」なんてのは、
どこにでもある場面だ。
仮にそれがそのストーリーでとても重要な場面だとしても、
そこにオリジナリティがないため、
それはカウントしないことにしよう。

「いじめられてカエルを食うことになる」
というのはあんまりなさそうなので、
オリジナリティに加えてもいいかもね。
でも「食わなかった」だったらふつうだけど、
「進んで食って吐き出した」とかの、
オリジナルな感じになっているのが理想だね。

それで出来上がった表が、
「オリジナル表」とでもいえる。
オリジナルなエピソード集、
ともいえるだろう。

もしこれが一つもないならば、
あなたのシナリオはとてもつまらないと予想する。

どんなによくできていたとしても、
オリジナルのエピソードが一つもないんでしょ?
つまりはそのへんの何かのコピペの集合体だということになってしまう。
そうじゃなくて、
オリジナリティあふれるエピソードがいくつあるか?
ってことだと思うよ。

あるいは、
キャラクターごとに並べることで、
「このキャラクターはオリジナルエピソードが弱い(ない)」
ということに気づくかもしれない。

どんなに変わった設定だとしても、
オリジナルのエピソードがないならば、
それは死んだキャラクターも同然だ。

ちょっと変わったエピソードでもいい。
すごい印象的なエピソードでもいい。
小さいインサートでもいいし、
ストーリーの重要な場面でオリジナルな決断や行動を示すのもよい。
とにかく、
そのキャラクターのイコンとなるような、
そういうものが、
キャラ表の中でどれくらいの塩梅になっているかを俯瞰しよう。


主人公に一番多いのがベストだ。
そうでないと埋もれることになるだろう。

敵対するライバルに次に多いべきだろう。
そうでないと敵がスカスカに見えてしまう。
敵のほうが主人公よりもエピソードが多いならば、
もやっとした主人公がキャラの立っている敵を倒す話になってしまい、
「倒す」話というよりは「倒される」話に見えてしまうだろう。
それは倒す話ではなくなってしまう。
主人公側をどんどん豊かにしていくべきである。

あるいは、
主人公をサポートするキャラとか、
敵に寝返るキャラとか、
第三者キャラとか、いろいろいると思う。

それらの独自のエピソードがどれくらいあるか、
オリジナル密度とでもいえるようなものを俯瞰しようぜ、
ということだ。
重要キャラほどオリジナルなエピソードに満ち、
重要順に数が並んでいるのが理想だ。

あとは、
それらのエピソードを俯瞰してみて、
取り替えることができるか?を考えてもよい。
これはAというキャラのエピソードだったけど、
Bに入れ替えられるから、ここでBを立たせることができるな、
などである。
そもそも完全に入れ替えられないのがストーリーというものだが、
もし使いまわせるものがあれば、
積極的に再編成するのはいいことだ。

目的は、
ストーリーの重要なキャラの順に、
重要なオリジナルエピソードが並んでいる(量、質ともに)
ようにすることである。

主人公のキャラが弱くなることはよくあることだが、
それは責任の重さや、
行動力があったとしても、
オリジナルなエピソード、濃いエピソードがない以上は、
他のキャラクターに負ける、
ということを言おうとしている。

独自なエピソードを持たないキャラクターは、
ストーリーの奴隷に見える、
ということだ。
ただストーリーの都合(やらないといけないこと、
立場上やるべきこと)に振り回されて、
自分の意志で動いていない、
ロボット的に見える、
ということを言おうとしている。

独自の濃いエピソードつきならば、
そのキャラクターのオリジナルなものに見えて、
「その人がほんとうにそれを本気でやっている」ように見えてくる。


オリジナルなエピソードはどうやったらできるか?
だけど、
短編を沢山書いたり、
普段からどういう人間観察をしているか、
で決まると思うよ。

どこかで聞いたようなものを入れ込んだり、
現実ではなく創作物からパクったりすると、
なんだかどこかで見たようなものばかりになってしまうだろう。


それは平凡を避ける、
ということでもある。

独自エピソードの質と量が、
その作品のキャラクターの質、ストーリーの質を決める、
ともいえる。

質と量なので、
量ばかり多くても意味がないし、
質さえ高ければ、たった一個でもいいかもしれない。
(まあ1キャラに対して最低1個、
メインキャラならば複数欲しいけど)


ということで、
色々なエピソードを発明しよう。
足りなければ追加して、
多ければ他キャラに回したり、
削除してメインを目立たせるようにしたいところ。

その独自エピソードが秀逸で、
切れがいいほど、
そのストーリーはキャラが立って見えるし、
その登場人物が本気で行動しているように見えるだろうね。
つまり、おもしろいということだ。
posted by おおおかとしひこ at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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