2023年09月06日

本質を捉えるにはツッコミを入れると良い

大阪人は大きく言うと二種類に分けられる。
ボケ人種か、ツッコミ人種かである。
小学生の頃からそれは自然と振り分けられ、
人生の路線を決めるのだ。

僕はツッコミ派である。
これを自分のストーリーに入れる。

「そんなこというたかて、
所詮それは○○やんけ」
と。

これで本質を捉えられる。


特に笑いにしなくてもよい。
本質を捉えられれば良い。
そしてそれは、
絶対の真実を見つけて悟りを開かなくても良い。
「宇宙とは輪廻である」
みたいなことをしなくてもよい。
まあ、それはそれとしても捉えられるな、
とある程度納得できればよいのだ。


所詮このストーリーは、
行って来いやんけ。

なんだかんだいっても、
テーマは「俺は強い」しか言ってないやん。

このキャラって、
結局愛の人やな。

この構成、よくよく考えたら、
ラピュタやん。

いや、ナウシカでもあるな。
どっちもあるわ。


なんて感じで、
色んな要素を、
「所詮○○やん」
と、縮めてみるとよい。

あなたが苦労して苦労して作った張子の虎のディテールを、
全部無視して、
ズバリと中身を言ってみるのだ。

化粧してるかもしれんが、
ブサイクはブサイクや、
と本音を言うのである。

で、それだけで捉え直すのだ。

上の例で言えば、

所詮この話は、
ラピュタナウシカっぽい構成の、
行って来いの話で、
愛の人が「俺は強い」ってやる話やな。

のように言ってみるわけだ。


そして、
「なにがおもろいねん」
「どこがおもろいんや」
とさらに突っ込む。

それに対して反論すれば良い。

いや、愛の人が行って来いするのがええやんか、と。


今、ない話について語ってるから、
それが面白いかはわからないがね。笑



じゃあ、ある話でやってみよう。


RRRってどういうこと?
なにがおもろいん?

所詮はオッサン二人のラブストーリーやろ?
敵国同士の姫と王子が互いを知らず出会って一目惚れして、
ほんで正体がわかって、さあ困った、
言う話やんけ。

で、後半実はスパイでしたーってなって裏切るんやろ。
ロミジュリの後半寝返りラブストーリーやん。
どこがええんや?

いや、ええやん。
そんなパターンなかったし、
それを男女じゃなくて、
インドの濃いオッサン二人やで?
ホモちゃうけどホモかもしれんけど、
とにかくめっちゃ熱いんや。

どこが?

敵がはっきりしとるんや。
イギリス支配下のインドやから、
ど畜生のイギリスを倒すのがめっちゃスカッとする。

つまり、
ロミジュリ後半寝返りの、共闘イギリス殺しの話や。

…それは、ちょっとおもろそうやな。
なんで前半イギリスの側につくねん、
所詮ご都合やろ。
最初からイギリスと戦えや。

それがこんな事情があってな…(以下ネタバレにつき伏せます


と、
どんどん本質的な所へ、
「所詮○○」を修正しながら近づいていけることが、
わかると思う。
だから最初の「所詮○○」は、
本質を突き切らなくてもよいのだ。


…ほなロミジュリとちゃうやんか。
いうたらサンクチュアリやん。

せやせや、池上遼一のサンクチュアリが近いな。
あれは孤児院の二人やったけど、
RRRは偶然出会った二人やな。

どこで出会うねん。

これが強烈で、鉄橋の列車事故に巻き込まれた少年を、
二人が馬とバイクで助けるんや。
なんやそれ?
そこがインド映画やんけ、めっちゃ濃いぞ。
鉄橋にブラーンってなって、
ブラーンってなるんや!ほんでもう一回ブラーンや!!

大阪弁だとこれくらいアバウトでも良いのがいいよね。
この勢いに注目されたい。

所詮○○やんけ、
という冷めた目を、
熱で巻き込んでいけるよね。



ほな、RRRは、
めっちゃ熱いサンクチュアリでロミジュリなんや。

そういうことや。ほんでブラーンや。

おもろそうやんけ。


こう言う風にして、
所詮は○○やろ、
ぶっちゃけ○○やん、
と冷静に本質をつきつつ、
骨格をざっくり見て、
それに対して「なにがおもろいん?」と尋ねて、
○○というよりは△△やなと修正して、
ほな○○と○○やんといい直し、
それで「なにがおもろいん?」と尋ね直し、
熱を持って巻き込めるか?
までチェックできる。

そして、おもろそうやんけ、
と答えられるか?までやるとよい。


つまり、ガワの熱と、
本日の面白さを、
ツッコミによって抽出できる。

これは自分の中だけでわかってればよい。
他人に説明してもよくわからなさそうだからね。


言うたら○○やな。
まあ○○やろ。

それくらいの単純化こそが、
ツッコミの仕事だ。
アホかとかやってられんわとかはどうでもよい。

なんだかんだいって○○やろ、
と、
うまく本質を突いてみよう。



他人のだと簡単だけど、
自分のだと抉らないと意味がないから、
最初は血を流すだろう。

でもそれは、観客全員が思うことだから、
血を流してる場合ではない。
むしろそれに慣れないと、
「鑑賞されるもの」なんてつくれないね。


これが東京弁だとしんどい。

これって結局○○だよね?

…はいそうです(しゅん

で終わってしまう。

ちゃうやん、○○や、と反論できるように、
所詮は○○やんか、
と大阪弁で突っ込んでみよう。
大阪弁は返し前提で会話をするからね。
posted by おおおかとしひこ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック