2023年09月14日

あとはこれさえやればクリアだ

というセリフを言ってみよう。


クライマックス直前の、第二ターニングポイントでもいい。
これならば、センタークエスチョンを言いやすくなるだろう。
「あとは〇〇をやるだけだ」
「〇〇さえうまくいけば、これが終わる」
なんて感じに言ってもよい。

つまり、
これから全体の焦点を口にして、
ゴールイメージを先に言うことである。
もちろん、言わなくてもゴールイメージがすでにあるならば、
説明のために言う必要はない。
でも、
登場人物の気持ちで、
思わず「あと〇〇」なんてセリフを言うだけで、
その人の気持ちに入っていけたりするものだ。

野球の勝ち試合のときに、
9回裏に「あと〇人」というコールをすることがある。
あと〇人アウトを取れば勝ち、
という時である。
あと一人、あと一人……となると、
相手としては相当なプレッシャーになるだろうが、
勝ち確定側としては、
楽しくてしょうがない。

そうした、はやる気持ちが、
「あとは〇〇するだけだ」なんてセリフを言うと、
表現することができるわけ。

第二ターニングポイント以外でもいえる。
しかしこれは失敗フラグになるだろうね。
だって、〇〇が成功して終わりになることはなくて、
失敗して余計ややこしくなる状況になったり、
または〇〇が成功したら、
余計難易度の高い次のミッションが出てくるからね。
どっちにしても〇〇で終わりにはならない。


焦点をセリフにすることで、
観客にはゴールイメージがわかりやすくなり、
登場人物、ないし、その周囲の人物への宣言になるから、
有言実行をこれからすることになり、
身が引きしまるポイントになることが多い。
この軽い緊張(ものによってはとんでもない緊張)は、
物語を味わうソースだと思うよ。


あとは〇〇するだけだ。
〇〇さえ突破できれば勝てる。
焦点は〇〇に絞られた。
〇〇を落とすぞ。
〇〇が揃えば、家に帰れる。
いいか、あと〇〇だけだ。
確認するぞ。〇〇だ。
全部はやらなくていい。〇〇だけをやろう。
俺たちのその後の人生が、いまこの時の〇〇で決まった、
のちのちそう言える戦いをしよう。

どんな言い方でもよい。
一回いわせてみよう。
観客は期待をし、その人物は緊張するはずだ。

序盤に言ってもいいし、
中盤に言ってもいいし、
終盤に言ってもよい。
どこかで言わせることで、
状況は整理され、
改めて緊張が漂うことになるだろう。

まあある種のテクニックともいえるね。
一回やってみ。効果はあるぞ。
posted by おおおかとしひこ at 02:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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