僕は講談を聞いたことがないし、
講談文化をリアルタイムで知っているわけでもない。
でも生で面白いお話を聞く、
というのはちょっと面白そうだなと思っている。
たとえば、面白いプロットを思いついたときに、
高座で披露して、受けるかどうかを試す場として、
実験場にするのはとても面白いだろうなあと。
で、そこで受けるものってどんなものだろうかね。
まず題材が面白そうじゃないと受けないよね。
宇宙人が出てきたり、侍や忍者が出てきたり、
絶世の美女や美男子が出てきたり、
恐ろしいものが出てきたり、
犯罪スレスレなどの、
リアルよりも見世物的な何かが求められると思う。
ざっくり言えば、
小学生でも「おもしろそう!」っていう何かじゃないかと思う。
そうじゃないと、地味で微妙な引きしかないと思われるのではないだろうか。
で、キャラクターも濃い人であったり、
事件も強烈でえげつないほうがいいんだろう。
途中で失明したり、片腕になったりもいいよね。
展開も二転三転して、
どんどん変わっていってもいいだろう。
時代の節目にたまたま出会い、
最初には思いもしなかった社会体制になっていてもいい。
その激動の変転の中で、
登場人物たちが翻弄されるのはとても楽しいよね。
たぶん、そんなに長くはない。
15分以内で語れる内容くらいじゃないと、
集中力も持たないだろうし。
1時間も2時間もやるものじゃないだろう。
その代わり、何回聞いても面白いものじゃないかな。
で、
出来れば、
ただの事件と解決じゃなくて、
「それにはこういう意味があったのだ」と、
俯瞰したときに冒険の意味が分かるやつがいいよね。
テーマにちゃんとおさまっていて、
「これはこういうことを結論としている」
という風にまとめられるやつだ。
さて、
これはつまり、何を言おうとしているかというと、
「お話という見世物」ということを考えているわけだ。
これが紙芝居になってしまったら、
絵の人気で変わってしまうだろうし、
音楽つきならば、テーマ曲の良さで人気が代わってしまうだろう。
余計な要素なしの、
講談のみで人気を得るには、
ストーリー自体が見世物的に面白くないと、
たぶん無理だろう。
ただ、しゃべりのうまさによって人気が左右されてしまうものがあるかもしれない。
まあ、それはそれでいいかもしれないが。
そういう、
脚本家があつまり、
15分程度で面白い話をして、
金を払うバーとかあればいいのにな。
そこで受けた話は伝説の名作として語り継がれて、
いつか映画化したりドラマ化したり、
小説になったりするといいと思う。
講談が終わったあとに質問タイムなど設けて、
リライトの参考にする時間とかも欲しいよな。
そこに集まる話たちが、
面白くないと継続できないかなあ。
良貨が悪貨に駆逐されそうな感もなくもないが。
しょうもない話ばかりならば、
俺(オーナー)が指定した、
映画の名作を15分で語るショーがあってもいいか。
今夜はナウシカ、今夜はスタンドバイミーとか、
いろいろやってもいいよね。
リクエストがあってもいい。
演目がたまれば、ジュークボックスになるかもね。
「ねえ、なんか面白い話して」という需要に、
答えられるかも知れないね。
マスター(俺?)がそのラインナップを選ぶ力があれば、
面白いバーになるかもしれない。
そんな講談を想定してみると、
何がおもしろいことか?
が本質的に明らかになる気がする。
しょうもないディテールよりも、
骨太に面白いものだけが残ることになると思う。
「猿の惑星」だったら、
「猿の惑星だと思ったら、〇〇だったのかー!」
という部分だけが残るだろうね。
新作をつくるならば、
それに匹敵するものを作るべきだ、
ということがわかってくるのではないだろうか。
世界の名作とどう比較されるのか?
も、そこで体験できそうだ。
別に都内の秘密場所でやらなくてもよい。
あなたが一人で自分の部屋でやってもいいんだぞ。
あなたがつくったオリジナルストーリーを15分程度で演じてみたまえ。
それが面白いならば、
プロデューサーの前で話すだけで、
「その脚本見せて」と言われるだろうね。
それで面白いものはどういうものだろう?
見世物としての引きがつよく、
そしておわったあとの満足感がつよいものだ。
つまり、事件やモチーフというガワがつよく、
テーマにきちんと落ちている話であればよい。
入口と出口がよいということだ。
もちろん途中もよくなくては飽きるだろう。
じゃあ全部じゃん。
ということで、
それくらいに煮詰めてもおもしろいものを作りなさい。
イメージトレーニングとしてよいと思う。
2023年09月19日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック