2023年08月14日

渋谷TSUTAYAが終わる

ついにこの日が来たか。
DVDレンタルから渋谷旗艦店撤退だそう。

六本木店、新宿店と、
次々に閉めてきたTSUTAYAは、
ついに旗艦店渋谷を閉める。
貴重なVHS資産もレンタルにあり、とても楽しい棚だった。

映画はサブスクとして生きるのかな?
僕はそう思わない。
物理パッケージがどれだけ大事だろう。
そして何より、
その迷路を巡って、線を自分で紡ぐ楽しさが良いと言うのに。

サブスクの怖いところは点なのよね。
映画ってのは線の文化だというのに、
前からも後ろからも切り離された点ならさ、
Twitterのほうが今や面白いんですもの。


映画は僕らの若い頃は、娯楽の頂点であった。
いまはそうではない。
映像は文化の頂点であった。
いまはそうではない。
映画はおもしろさの頂点であった。
もうその座を、明け渡す時が来たのかもしれない。

頂点が存在するためには、裾野が必要である。
マスのコミュニケーションは沢山の糞が必要だ。
糞の裾野をマーケティングで縮めて、
頂点が低くなり、
全体的に尊敬できないジャンルになってしまったと、
最近は感じている。

でも、映画には映画にしかできない面白さというのがあり、
僕はそれが映画を愛する根拠である。
たとえば「RRR」であり、「トップガンマーヴェリック」だ。

サブスクだろうがDVDだろうが映画館だろうが関係ない。
おもしろい映画をつくり、そして見たい。
そして、糞には糞とブーイングし、
頂点には末代までやまぬ拍手を送りたい。

映画好きだけが映画を支えているから問題なのだ。
映画を知らない人々をも巻き込む力が必要だというのに。
解説者が必要なのかもしれない。
TSUTAYAに足りなかったのは、淀川長治だ。


スクランブル交差点は、これからどうなるのだろう。
僕はコギャル末期あたりに渋谷に出会い、
毎週映画館に通って、
東急渋谷駅の改装とともに渋谷から離れた。
DVDとスタバが文化の象徴だった時代よ、ひとまずさらば。
posted by おおおかとしひこ at 16:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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