ついにこの日が来たか。
DVDレンタルから渋谷旗艦店撤退だそう。
六本木店、新宿店と、
次々に閉めてきたTSUTAYAは、
ついに旗艦店渋谷を閉める。
貴重なVHS資産もレンタルにあり、とても楽しい棚だった。
映画はサブスクとして生きるのかな?
僕はそう思わない。
物理パッケージがどれだけ大事だろう。
そして何より、
その迷路を巡って、線を自分で紡ぐ楽しさが良いと言うのに。
サブスクの怖いところは点なのよね。
映画ってのは線の文化だというのに、
前からも後ろからも切り離された点ならさ、
Twitterのほうが今や面白いんですもの。
映画は僕らの若い頃は、娯楽の頂点であった。
いまはそうではない。
映像は文化の頂点であった。
いまはそうではない。
映画はおもしろさの頂点であった。
もうその座を、明け渡す時が来たのかもしれない。
頂点が存在するためには、裾野が必要である。
マスのコミュニケーションは沢山の糞が必要だ。
糞の裾野をマーケティングで縮めて、
頂点が低くなり、
全体的に尊敬できないジャンルになってしまったと、
最近は感じている。
でも、映画には映画にしかできない面白さというのがあり、
僕はそれが映画を愛する根拠である。
たとえば「RRR」であり、「トップガンマーヴェリック」だ。
サブスクだろうがDVDだろうが映画館だろうが関係ない。
おもしろい映画をつくり、そして見たい。
そして、糞には糞とブーイングし、
頂点には末代までやまぬ拍手を送りたい。
映画好きだけが映画を支えているから問題なのだ。
映画を知らない人々をも巻き込む力が必要だというのに。
解説者が必要なのかもしれない。
TSUTAYAに足りなかったのは、淀川長治だ。
スクランブル交差点は、これからどうなるのだろう。
僕はコギャル末期あたりに渋谷に出会い、
毎週映画館に通って、
東急渋谷駅の改装とともに渋谷から離れた。
DVDとスタバが文化の象徴だった時代よ、ひとまずさらば。
2023年08月14日
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