2023年10月06日

弱い人間は恐怖で動いている

人の行動の原因が動機である。

恐怖が動機となる行動について。


自分に自信がない、自分が世界に影響できることは知れている、
あるいは、周囲が自分を利用しようとしているのではないか、
周囲が自分をめちゃくちゃにしようとしているのではないか。

そう考える動機がある。
防御的になったり、
信用しないがゆえに、一見不合理と思える選択肢を選ぶこともある。


ものすごく美人で弱い女を考えよう。

すぐレイプされるから、
なるべく男に近づかないようにしているだろう。
あるいは逆に、
彼氏というボディガードをつくりたいがために、
すぐにセックスしてしまうかもしれない。

実際には、
美人であることは現代では強く出られることがあるが、
たとえば中世では、
美人であることよりも、働き者であることのほうが重要だったろう。

美人で働けないなら、遊郭に売られただろうしね。
そこで美人の出来ることと言えば、
セックスか芸子のような何かだろう。

つまり、
弱い美人は何も出来なくてびくびくしながら生きていただろう。
あるいは、虎の威を借ることだけを考えて生きていたかもしれない。


時代の要請によって、
何が強いことか弱いことかは分かれる。
弱いことを利用して強者を利用することもあろう。

私は何もわからないので教えてください、
と先輩をコントロールするスネ夫みたいな腰ぎんちゃくは、
生存戦略なわけだ。


弱いことは恐怖である。
だから、それゆえに強者が取らない行動をする。

猛獣だらけの動物園で、
番狂わせをさせるのが、そうした弱い者たちだ。

主人公サイドなら勝ち星になるが、
敵サイドの人物なら予想できない障害になり、
小さな石で躓いたはずなのに、
予想外のダメージで動けなくなることもよくある。


この人は弱いからこういう行動で自分を守ったり、
こういうやり方で仲間を増やしたり、
こういう発言で人の気を逸らせるのか、
ということをわかると、
人間をより深く描くチャンスだ。
posted by おおおかとしひこ at 07:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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