そういえば50音ないのに50音いいやがって、
なんでやねんと調べてみたら、
わりと長めの50音の歴史があったので興味深かった。
以下ダイジェスト。
・もともと中国に、ある漢字の読み仮名を漢字で示す、
「反切」というものがある。
X=AandBの形式で書かれ、
Xの発音を、Aの子音部+Bの母音部で発音する。
読めない字を知ってる字の音で合成する。
(中国で発音記号は発達しなかった)
・この反切の発想から、
カナを子音+母音に分ける発想が生まれたらしい。
じゃあ整理して並べてみようと。
・母音の順、子音の順は、
サンスクリット語(お経の原語)の整理と、
一致するそう。
ただしサンスクリット語にあり、日本語にないものが沢山ある。
・ヤ行のイ、エもあった。みたことのない字だ。
・ワ行のウもあった。みたことのない字だ。
・んのみ50音と別の51音目だったそうな。
・変体かなを整理して、
現代カナ遣い50音に整理されたのは、1946年。
比較的新しい。
・もちろん、濁音、半濁音、拗音などを無視している。
総計がいくつかは「100以上」と表記されてて、
正確な見解はないのかもね。
wikiの50音、反切が充実してる。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E5%8D%81%E9%9F%B3
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E5%88%87
しかしこの見たことのないカナは、
なんか異世界だよなあ。
明治時代の教科書にすでにあるので、
この時点で50音が整理されていたことがわかる。
(写真の引用はwikiから)
50音の表記及び発音は、
明治初期の統一的な教育で決まったと考えられる。
なぜなら地方にはこれと異なる、変体仮名があったからだ。
(今でも人名で使われててご存命の方のみ使えるはず)
今でも蕎麦屋の屋号にはあったりするね。
僕の想像だけど、
この変体仮名の中には、
現代の50音にはない発音があったんじゃないかと思うんだよね。
ti、tu、siとか、
swi、swe、とか、全然あったと思うんだよな。
なんなら母音も5じゃなかったかもね。
kとkwがkに統一されてしまったように、
明治の統一で捨てられてしまったものが、
実はたくさんあったのかもしれない。
そもそもさ、「ん」だって、
5種類の発音を「ひとつ」と強弁してるんだよなー。
聞き分ける人がいるのかは分からないが。
発音は、毎度毎度正確にしてる人がいるわけではない。
間違えたら困る、似たやつを区別するためだけにあれば良いから、
違いの明確でない部分は曖昧発音にしたほうが、
エネルギーが少なくて済む。
だから、実は日本語はもっと多くの音を区別していた可能性はある。
それを「田舎の発音」として、
破壊していった明治教育があったのかもしれない。
統一とはそうした痛みを伴うのだな。
現在、
ヤ行イエは存在せず、
ワ行はワヲのみとなった。
「ん」はワ行じゃないけど、便宜的にワ行に置かれる。
それでも46音だ。
減るのかな?
助詞の「は」「へ」「を」は、
発音上「わ」「え」「お」だから、
それを統一しようとする向きもある。
かつてはこれらは発音を分けてたのかなあ。
100年経ったら減ってるカナや増えてるカナもあるかもね。
薙刀式は、この46音に、
っー、。ヴを加えた、51キーを覚えるタイプの入力法で、
134個のカナを、同時押しを組み合わせて出すことができる。
ここまでスッキリ整理した配列は今のところなく、
これが薙刀式の国語的強みだと考えている。
(次点はシン蜂蜜小梅か)
国語学者、カナ配列やりなよ。
qwertyなんかじゃ我慢できないだろうに。
発音によらないことで、
文字を読む速度は音を聞く速度を超えた。
これが文字のいいところだ。
だから書物は、人の話を聞くよりも、
効率的に学ぶことができる。
たくさん人を学ばせるなら、教科書は合理なのだ。
文字や音や、
それをどう表記するかを、
国語学者はアナログ止まりなのではないか。
デジタル国語問題を、
ぼくらは誰もやらないからやってるのかもしれない。
50音は、フリックになってほぼ完成したのかもね。
あとはキーボードだぞ。
2023年08月22日
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