最近おもしろいなと思ったのは、
「蛙化現象」だな。
名前のないモヤモヤに名前がついた時、
一斉に広まった感じがあるね。
昔から知られる何かの、
名前違いかと思いきや、
なぜこれが起こるか詳しく分かってないのだそうだ。
そういう意味では「名前をつけること」
が「発見」になるわけ。
ウッディアレンの「アニーホール」の、
トップとエンドをブックエンドにするVO、
「僕を入会なんかさせるクラブに、
僕は入りたくない」
というのがとても好きなのだが、
蛙化現象と名付けられる40年くらい前に、
同じ感覚を言語化してたんだなあ。
名前がついた瞬間、
それは実在するようになる。
「なんか言語化しにくいのだが、
この感じをAと呼ぶ」
と仮に名前をつけてみよう。
Aと似てるが違うものを並べて、
Aと他の境界線を調べよう。
Aと真逆はあるのか、逆も考えよう。
Aの対偶はあるのか、それも考えると良い。
A以外の補集合から、Aを定義できることもある。
(不在の在みたいなやつ)
「それはAという感覚だね」
とリアクションを引き出す、
前の人の会話がつくれるだろうか?
「Aだろ」
「違うよそれはBだよ、Aは○○が○○○みたいな感じだろ」
「じゃあ○○○ならAか」
「たしかに」
に至るような流れを考えよう。
色んなパターンを考えてる時に、
そのうちいいネーミングができるさ。
仮にそれがXになったとして、
「Xと言われて誤解するもの」を考えるのも良い。
誤解しにくく、
言われて初めて「ああーそれの感覚わかるわー」
と新発見があるような、
言葉に練り直すと良い。
サウダージはいまだによく分からないのだが、
「そういう感覚」を言葉として共有してる文化もあるのだ。
エスキモーは雪の白を示すのに100の語彙を使うらしいが、
それを用いて表現された気持ちもあろう。
「俺の気持ちは今白の32だ」
なんてセリフで、
エスキモー人は話が通じるのかもしれない。
そんな風な、Aを見出そう。
そしてそれに名前をつけられたら勝ちだ。
出来ればキャッチーがよい。
「蛙化」はキャッチーだよね。
分かりやすく、キャッチーであれば、
それはこれから全人類が使う概念になる。
それは、文化をひとつ創造したことになるわけだ。
2023年10月05日
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