2023年10月08日

複数の変身願望

ストーリーを書くこと、あるいは見ることは、
自分の変身願望を叶える刺激がある。

それは、主人公だけでいいかな?
つまり、複数いてもいいんじゃない?


たとえば自分が男だとして、
女に変身できたとしたらどうする?
それをヒロインに投影してもよいし、
ヒロインの友達の誰かに投影しても良い。

自分が若者だとして、
もしジジイに変身できたとしたら、
どんなジジイとして生きてみたい?

高校生だったら、大学生だったら。
○○部だったら。
陽キャだったら、陰キャだったら。
専門家だったら、ゼネラリストだったら。

なれなかった自分、なりたかった自分、
なれたかもしれない自分を、
想像することはとても楽しい。


そしてそれが、複数のキャラであってもいいんだよ。
変身願望を満たすキャラが、
作中で一人というルールはない。


脇役が魅力的になる時は、
おそらく主人公でもそのキャラでも、
変身願望が満たせた時じゃないか?

「もし自分がそういう設定で生まれ、育ち、
そういう経験や過去を持つキャラだとしたら?」
という変身願望を叶えてくれるキャラの時、
妄想が捗るのでは?

そして、
そういう別の世界線の自分と、
別の世界線の自分が、
出会ったり喧嘩するわけだ。

頭がパンクするけれど、
自分でない仮面をかぶった自分が、
架空の人格で架空の世界で活躍したり失敗したりするわけだ。

そのキャラに変身してみたい、
そうしたら、
そのキャラに扮していろんなことができる。


扮する面白さは、
役者やコスプレイヤーだけの独占ではない。

実は、観客や作者も、
変身願望をそのキャラで満たしている。

そんな風に考えると、
複数のキャラそれぞれに、
変身願望のスパイスを入れるとおもしろくなる。

それは思い入れとはまた異なった、
演じる面白さに通ずるものがあると思う。

主人公、脇役、敵役、ヒロイン。
こうしたメインキャラ全員でも良いし、
もっと他のメインキャラや、
ワンシーンだけのキャラにも、
変身願望を満たす設定をつけてもいいんだよ。

そして、変身後の人格と変身後の人格とが、
絡んだり戦えばよいのだ。
posted by おおおかとしひこ at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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