自作キーボードを始めた頃は、
リニア/タクタイル/クリッキー、サイレント、
軽い、普通、重い(押下圧が)、
くらいしかなかったボキャブラリーが、
沢山増えていると思うのでまとめておく。
【リニア】
滑らか/こすれる
…ステムとハウジングの材質による、摩擦係数。
同じ材料だから滑るわけでもなく、
材料の相性があるらしい。
表面をポリッシュすれば滑らかになる。
表面に油を塗る(ルブ)と滑らかになる。
滑らかに越したことはないが、
ルブしすぎもあんまり好きじゃない。
動摩擦係数が上がってヌチャってなるからね。
ノールブで滑らかなのはPearlioのみだなあ。
現在はHPE素材のBlue Skyを愛用。
ブレる/ブレない
…ステムとハウジングがタイトであればブレない。
しかし摩擦係数が増える。
ルブして摩擦を減らしても、
横から受ける圧力みたいなの
(横ブレして打ってる時の反力)が強いことが多い。
しかしブレるのはグラグラでねえ。
ノーマルステムだけでなく、
ステムの形(円柱、Boxなど)でブレをコントロールしているものも。
個人的には滑らかさのほうがブレよりも重視なので、
最近はあまり気にしていない。
ロングポール/ふつうの底打ち
…ロングポールだと、細く点で打った感じになる。
音はクリアで響きやすい。
普通だと面で打った感じで低くなりがち。
普通の底打ちでも、
ステムの底が四角だったり線だったりハイヒール形状だったりと、
いろいろ工夫のあるスイッチもあるよ。
僕個人は、点で打つロングポールがあまり好きじゃない。
やさしく着地したいなあ。
Thock/Clacky
…海外でよく言われる基準。
Thockは「厚め」と考えると分かりやすい。
厚めのハウジングでブレが少なく、
音が低く、底打ちもしっかりと感じるもの。
Clackyはその逆でハウジングが薄くて、
音が高く、反響が鋭いもの。
コトコトとカタカタと言われるが、
もう少しすすめて、ごつごつとカリカリ、
と考えるとわかりやすいかな。
要素は色々あって、材質、バネの重さ、ハウジングの厚みで変わる。
またマウントやケースやフォームやキーキャップでも変わってくる。
昔はThockが好きだったけど、
打鍵応答が遅い感じがするため、
最近はClackyの方が好き。
打てば響くレスポンスが早い感覚がある。
中国でいう麻雀音(麻将音)はClackyという理解でいいかしら。
トラベル距離、アクチュエーション距離
…そんなもん短い方がええやろ、とスピードスイッチを使ってたが、
滑らかさやバネの性質で、主観的な距離は結構変わるね。
なので最近は滑り重視のBlue Sky、
3.8mmの2mmというごく普通のトラベルでやっている。
あ、トップ裏に鉛貼ってるから、
3.5mmの1.7mmか。
リニア/スロースプリング/プログレッシブ
…リニア挙動のリニアバネ(ふつう)、
前半重くて後半軽くなるスロー、
前半軽くて後半重くなるプログレッシブ。
スローはロングスプリングを入れることで実現。
シングルステージだと不安定になりやすいのか、
2ステージ、3ステージが増えた。
僕個人はスローが好き。
しかし今使ってるのがアクチュエーション20g、
ボトム30gの軽量バネなので、
やむなくリニアを使ってる。
バネメーカーさんよう、これのロングをくれ…
軽い/ふつう/重い
…ボトムアウトでいうと、
60gがふつう。(アクチュエーション45前後の、いわゆる赤軸)
80gが重い。(アクチュエーション60gの、いわゆる黒軸相当)
40gが軽い?
僕は30g派。35も悪くない。
親指なんてchocの20gバネ使ってるし。
軽いに越したことないですよ。
ただし軽いバネはスイッチの振動がとても気になる。
スピードが上がり、想定より速い動きがかかるからだろう。
ハウジングがしっかりしてる/やわやわ
…ハウジングの剛性が強い方が打鍵がしっかりする。
当然コストがあがるわな。材料によっても変わる。
最近流行りのLotus系は、
第三のパーツ(LED透過パーツ)でカンヌキ状に止めていて、
これが剛性をかなり良くしているため、打鍵が安定する。
HPE素材というUPEよりも摩擦の少ない、
Blue Skyを使っているため、
ハウジングの剛性を上げたくても上げられない。
そこでデッドニング用に質量多めカバーを作成中。
リーフ鳴り/静か
…剛性がよくなると気になってくる要素。
戻りの振動も増幅させる。ルブで収まる傾向にある。
リーフピラーとボトムハウジングの間に、
マステ2枚程度挟むといいよ。
【タクタイル】
あんまり詳しくないけど、
アーリータクタイル/レイタータクタイル
バンプ強め/弱め
あたりが最近よく使われるね。
これとリニアの性質を足して使われることが多い。
次々に現れる新素材、新設計のスイッチたちは、
自作キーボードの最前線であり、
「より良い打鍵感」の模索である。
もちろん、マウント方式やケースによっても、
打鍵感は左右されよう。
僕は論理配列によっても、最適な打鍵感のチューニングは違うと考えている。
僕のおすすめは、当然薙刀式用に最適化されたものだ。
撫で打ち用、軽め、なめらか、共振抑えめだね。
2023年08月29日
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