興行的な成功とか失敗じゃなくて、
人生の何かの成功と失敗の話。
たとえば事業者とか、先輩の告白成功談とか。
世の中に一番多いケースは、
多分スポーツだろう。
なぜ成功したのか、その秘密は、とか、
なぜ失敗したのか、どうするべきだったのか、
などの分析例は沢山あると思う。
ある事業を立ち上げて成功した人の話はそこそこあるが、
失敗の話はそんなに転がっていない。
自慢話がほとんどで、失敗を教訓にしたい人はあまりいないようだ。
周りの人ならば、実際の体験談として、
いろいろと聞くことができるだろう。
それを取材という。
親しい人から取材してもよいし、知らない人に交渉して取材してもよい。
有料か無料かは交渉次第だ。
さて。
いろいろな成功談、失敗談を、
詳しく聞くのは人生の勉強になる。
そして、物語の勉強になる。
なぜなら、
物語とは、人生の成功と失敗を描くことだからだ。
それをそのまま物語化をすることは、
映画化みたいなことだ。
しかしそれが目的ではない場合、
他に応用できないか、という意味で取材するわけだ。
なぜ成功したのか、
成功の秘訣は、
なぜ失敗しなかったのか、
なぜ失敗を未然に防げたのか、
などなどは、
ハッピーエンドの段取りとして参考になる。
単純にハイ成功、ハイ失敗、
というあてもんではなくて、
納得のいく理由が作れるからである。
失敗の勉強もとてもよい。
失敗には成功よりも法則性があることが多いからだ。
人間というのは実に浅はかな生き物で、
大体甘い考えは似たようなものであり、
そこに罠があって、
たいてい同じような失敗をすることが多い。
ただ、それを回避する策を思いついたとしても、
実際に成功するかどうかのリアリティはない。
だから、成功した事例を研究して、
リアリティを勉強するんだね。
ただ、もちろん失敗の研究は大きなものから小さなものまであり、
太平洋戦争はなぜ失敗したかと、
東京五輪はなぜ失敗したかと、
爆死する映画はなぜ作られるかは、
大変似た原因だと思うし、失敗の原因もだいたい特定できるのだが、
それを成功に導く方法は判然としない。
成功しそうなものは思いつくが、
なんせ実験できないから確信がないので。
なので、大きなものほど、成功のイメージにリアリティがなくなってくるのは確実。
しかし、やれる方法がある。
成功がイメージしやすく、リアリティを確保できる程度に、問題を小さくすることだ。
これはつまり、
戦争をモチーフにするのではなく、
暴走族の争いに、問題を小さくすることで解消しやすい。
身近なことになるから、扱いやすくなるわけだ。
もうひとつは、
扱うモチーフ自体は戦争なのだが、
個人の物語に矮小化してしまうということだ。
たとえばシーザーの戦争はクレオパトラを得るためのものであったから、
戦争ものをモチーフとしながら、
恋愛ものとして描けば、
成功と失敗を描きやすい、ということになる。
モチーフそのものを小さくするか、
モチーフの中に扱いやすい小さい枠組みを発見するか、
という二択になってくるわけだね。
一番よくないのは、
自分の体験だけを使うことだ。
あなたが戦争を勝たせた人であったり、
イチローであるなら話は別だが、
たかが矮小な一人の人生の、
成功や失敗の話なんて知れている。
それに、何回書いても同じ秘訣を話すだけになってしまうだろう。
だから、違う成功の仕方があり、
それを描くことを考えたほうがよい。
「なるほど、世間にはこういう成功の仕方もあるのか」と学ぶことは、
ネタ探しに近いわけだね。
もちろん、そこからなんらかの法則性を見出し、
成功の秘訣、などという本を書いてもいいけど。
もっとも、自分が体験したことはとても強く、
リアルだから説得力がとてもある。
これを利用しつつ、
他の例を混ぜると、
リアリティがあり、強いものになると思う。
物語はあなたの成功を自慢する場所ではない。
他の人が成功にリアリティを感じて、
俺も、と思う場である。
あなたが成功して講演会をやるならいいが、
物語というのはあなたのいない架空の場所の、
架空の事件で、
あり得ないほど興味深いものであることが多い。
そこにあなたの成功した方法で成功したとしても、
矮小なのではないだろうか。
それよりも、
もっと大きな成功をした人の成功の方法を持ち込んだほうが、
リアリティというのは出るものだ。
しかし体験していないから弱くなりがちで、
そこであなたの成功した強いリアリティを少し入れると、
強くてリアリティのある成功談になるだろう。
うまく混ぜることが秘訣だと思う。
ということで、
世の中に転がっている、
成功や失敗を分析してみよう。
これはとても参考になる。
「自分だったらこうしない」を勉強することができるからね。
2023年10月20日
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