2023年10月20日

成功と失敗を分析しよう

興行的な成功とか失敗じゃなくて、
人生の何かの成功と失敗の話。
たとえば事業者とか、先輩の告白成功談とか。


世の中に一番多いケースは、
多分スポーツだろう。
なぜ成功したのか、その秘密は、とか、
なぜ失敗したのか、どうするべきだったのか、
などの分析例は沢山あると思う。

ある事業を立ち上げて成功した人の話はそこそこあるが、
失敗の話はそんなに転がっていない。
自慢話がほとんどで、失敗を教訓にしたい人はあまりいないようだ。

周りの人ならば、実際の体験談として、
いろいろと聞くことができるだろう。
それを取材という。
親しい人から取材してもよいし、知らない人に交渉して取材してもよい。
有料か無料かは交渉次第だ。

さて。
いろいろな成功談、失敗談を、
詳しく聞くのは人生の勉強になる。
そして、物語の勉強になる。
なぜなら、
物語とは、人生の成功と失敗を描くことだからだ。

それをそのまま物語化をすることは、
映画化みたいなことだ。
しかしそれが目的ではない場合、
他に応用できないか、という意味で取材するわけだ。
なぜ成功したのか、
成功の秘訣は、
なぜ失敗しなかったのか、
なぜ失敗を未然に防げたのか、
などなどは、
ハッピーエンドの段取りとして参考になる。
単純にハイ成功、ハイ失敗、
というあてもんではなくて、
納得のいく理由が作れるからである。

失敗の勉強もとてもよい。
失敗には成功よりも法則性があることが多いからだ。
人間というのは実に浅はかな生き物で、
大体甘い考えは似たようなものであり、
そこに罠があって、
たいてい同じような失敗をすることが多い。

ただ、それを回避する策を思いついたとしても、
実際に成功するかどうかのリアリティはない。
だから、成功した事例を研究して、
リアリティを勉強するんだね。

ただ、もちろん失敗の研究は大きなものから小さなものまであり、
太平洋戦争はなぜ失敗したかと、
東京五輪はなぜ失敗したかと、
爆死する映画はなぜ作られるかは、
大変似た原因だと思うし、失敗の原因もだいたい特定できるのだが、
それを成功に導く方法は判然としない。
成功しそうなものは思いつくが、
なんせ実験できないから確信がないので。

なので、大きなものほど、成功のイメージにリアリティがなくなってくるのは確実。

しかし、やれる方法がある。

成功がイメージしやすく、リアリティを確保できる程度に、問題を小さくすることだ。

これはつまり、
戦争をモチーフにするのではなく、
暴走族の争いに、問題を小さくすることで解消しやすい。
身近なことになるから、扱いやすくなるわけだ。

もうひとつは、
扱うモチーフ自体は戦争なのだが、
個人の物語に矮小化してしまうということだ。
たとえばシーザーの戦争はクレオパトラを得るためのものであったから、
戦争ものをモチーフとしながら、
恋愛ものとして描けば、
成功と失敗を描きやすい、ということになる。

モチーフそのものを小さくするか、
モチーフの中に扱いやすい小さい枠組みを発見するか、
という二択になってくるわけだね。


一番よくないのは、
自分の体験だけを使うことだ。
あなたが戦争を勝たせた人であったり、
イチローであるなら話は別だが、
たかが矮小な一人の人生の、
成功や失敗の話なんて知れている。
それに、何回書いても同じ秘訣を話すだけになってしまうだろう。

だから、違う成功の仕方があり、
それを描くことを考えたほうがよい。
「なるほど、世間にはこういう成功の仕方もあるのか」と学ぶことは、
ネタ探しに近いわけだね。

もちろん、そこからなんらかの法則性を見出し、
成功の秘訣、などという本を書いてもいいけど。

もっとも、自分が体験したことはとても強く、
リアルだから説得力がとてもある。
これを利用しつつ、
他の例を混ぜると、
リアリティがあり、強いものになると思う。
物語はあなたの成功を自慢する場所ではない。
他の人が成功にリアリティを感じて、
俺も、と思う場である。
あなたが成功して講演会をやるならいいが、
物語というのはあなたのいない架空の場所の、
架空の事件で、
あり得ないほど興味深いものであることが多い。
そこにあなたの成功した方法で成功したとしても、
矮小なのではないだろうか。
それよりも、
もっと大きな成功をした人の成功の方法を持ち込んだほうが、
リアリティというのは出るものだ。
しかし体験していないから弱くなりがちで、
そこであなたの成功した強いリアリティを少し入れると、
強くてリアリティのある成功談になるだろう。

うまく混ぜることが秘訣だと思う。


ということで、
世の中に転がっている、
成功や失敗を分析してみよう。
これはとても参考になる。
「自分だったらこうしない」を勉強することができるからね。
posted by おおおかとしひこ at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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