2023年09月03日

【薙刀式】「ん」は単語頭、文節頭に来ない

というごく当たり前のことを、
意外と忘れてたのでは?と再考察する。

薙刀式の「ん」の位置(,)の話のつづき。


カナ配列において、
よく出るカナをいい位置に持ってくることは、
設計の前提というか基本だ。

しかし薙刀式の「ん」は、
出現率Top3のカナにも関わらず、
右手中指下段という、
あまり良くない位置に置いている。

なんでやろ、と前に自分の無意識を分析したが、
そもそも、
「先頭に来ない文字だから」という、
「ん」特有の特徴からでは?
と思い始めた。


「ん」は先頭に来ない。

これは日本語の常識で、だからしりとりが成立する。
(わずかの例外は無視できよう。
ンジャメナとか、ンジュールとか、んっとか)

日本語の単位は、単語、文節、文だろう。
これらを一気に打ち、変換するのが仮名漢字変換だ。

このどの単位の先頭にも「ん」は来ない。
どんなに早く来ても2番目だ。

これが実は「ん」の考慮すべき特徴なのでは?

あまりにも当たり前すぎて、
実は誰も議論していない要素の気がしたな。笑



二番目以降に来るカナである以上、
ホーム段にいる絶対的な必然性はないのでは。
もちろん頻度からすれば3番目だから、
いい位置にいるべきではあると考える。

たとえばシン蜂蜜小梅は、
JKMに三大カナを置いている。
三大カナ全てが中段である先入観は、破壊してもよいのだ。

薙刀式は、だから、
「二番目に的確な位置」として、
,位置を選んだのだろう。




ということで調査してみた。
薙刀式は「ん」の連接を打ちやすい配列である、
を証明してみたい。


薙刀式の場合、
以下の二連接は左右交互だ。

単打左右交互:
かん、しん、こん、そん、
てん、とん、はん、
きん、けん、ひん、
ろん、ほん

同時→単打の左右交互:
がん、じん、ごん、ぞん、
でん、どん、ばん、ぱん、
ぎん、げん、びん、ぴん、
ぜん、ぼん、ぽん

シフト→単打の左右交互:
まん、ねん、ちん、みん、
りん、にん、
ぬん、めん、
せん

これらは漢字の読みによく使われるものが多く、
左手を打っているうちに右手を,位置まで動かす余裕がある。


右手二連を見てみる。

単打アルペジオ:
なん、たん、らん、れん

まあまあの単打アルペジオ:
くん、あん、うん、ーん

しんどめの二連接:
るん、いん、すん、へん

同時、シフト→単打のアルペジオ:
おん、だん、わん

同時、シフト→まあまあのアルペジオ:
やん、ぐん、のん、つん、ふん、ぶん、ぷん

同時、シフト→しんどめの二連接:
さん、ざん、よん、もん、むん、えん、ゆん、べん、ぺん


よく使うものでは、
いん、へん、ふん、ぶん、ぷん
あたりがしんどいクラスに入っているが、
全体的に、
打ちやすい流れのものがよく使われるものにあててある。


これらの出現頻度を足しこむ。
kouyさんの100万字統計から、出現回数の和を計算。

なお、「○ん」のついでに、逆順の「ん○」も見ておく。
一番目の数字は「○ん」、二番目は「ん○」。

また、とても良い運指を◎、
打ちやすい運指を○、
打ちにくい運指を×で示す。

◎単打左右交互: 20889, 15500

○同時→単打の左右交互: 7951, 12675

○シフト→単打の左右交互: 7992, 6595


◎単打アルペジオ: 4065, 3610

○まあまあの単打アルペジオ: 216, 216

×しんどめの二連接: 3330, 1902


○同時、シフト→単打のアルペジオ: 2750, 2725

○同時、シフト→まあまあのアルペジオ: 2976, 5640

×同時、シフト→しんどめの二連接: 6620, 3513


なので簡単にブロックわけすると、


 ◎: 25170, 19326

 ○: 21669, 27635

 ×: 9950, 5415

と、
かなり良い運指の頻度が高く、
悪運指は少なめなのでは?という結果となった。

ざっくりいうと、
「○ん」では、◎:○:×= 2.5 : 2 : 1
「ん○」では、◎:○:×= 3.5 : 5 : 1
くらいだということ。

「ん」の連接に関しては、良運指だらけ、
といって良いのではなかろうか。

そしてブロック1発目には出ないから、
初手中指下段にはならずに、
連接だけがうまく繋がる感覚であると。


自分の体感には近いけど、
改めて数字で見るとおどろくわ。



これは、
tkenさんのいうところの、

> 出現頻度の高いカナを一見悪手と思える場所に悪手とならないように打てるとその分ほかのカナのために良い位置があくのでそこがその配列の強みになると言うのはありそう!

が、結果的に実現されている、
と言えよう。

一見悪手なんだけど、
全然使いやすいという薙刀式の「ん」は、
多分こういう理由で、
他のカナに席を譲ってる可能性がある。


ホーム段だけを見ると、

 ろけとかっ くあいうー

なので、
小指とはいえ中段に来ることはあまりない「ろ」「ー」や、
あまりホームに来ない「あ」「か」あたりが、
得してると考えられる。
posted by おおおかとしひこ at 07:55| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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