という課題をやってみよう。
「好きなバンド」は他の何かに変えてもよい。
あなたが大好きでハマっていて、
世間では「全員」が知っているものではないもの。
聞いたことはあるが、
詳しく知らないもの、
を選ぶと良い。
以下ではバンドで話す。
それの何がいいの?
「聞けばわかる」は禁止。
ただ聞かせて「な?」も禁止。
それを手に入れていない状態で、
それを手に取ってみよう、と思わせれば勝ち。
つまりこれは広告の課題でもある。
言葉だけで説得してもよい。
身振り手振りを使っても良い。
まったく別の映像を使ってもいいよ。
ボーカルの子がめっちゃ可愛い(イケメン)で、
という人にフォーカスするも良し、
あなたとそのバンドの出会いのストーリーを語ってもよし、
楽曲世界の魅力をうまくまとめてもよし、
全然関係ない価値(ギターを必ず叩き壊す)から、
語ってもよし。
入り口はどうでもよいから、
「そのバンドの楽曲をめちゃくちゃ好きになる」
誘導の仕方はなんだ?
という話だ。
これは、企画書を書く練習をしようとしている。
あなたのよく知っていて、大好きなものを、
それを全く知らない人に、
興味を持たせて、
なおかつ本質の一部をうまくとらえさせて、
「面白そうだな、もう少しディテールを」
と身を乗り出させたら勝ちである。
こちらの熱量は「めんどくさい」と思われたら負けであるから、
手を出しやすいように、
小さく切り分ける必要がある。
その小さな切り分けを何にするか?
で死ぬほど悩むことになるだろう。
ワンスプーン料理のように全てを小さくしてしまっては、
醍醐味や旨みは表現できなかろう。
ある一部をもって、全体を象徴できる何かはなんだろう?
となるわけだ。
映画「マトリックス」の企画書をどう書く?
まさかマシンガン撮影の弾除けのシーンではあるまい。
日常が嘘だと疑問を持っていたプログラマーが、
実はこの世界は虚構だったと知る冒頭や、
その虚構を利用して、思い込めばなんでもできる、
空も飛べるし弾丸もはじける、
に至るまでのめくるめくアクションを、
提示することになろう。
そんな風に、
あなたの好きなバンドを、
うまく切り取って、
他人の前に示せるだろうか?
よほど客観的にならなければならない。
そして主観的にここが好きを譲ってはならない。
だから、
客観と主観をはげしく往復して、
それがなぜよいか?
をコンパクトに理解できるものに切り分けなければならない。
実はこれができることが、
プロの第一歩ですらあると僕は思う。
自信がある、ない、関係なく、
「自分のやったこと」を、
客観的にとらえて、
それをうまく本質的な部分をコンパクトに切り出す練習。
それをしていないと、
プレゼン負けするだろう。
どんなに素晴らしいバンドでも、
あなたのプレゼンが失敗したら、
その先にみんな進んでくれないのだ。
広告は、実は最も大事な作品のプレゼンだ。
それを失敗したら、
どんな名作も大衆まで届かない。
僕は古今東西の作品をそうやってプレゼンしてほしいのだが、
どうやらみなさん下手なようだ。
(もちろん上手い人もいるが、
全作品はそうでない)
ブロッコリーポスター?広告舐めてんのか。
誰かプレゼン上手が現れるのを期待したくなるが、
実はあなたがあなたの作品を一番よく知っている。
あなたを主人公にするな、
と僕はよく言うが、
ここで自我と同一視すると、
自信がない時は過小評価してしまい、
自信がある時は過大評価してしまうことが、
作品との距離感を失わせる原因になる。
その練習でもある。
あなたの好きなバンドを、
世間も同じように好きになってもらいたい。
俺も好きにならせてくれ。
はい、端的に説明して。
2023年10月29日
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