打鍵感覚を考える時に、
カナ配列には大きく分けて二種類ある。
左右交互打鍵重視か、アルペジオ重視かだ。
連接を無視したランダム的配置(JISカナ)
↓
左右交互を重視した配列
(親指シフト、新JIS、月など)
↓
アルペジオを重視した配列
(飛鳥、新下駄、薙刀式など)
のような歴史的発展があるように思える。
(シン蜂蜜小梅はどうなんだろ。
ハイブリッドなんだろうか。深く理解してないが、
なんとなく左右交互のイメージが強い)
「親指のシフトは、
同手シフトがやりやすいか、
逆手シフトがやりやすいか?」
という問いもある。
同手シフト派が親指シフト、シン蜂蜜小梅で、
逆手シフト派が、飛鳥、新下駄、薙刀式。
ただ僕はMiniAxeのレイヤーキーを親指に置いてて、
それは片手で操作できる同手シフトの方をよく使ってるな。
たぶん、合わないやつをやると、
左右盲に陥る可能性が高い。
親指シフト、新下駄をやってみたとき、
僕は明らかに混乱した。
慣れればいいかもとは思いながら、
生理的反発感を抑えきれなかったなあ。
僕の900連接の測定では、
右アルペジオ>>左→右>右→左>左アルペジオ
だったので、
右アルペジオメインの配列が、
一番速くて楽なんじゃないかと考えている。
ただ、アルペジオも諸刃の剣で、
いい連接の時は速いけれど、
悪運指がめちゃくちゃあるんだよね。
これを許容できるほどに、
悪運指にマイナー連接を当てられるか、
が設計のキモになってくる。
つまり、
アルペジオは尖ってて、
左右交互は丸い。
これは人生観にも似てて、
普段少しずつ得して、悪い時は悪くて、
トータルで良ければいいと考えるか、
なるべく悪いものを追放して、
常に平均的によくすると考えるか、
の違いだろうね。
どちらを選んでも構わないが、
僕は薙刀式のアルペジオ重視を気に入ってて、
悪運指はまあしょうがねえや、と割り切れるほどの、
気持ちよさがあると考えている。
もちろん、アルペジオ重視派の設計の方が難しい。
左右交互派は、
設計と評価に時間がかけられないときの、
職人がいなくてもできるやり方かもしれない。
親指シフトの神田さんは、
「配列の大同小異で効率差を議論するより、
同じ規格で継続して使うこと」のほうがよい、
と供給メーカー側の立場であったが、
僕は使う側なので、
「気持ちええやつが一番ええやつや」
と考えている。
文房具とはそうあるべきで、
多数の選択肢を用意することが、
メーカーのやるべきことだったんじゃないかな。
大量生産こそがメーカーの正義なのは認めるが、
PCはソフトによって可塑性があるというのに、
なぜそこをやらなかったんだろうかね。
というわけで、
色んなタイプの配列を試せるようになった、
21世紀はいいことだ。
あとは「どういうものが良い配列か?」
という議論が不足してる気がするね。
普及と淘汰の過程で、そういう議論が出てくるだろうと思っている。
薙刀式は、
記憶負担が小さく、アルペジオ派、
という特徴をもっている。
記憶負担が小さいものには、他に新JISと月があるが、
どちらも左右交互派なので、
そこは考え方が真逆だ。
アルペジオ派には、他に新下駄や飛鳥があるが、
どちらも記憶負担が大きめのものなので、
そことも差別化が出来ている。
なので、
薙刀式は独自のポジションにいる、
おもしろい配列なんだと思っている。
記憶負担大 中 小
ランダム JIS
左右交互 親指シフト 新JIS、月
アルペジオ 飛鳥、新下駄 いろは坂 薙刀式
こんなポジショニング?
2023年09月05日
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