2023年09月07日

盗作の範囲

京アニを放火した青葉の盗作の言い分が検証された。
脚本論の立場から検証しよう。


まとめはYahoo!ニュースのものから。
(もう少し詳しい文言を見たんだけどどっかいったので、
とりあえずこれで」
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脚本論的立場からいえば、
「平凡な場面すぎて、特別な場面ではないため盗作に当たらない」
「点のアイデアであり線のアイデアではないため、
盗作には当たらない」
と僕は考える。

余程特殊な、変わった場面であれば、
点であろろうが、盗作は盗作だろう。

たとえば「逆立ちしたまま早弁する」くらいヘンテコであれば、
その点のアイデアをパクれば盗作だ。
早弁が給食に、逆立ちがブリッジくらいまでアレンジされれば、
本歌取りないしインスパイア程度になろう。
しかし、
たかが幕が捲れて下に何かある、
○%引きの買い物をする、
留年した、
が独創的なアイデアだと言われても、
そんなもんどこにでもあるやろとしか言いようがない。

また、
たとえば、
幕が捲れたことで陰謀が発覚し、
それを追い詰めた上で、
最後その幕を完全に剥がして、
悪人がその落ちてきた幕で圧死する、
など、
捲れた幕が線としてストーリーに関与していて、
その線を盗作されたならば、
盗作と言って良いと思う。

しかし所詮は平凡な点だ。
盗むに値しないものを盗まれたといっても、
それは言いがかりだ。

これは主張する者の、
主観の中の問題では盗作であったとしても、
客観的に見て、
慣習的に盗作とされるか?
という話をしている。

主観的な痛みや苦しみを覚えたかどうかは知らないが、
客観的には盗作を疑うレベルではない。
なので完全にシロ。

そんなこと言ってたら、
どんな場面でもイチャモンをつけることが可能になってしまう。
もっと「特別な場面」だけで考えるべきだろう。



厄介なのは、
「盗作である」と判定することで、
青葉の動機と責任能力を常人の範囲内に限定して、
罪を償わせる、つまり死刑にする意図が検察にあること。

これが「盗作ではない」と判定されたら、
青葉はキチガイである、
ということになって、心神喪失、責任能力がないから、
無罪となってしまう。

盗作か否かが、
責任能力の有無に直結してしまうのだとしたら、
「死刑にするために、うーん盗作!」
と論を張るしかないのが、
検察側もうちょいなんとかせいやと思ってしまう。

はっきりと、
「盗作ではない、これは青葉の統合失調による妄想で、
それによって事件を起こした。
今後同様の危険があるため、
危険がないと医師が判断するまで入院措置」
を落とし所にしたほうがよいのではないか。

つまり死刑ではなく終身刑であると。

ただ、模倣犯が今後現れ、
ぜんぶ心神喪失を主張されても困るため、
ここらでいっちょ見せしめしなければ、
という政治的意図があるのは理解する。


そのうえで、
僕は「盗作には当たらない」と正論を吐くことにしよう。

この程度で盗作に関する誤った前例をつくるわけにいかないからだ。

青葉は盗作をしていない。
狂っていた。

狂人をどう裁くか、という裁判とされたい。
狂人のふりをする悪人を見分ける方法もあるぞ、
という隠しカードも持っておかれたい。




(追記)

詳しい情報は京都新聞にあった。
これを読んでもなお「パクリに値しない」
と脚本論の立場から言える。
ガワのアイデアにすぎず、そして平凡だからだ。


以下引用:

3作品はいずれも京アニを代表する人気作で、学校が舞台の「学園もの」だった。

検察側が読み上げた捜査報告書や上映したアニメシーンによると、高校水泳部の青春を描いた「Free!」には、校舎に掲げられた水泳部の垂れ幕が風でめくれ、下地に記された「柔道部」の文字がのぞく場面がある。

これに対し、青葉被告の小説で登場する学校の描写には、自由な校風の象徴として期限が過ぎても掲げられたままの垂れ幕が登場する、という。

また、高校の軽音学部が舞台の「けいおん!」には、主人公の女子部員が後輩部員に対して「わたし留年したよ、これからは同級生だよ」と告げて、抱きつくシーンがある。

青葉被告が「京都アニメーション大賞」に応募した作品には、主人公の男子高校生が担任教諭から「このままだと留年だぞ」と言われる描写がある、という。

高校の弓道部を描いた「ツルネ」には、主人公たちがスーパーで20%引きの精肉を買い物かごに入れるシーンがあるが、青葉被告の小説には、ヒロインが50%引きの総菜を買いあさる場面が描かれている、という
posted by おおおかとしひこ at 11:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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