1ページ目から書き始めて、
順番に書き、
最後まで書き終えたら完成、
などと思ってないか?
作る順と、見せる順はちがうぞ。
そう考えると、作り方も変わってくる。
料理を考えればわかる。
作る順で、食べる順になるわけがない。
食べる順を先回りして、
大体順番に出来上がるように作るよね。
時間のかかる煮物を先に仕込み、
焼いたり和えたりするものは最後のほうだよね。
そんな風に、
見る順を想定して、
バラバラに作り込んでいくことを考えよう。
たとえばクライマックスの段取りを先に考えても良い。
ラストの決め台詞が先に決まってて、
そこへ辿り着くまでの話を書いても良い。
オープニングから書き始めなくても良い。
先に日常パートや第一ターニングポイントをつくり、
それに合わせて逆算で、
そこへリードするオープニングを書いても良いのだ。
中盤などは、入れ替えに自由度が高いため、
作った順に並べる必要はない。
リライトの際に、あれとあれを入れ替えられないだろうか、
と考えることはとてもよくあることだ。
結果、作った順に見ることがなく、
見る順は作った側からしたらバラバラのことが多い。
見て面白い順と、
つくることが容易な順は違う。
数ページ書いて戻って書いて、まただいぶ先を書いても良い。
最終的な見る順さえおもしろければ、
作り方は問わない。
だからおすすめは、
シーン頭を必ずページ先頭から書き始めて、
シーン尻がページが余ってても、
次の白紙に次のシーン頭を書く方法だ。
こうすると物理的な入れ替えが簡単にできるため、
整理しやすくなる。
もっとも、
ページ番号は右上などに通し番号を入れておき、
全体構成表は別に持っておき、
ちょいちょいそれを書き換えて、
順番バラしを記録しておくとよいだろう。
つまり、
構成(順番)とは、
書く側の構成ではないということだ。
見る側の構成ということである。
見る側が、
世界の構築をやりやすくなり、
興味や関心をもって世界に入り、
予想や期待をしながら世界を前に進めることと、
書く側が書きやすい構成は、
同一でないことのほうが多いと思う。
だから、
見る順番は「あとでつくる」でもいいということだ。
これを編集行為ということにしようか。
全く一通りの編集しかないように、
すべてのパーツは出来ているべきだ。
しかしそんな風に最初からつくることは、
まず不可能だろう。
料理だって全部ができてから、
これには七味を振ろうとか、
これにはマヨネーズだなとか、
全体を調整するはずだ。
その調整を、
一度もしないのはあり得ないと僕は思う。
1ページ目から書き始めて、
順番に文字を書き、
最後の1文字を書いたら完成、
という小学生作文モデルは、
プロの書き方ではない。
むしろバラバラに書いたものを繋ぎ合わせ、
見る側にとって面白くなるように編集し直され、
書き直されたものが、
プロの作ったものであることが多い。
一度も作品を完成させたことのない人は、
「1ページ目から最後まで書けば完成!」と、
小学校の作文のように思っているだろう。
バラバラに書き、見る順を考えて組み直す、
というやり方を一度やってみることをおすすめする。
そうでないと辿り着けない境地がある。
なぜなら、
人は「書きやすいもの」を書いてしまう傾向にあるからだ。
「見る側がおもしろいもの」を書くのを忘れて、
楽してしまうんだよね。
それはおかしい。
書く側の自分勝手な都合などしらん。
見て面白い順に全部が整っているべき。
作り方は問わないだけのことだ。
2023年11月08日
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