2023年09月15日

最初にいうことがいかに大事か

人は第一印象を強烈に覚え、
あとでいかにして覆そうがなかなか覆らない。

だから言う順番はとても重要。
その誤った例。


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これはこの商品名が最悪だ。
これを見て一度に100回吸引した事故があったらしい。

医師関係者のツイートから知ったのだが、
「薬はせいぜい一日数回程度」
という常識すら普通の人にはないことを知られたい。
100回と書いてあったら、薬の言うことをきくと思う。


この写真を見て「一度に100回吸引する事故が起こり得る」
と予測できないのは、
人間の認知について無知すぎる。

僕ですら、
「え、これ100回吸引しなきゃいけないの?
めんどくさ。ていうか一日使い切りのやつかー。
いやそんなはずあるの?…」
と、どちらか咄嗟に判断できないし、
確信が得られない。

仮に事前説明を受けていたとしても、
呼吸困難で苦しいときは、
そんな記憶など飛び、
目の前のこの文字を信用すると思う。


さらに悪いことに。
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これだけ数字が並んでいるときに、
咄嗟にどれを信用するべきか、
僕にはわからない。

一日2回吸引セットで、4セットまでやっていいのか、
4セットまでやらないといけないのか、
咄嗟に大人と子供のどちらを見るべきか、
朦朧とした意識で判断できる自信がない。

そのときに、
最初の第一文を信用して、
100回吸引すると思う。
だって最初にそう書いてあるし。
「吸入100回」と書いてあれば、
それは処方だと思うよ。
「腕立て100回」「詠唱100回」と同じ文法だもの。


100回分量となぜ書かないのか、
僕にはまるでわからない。
10μg×100回分という表記でもいいだろ。
なぜ「10」が大きいのか?
それは何もわからず吸う人にとってなんの情報をもたらすのか?
この10が大きいのは医療関係者にしか情報量がない。
だとしたら患者に見せない方が誤解を防げるまである。


これは人殺しである。

表現は人を殺せる。

誤読した方が悪いのか、
誤読させた方が悪いのか。

表現者には、殺人を防ぐ義務がある。
下手な表現者は死ね。
posted by おおおかとしひこ at 07:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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