薙刀式v15も落ち着いてきて、
かなり完成度が高いことがわかってきた。
完成度、メジャー度などを考慮に入れて、
七傑を選んでみよう。
大岡の選んだカナ配列七傑
1. 薙刀式
2. 新下駄配列
3. 飛鳥配列
4. シン蜂蜜小梅配列
5. 月配列2-236式
6. 親指シフト
7. 新JIS配列
親指シフト、新JISと、
JIS配列とは異なるカナ配列が開発され、
それなりに使われた。
しかしqwertyローマ字が使用の簡単さから普及し、
効率的な日本語入力は衰退した。
数百の新カナ配列が民間で開発され、
効率のよく使いやすいものが模索されたが、
複数の人が使い、評判が良く、
今でも現役のものは少ない。
その中でも出来が良く、
複数の人が使っているものをあげて、
七傑と呼ぼう。
1. 薙刀式
僕が選ぶので薙刀式を一番にするのは妥当。笑
記憶負担を50キーに、
使用キーを30キー+スペースしか使わない、
最小範囲配列。(フリックをのぞく)
拗音同時押しが、
使うキーを複数同時に打つ独特の方式を採用して、
清音、濁音、半濁音、小書き、拗音、外来音の、
全てを同置(清音さえ覚えればその同時で打てる)
を実現した。
左右交互打鍵よりもアルペジオ、連続シフトを重視。
またBSやカーソルなど機能キーも30キー範囲に入れて、
編集モードという2キーを押しながら逆手を打つ打ち方で、
ショートカットや記号も30キー範囲に入れていて、
入力から変換、再変換、編集までシームレスな視野に入れている。
2. 新下駄配列
最も効率が良い配列のひとつ。
清濁別置を採用したことで、
頻度の高い濁音(がだでじなど)を単打で打てる。
その代わり覚えるべきことがたくさん増えた
(拗音面を含めて30キー範囲を5面相当覚える必要)が、
それを乗り越えれば最高効率になる配列。
親指不使用なので、
30キー+数字段の左手部分を使えれば、
親指は変換などに使えるのが特徴。
外→内のアルペジオ重視、
同時押しキーからのアルペジオも多く、
華麗な打鍵が可能。
拗音面を持っているため、
すべての1モーラ音が1アクションで打てる。
機能面は片手同時押しに記号類があり、
BSのみ右小指外中段に。
3. 飛鳥配列
親指左右2キーと同時押しする親指シフト方式だが、
清濁別置による効率重視、
連続シフトによる同じ面での運指連続を重視して、
指がヌルヌル繋がるとよばれる。
覚える難易度は新下駄に次いで高く、
効率性もその分高い。
中段重視、アルペジオ重視。
1モーラ2文字表記、特に拗音では左右交互による高速性を使う。
エンターやESCが配列内にあり、
機能部や記号類は小指外や打ちづらいところに配置。
4. シン蜂蜜小梅配列
親指左右2キーと同時押しする、親指シフト方式。
親指シフトと同様、都度シフトする逐次シフト。
親指シフトの純粋な文字配置改良版小梅配列、
それに拗音マトリックスを付加した蜂蜜小梅配列を経て、
GHと逆手同時押しを付加したシン蜂蜜小梅として完成。
拗音マトリックス(8母音×3段でこれがハチミツの由来)は、
左手のマトリックスと、右手使用部の同時押し。
清音、濁音、半濁音、拗音同置で、
1モーラ1アクション。
飛鳥、新下駄に比べて覚えやすい。
しかし打鍵動画があまり出回ってなく、
実態がつかみづらい配列の一つ。
5. 月配列2-236式
中指前置方式で、メジャーカナは単打、
マイナーカナを2打にする、1打2打混在方式。
MS-IMEのテーブルで定義可能なため、
どこでも使えるのが特徴。
運指は新JISをベースとしているため、
左右交互打鍵重視。
他に多数の月配列のバリエーション
(配置の違い、シフト方式の違いなど)がある。
ぶな配列、幸花配列、叢雲配列、
月配列U、月配列K、月配列E、月配列T、月光、英月配列など。
同時打鍵を使用しないため、
原理上無限に速度を上げられるので、
タイパー的高速打鍵(秒7カナ以上)に耐えられる。
ただ短時間記録を出すことがカナ配列の唯一の目的ではなかろう。
実装の簡単さ、高速性能の証明のわりに、
使用継続者をほとんど聞かないのはなんで?
微妙に使いづらい運指があるから?
決定版月配列が存在しなかったから?
6. 親指シフト
富士通ワープロOASYS採用配列。
親指左右2キーが特別高く広く設計されていたが、
JISキーボードでは無変換、スペース、変換のうち2キーを使い、
エミュレートされている。
メジャーカナを単打、
マイナーカナを同手の親指と同時押し、
濁音を逆手の親指と同時押し、
というルールによって、
清濁同置を実現し、清濁半濁小書きを1アクション化した。
かつては日本一使われていたが、
PCでの使用に乗り遅れたため後塵を拝し、
qwertyローマ字に席を譲った。
32キー+親指2キーを使うため、
JISカナより打鍵範囲が狭く、
ローマ字より打鍵数が少ないため、
JISカナ、qwertyローマ字より性能が良い。
しかし上で挙げたカナ配列よりは劣ると僕は考える。
小書き、半濁音があまりにも不規則でマイナー位置のため、
覚えにくく使いにくいのは明確な欠点。
(清濁別置に比べればましだろうが)
使用頻度に応じた設計ではあるものの、
文字から文字への連接が練られているわけではないため、
スタッカートを入れたような打鍵感になると僕は思う。
もともと使用者が多かったことから、
現在も使う人が多いが、
効率性を議論するなら上に挙げた配列に変えることを勧めたい。
7. 新JIS配列
32キー範囲+親指1キーを使用し、
スペースキーをシフトキーとして使う(SandS)。
メジャーカナ単打、マイナーカナがシフトで、
連続シフト可能。
特徴は覚えやすさ、使いやすさだが、
効率性では「な」「そ」「ん」の位置などに疑問が残る。
沢山は書かないがブラインドタッチしたい人には、
すぐ使えるので勧めたいところ。
左右交互打鍵重視の運指なので、
同一ペースをキープすると打ちやすいようになっている。
月配列は新JISを完全上位互換化したか?
には議論の余地があると思われるため、
両論併記のため七傑に入れた。
月配列にはない連続シフトがいいところだと僕は思う。
ただ、世に出た実装版は、
小指のシフトキーを使う方式で、
スペースキーによるシフトを使っていない。
はあ?そんなの常用できるわけないやん。
新カナ配列を潰し日本の生産性を下げようとした陰謀論としか思えぬ愚行。
この配列がSandS実装されていれば、
現在のIT後進国への転落は防げていたかもね。
カナ配列を使おう。
4段使い、小指外も全部使う、
ブラインドタッチ不可能な、
カナ同士の連接など考えていない、
最悪効率のJISカナ配列
(50音配列と効率は変わらないだろう)ではなく、
ブラインドタッチを効率的にすることを目的とした、
七傑のどれかを使おう。
qwertyローマ字は、
1カナを打つのに平均1.7打必要で、
七傑は平均1.3打程度でよい。
0.4しか変わらない?
10万字(論文数本)で、漢字含有率1.3程度として、
22万打鍵:17万打鍵の違いで、
差額は5万打鍵。
この無駄や疲労を良しとするならqwertyを使えば?
指の動線の無駄は体感2倍くらいある。
https://youtu.be/chHqjYsK73w
にqwertyと同じ文字完成速度の薙刀式の比較がある。
この無駄をし続ける?
いや、むしろ、無駄や疲労というよりも、
「同じ時間でどんどん先に進めるぞ」
ということのほうが利得としてとても大きい。
一日5000字書く人は、
カナ系七傑にコンバートした方がよほどよい。
この七傑を使ってる人は、
qwertyローマ字を使う人よりも、
数倍得していて、何歩か先にいる。
おすすめは薙刀式。
覚えやすさには定評があり、
使い勝手もよい。
マスターマニュアルの充実もよい。
効率王としては新下駄と飛鳥を勧める。
覚えやすさという点では少々苦労があるけど、
効率性能だけでいえば薙刀式を上回る。
カナ配列の現実的な打鍵速度はどれくらい?
トップレベルのqwertyとJISカナ、
および代表的なカナ配列の日常文を動画に収めた貴重な資料を見て、
カナ系新配列の威力を目の当たりにされたい。
https://youtu.be/2kMpgCmSatQ
に当日収録された全配列のリンクがある。
七傑の中ではシン蜂蜜小梅、新JISの使い手がいなかったのが残念。
挑戦者求む。
もちろん僕は薙刀式の作者だから、
一番は薙刀式だぜっていうけれど、
他の配列もいいと思うよ。
ただ、どんな新配列を使う人も、
qwertyローマ字よりもJISカナよりも、
効率が良くなり、前に進めることは共通だね。
2023年09月16日
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