三幕構成をはじめ、
ストーリー論はビートを気にするものがとても多い。
そして脚本の最大の敵は、
ストーリーの停滞と退屈だ。
これらを結びつける仮説を思いついたので書いておく。
「出来のいいエピソードがリズムを刻む」
という仮説だ。
たとえば。
・出来のいいエピソードがあったあとは、
しばらく退屈でもOK
・出来の悪いエピソードが続くと、
退屈は強化される
・退屈は、出来のいいエピソードでクリアされる
・出来のいいエピソードが一定リズムで現れると、
それがストーリーの基礎ビートになる
・基礎ビートを覚えた観客は、
そのビートが外れた時、期待外れになる
(たとえば出来のいいものをA、それ以外をBとする。
ABBABBと来たら、次はAを期待するが、
Bが来たら期待外れからの失望からの退屈へ至る。
ABBABBBAと、ワンテンポ遅れてAが来ても手遅れ)
・このテンポはページ数か、
エピソード数か、シーン数かはわかっていない。
なんとなくのイメージで。
なんとかターニングポイントとか、
なんとかポイントとか関係なしだ。
おもしろいかおもしろくないかで、
リズムやテンポが決まるという仮説。
おもしろいには、
おそらく緊張があり、緩和があるだろう。
その度合いが、
おもしろくないものは低く、
感情の振れが少ないのだろう。
面白いところを赤く塗ろう。
全部は赤くならない。
半分以上が赤くなったら、
赤の中の赤を特に別の色で塗ろう。
仮にそれが全体の10%くらいになるようにしよう。
その10%の面白い部分は、
作品のどこに分散しているか?
一幕に集中していて、
後半にないのならば、
「最初は面白かったが、後半退屈した」になるだろう。
最初になく、後半に多いなら、
「退屈極まりないものが、尻上がりによくなった」
になるだろう。
ちょうどいいテンポで投下されていれば、
「常に興味深く、緊張が途切れない、
いいリズムだった」となるのでは?ということ。
あるところは密なのに、
あるところが疎ならば、
「面白いところもあったけど、
退屈なところもあったなあ」になると思う。
だから、
退屈が続いたら、
次の面白いエピソードを前倒しにしよう。
面白いエピソードが連発するならば、
そこは局地的に良いが全体が良くなくなるので、
ひとつ面白いのをカットして、
疎らになるところに移植してはどうか。
もちろん、「おもしろい」「おもしろくない」は、
作者の主観的判断ではなく、
観客の判断を客観化できてないといけない。
その10%の赤い部分を、
どうやって分布させる?
頭でつかんだら、しばらくなくてもいいが、
ポイントポイントで面白がらせて、
キモになるところは出来のいいエピソードになるべきだ。
こうして、
面白いものが定期的にやってくる波をつくると、
その波に乗って観客の感情が動くようになる。
そろそろ来る→キター→そろそろ来る→キター
を繰り返しているうちに、
期待は確信にかわる。次も来る、と。
その波を作るには、
定期的にエピソードの面白さのメーターが、
一定を振り切る必要があろう。
なんとかポイントとか難しいことを考えてないで、
このおもしろい部分を均等にばら撒き、
たとえば8シーンに1回は必ず他より抜きん出た面白さになる、
などを作っておくと、
それがグルーヴを形成するのでは?
という仮説だ。(8は適当)
そんな都合よく行くはずはないと思う。
でもそういう風に、あとで調整することは可能だよね。
より面白く書き換えるか、
カットや入れ替えによって、
そのリズムを作ることはできるよね。
2023年11月22日
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