2023年09月18日

【薙刀式】もし操作系を自由に変えられたら

人類が作ってきた道具は、
変形と淘汰の歴史を経て、
ほぼ最適解に到達している。

日本刀、自転車、傘などがそうだろう。
操作系においては、車、F1、飛行機、ヘリ、
ゲームなどが最適解に到達している気がする。

キーボードは、
その変形と淘汰の歴史の試練を経ていない。


まあ、普及初期の頃から、
あれだけボタンのついてるものが、
てんでバラバラにリリースされていたら、
これだけの普及はしなかったろう。

標準語の普及が教育水準の引き上げになったように、
PCの普及に、
キーボードの統一性は役にたったことは、
歴史的に評価されるべきことだ。

だが。

操作系が複雑なのが放置されたのは、
反対側の深い闇である。

操作系は変形、淘汰されるべきものだ。
獣道でショートカットしたり、
うっかり間違うものを遠ざけるような、
フェイルセーフが進むべきだ。

たとえば日本刀には鍔がついている。
これは目的である「斬る」ことには役に立たないが、
鍔迫り合いで自分の指を斬られることに役に立つし、
そもそも誤って刀の部分を持つミスを防ぐ機能である。

このような、
進化や工夫や淘汰が行われなかったのが、
キーボードという時代の遺物である。

しかし残念ながら、
日本語入力に関しては、
フリックはキーボードを凌駕したとはいえず、
キーボード入力が、
いまだに本格的な分量を書く最良の手段であることは変わりない。
(短文であれば、フリックや音声入力は有効だろう)


キー配列エミュレータの開発が、
まず論理配列を自由にして、
論理配列模索時代をつくったと思う。

漢直、カナ配列、ローマ字配列、
IME方式などが鎬を削り、
カンブリア爆発を経て、
現在は淘汰のフェイズに入ってるのだろうか。

ローマ字は実装が簡単なため、
いまだにtomisuke、大西などの新作が作られている。

そしてついに、
物理配列を変更できる自作キーボードがあらわれた。

左ロウスタッガード、一体型、平面から離れて、
現在カンブリア爆発は続いている。
いずれ淘汰に向かうのだろうが、
今生き残ってる有効なものは、
左右分離コラムスタッガード、格子配列、分離ロウスタガ、
一体型においてはAlice、ハノ字型あたりか。
3Dキーボードは模索が続くが、
まだ決定版というほどの形状は出てきていない。

キーのオンオフだけでなく、
トラックパッドだったり、回すつまみだったり、
アナログ式の読み取りであったりなど、
読み取り側も工夫が続いている。

いずれ、
物理配列と論理配列を組み合わせて、
「これしかありえない」ものが出来ると期待するが、
領分が違うのか、
なかなか二つともやってる人はいないのが実情。

あれだけ物理を工夫してんのに、
まだqwertyを使ってるのはアホか、
とそろそろ自キー者も気づいてきて、
論理配列の模索をする人もいる。

しかし、
旧来の論理配列は、
旧来のキーボードを前提としてるから厄介だ。


フリックみたいな、
「全然違うやり方」が、
突然日本語入力の新しいやり方になるかもだけど、
キーボードで入力する、
もっともいい方法はなにか?
の答えは、まだ全然始まったばかりともいえる。

ようやく、
配置を自由に試行錯誤できる時代が来た。

刀でいえば、
黒曜石の時代であろう。
形を自由にできないものが、進化しないわけがない。



僕はどんどん文字の位置、キーの位置を変えて、
どんどん合理化してったほうがいいと考えている。

そのうちいろんなアイデアが交換されて、
さらに交配は進むであろう。

そんなこんなしてるうちに、
最適解がいくつも生まれて、
人はそれを選択できるようになるだろうと思う。



僕が到達したのは、
論理配列は薙刀式、
物理配列は左右分割格子配列36キー、
物理形状はドーム型キーキャップ、
というものである。

今後また改良される可能性はあるものの、
今のところこれ以上は見つかっていない。

まったく別ルートから別の到達点へ辿り着く人もいる。
それらを観察して、
自分が持ってない原理に気づきたいんだよね。
進化系統樹の別のところを知りたい。



もし操作系を自由に変えられたら、
人はどのような仕事机をつくるだろう?

キーボードは、自作という手段を得て、
はじめてその俎上にのぼったんだよな。

そして来週その「俺のキーボードを見てくれ」
の大会がある。キー部6%だ。
そろそろ論理配列の話をしたいなあ。
posted by おおおかとしひこ at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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