2023年09月24日

【自キ】スイッチデッドナーの考察

打鍵感エンドゲーム、
Tecsee Blue Sky+Sprit Desings MX30S spring+Kritox 205 g0
+キースイッチデッドナー。

すべる(HPE×POM+ルブ)、軽い(アクチュエーション20g)、
そして響かない(底打ちと戻りの残響がなく、一瞬で響きが終わる)。
その考察をもりやんさんが。
https://x.com/catfist/status/1705758770838782235?s=20


これをやってみて分かったことは、
スイッチの個性というのは「響き」
なんだなあということ。

コンって衝撃があったあとの、
残響(音だけでなく触覚的振動も含む)によって、
スイッチの個性になるわけだ。
ちょうど、波の3要素であるところの、
振動数(高さ)、振幅(強さ)、波形(音色)のうち、
波形要素を取り去ったような感じの、
振動になっていると思う。

もちろん3Dプリント(MJFナイロン)だから、
完全に0には抑えきれてないけど、
100を3くらいには抑えられてると思われる。
(金属でやれたらどうなるんだろうね)


そもそも何を目指して作ったのかを考えると、
やっぱペンなんじゃないかと思う。

ペン(万年筆やボールペン)って、
紙についた瞬間が書く瞬間で、
別に残響とかないしね。
クッ、クッ、と動かせば字を書けるわけで、
響きとかないし。

その、「書けば書ける」みたいな感覚に、
スイッチを近づけようとしたのかもねえ。

僕が強いバネが嫌いなのも、
「俺と字の間に何か挟まってる気がする」感じなので、
軽いバネだと、俺と字の間に何もない、
みたいな感覚に到達しやすい。

それを、さらに残響カットすることで、
字と俺が近づいたんだろう。


僕はキーボードがあまり好きでないんだと思う。
万年筆やペンの方が好きで、
それってつまり、
字と俺の距離を0にする、
ことが大事なんじゃないかってこと。

つまり、強いバネも、擦れ感も、タクタイル感も、
トップハウジングの戻り振動も、
下手くそなルブも、
キーキャップの邪魔をする曲面も、
そしてスイッチの残響振動も、
字と俺の間に入ってるコンドームなのでは、
ということだ。

サガミオリジナルがいかに頑張っても0にはならないのと同じで、
俺の指に電極が付くことはないが、
しかし触覚から字へのつながりを、
限りなく0にしたいと、
俺は思ってるのだろう。


夏場は暑いのでサンダルだけど、
僕はいつもカンフーシューズを履いている。
それは、地面との距離をなるべく近く感じたいからだ。
ブルースリーリスペクトも勿論あるけど、
元ちとせが裸足で歌を歌うことに近い感覚。

俺は表現に、世界に触っていたいのではないだろうか。

僕にとっては文房具は、
そうした表現のための道具なのだね。


自作キーボードをやるエンジニアたちは、
馬の鞍感覚ではなくて、
道具としての通過点かもしれない。
だから沢山つくっては捨てていき、
日によってキーボードを変えている。
僕はひとつを徹底的に練り込んでるタイプで、
MiniAxeをずっと改良し続けてる。
馬の鞍をひたすら自分に合わせて磨いてるタイプだね。
そういう人は、キー部でも天キーでも、
あまり見ないかも知れないね。


まあ、なんにせよ、
とにかく字に触りたいのだ。
手書きで第一稿を書くのも、
結局触りたいんだろうな。
触らないと表現した気にならないんだろうな、たぶん。


生理的感覚を言葉にするのは難しい。
心理学的に言えば肛門期や口唇期のことだからね。
生命はまずチューブとして細胞ができる。
一方が肛門、一方が口になり、真ん中は腸。
残りはそこから分化して作られるだけだからな。

その原始的感覚とことばを結びつけないと、
表現になってない感覚が僕にはあるのだろう。
(まあ芸術家全般そうだと思うけど)


つまりほとんどのデジタル道具は、
僕にとっては隔靴掻痒なのだ。

なんならキーに触ってから文字が出るまでも遅いと思っている。
iTextを使うのは軽さのためだ。
これ以上はいいスペックのPCを買うしかないかな。
一時期スピードスイッチを更に短く改造してたのもそう。
Blue Skyのスピード改造はいまだにちょっと考えるよ。まじで。
今のところ気持ちいいからモチベがないだけで。



ということで、
自作キーボードは、
字と俺の距離を縮める工夫の体系だともいえる。

カナ配列だって、ローマ字じゃまだるっこしいからだ。
そのうち漢直を絶対やると思う。
いまはまだ合理的な指の運動と漢字を結びつける、
いいやり方を思い付いてないだけだからね。
思いつけばやるだろうな。
posted by おおおかとしひこ at 14:38| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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