2023年09月30日

【追悼】京都みなみ会館

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学生時代7年を過ごした京都には深い思い入れがある。
8ミリカメラを手に走り回りながら、
映画の日に4館はしごしたり、
アート館と呼ばれる朝日座(いまはもうない)、
みなみ会館には足繁く通い、
「メジャー映画でないものがある」
ことを強く印象付けられた。

東京へ来てからも渋谷パンテオンとシネマライズに同時に通うような雑食だったので
(いまはどちらもない)、
映画の価値はさまざまにあることを、
僕はみなみ会館から教えてもらった。


ただみなみ会館は京大から遠くてねえ。
チャリンコで30分以上かかった記憶。
バスに乗ったら結構金かかるし、
学生の僕らは勝負の時しか行けなかったなあ。

たしか覇王別姫だと思うんだよなあここで見たの。
その当時の彼女と見に行ってね。
五重塔のすぐそばの立地で、
うおーってテンションあがって、
よくわかんないけどすごいの見たって興奮して、
なぜか歩いて鴨川いって、そのまま北上して、
なぜか北白川ベルシャトー(京大生御用達ラブホ)まで、
歩いたんよなあ。
たぶん一時間半くらい歩いてた。
もっとかなあ。ずっと喋ってたかったしな。

今はもうその人はこの世にいないので、
何の話したかも、何の映画だったかも、
何でベルシャトー行ったのかも、
全然記憶にないのが悔しい。


ラブホテルベルシャトーはすでにない。
そしてその起点の、みなみ会館が閉館する。
fromとtoが今日なくなる。

ありがとう。
この映画館があったおかげで、
僕は映画監督になれました。

その先は僕の頑張り次第であります。



映画には、
人生を変える力がある。
若い二人に、
東寺から北白川まで歩かせる力がある。
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posted by おおおかとしひこ at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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