ので面白いよね、という話。
たとえば、刑事ものには、
「犯人を捕まえる」「起訴する」
「罪が確定する」「マスコミがかぎつける」
なんて、普段の日常にはない焦点や事件がある。
そもそも「殺人」なんかもないわけでね。
盗みや暴力程度なら日常にもありそうだが、
さすがに殺人はなかなかない。
だから刑事ものには、
「ジャンル特有の焦点」がある。
同様に、
「そのジャンルにしかない焦点」というのもあると思う。
たとええば「ヒーローもの」には、
「正体がばれそうになる」
「正体を知ってなお応援する」なんて焦点がある。
「合体ヒーローもの」には、
「合体シークエンスを阻止する敵と、
それを凌駕する合体作戦」なんかがあるだろう。
「それでしか摂取できない栄養素がある」
なんて言い方をすることがよくあるが、
単にキャラの栄養だけじゃなくて、
こうした「特有の文脈に夢中になる」
という要素があることがある。
たとえば医療ものには、
「新人が、担当患者が初めて死を迎えて悩む」
があると思う。
そこから、
「次の患者を助けるんだ」までに至る葛藤は、
医療ものでしか味わえない栄養素だろうね。
(そして、それはそのジャンルでは、
「定番の味」みたいに伝統になっているかもしれない)
ヒーローものにおける、初めての変身シークエンスもいいよね。
バトルものにおける、必殺技の誕生シークエンスもいいよな。
恋愛もので、ライバルに持ってかれるシークエンスもいいよね。
こうした、シチュエーション以上の、
焦点と小結果と次ヘの展開が、
ワンセットで必ずあり、
そこでしか摂取できない栄養素があるわけだ。
で、ここからが本題だが、
そういう「ジャンル」を書いているときは、必ずそれを期待されている、
ということを忘れないようにしよう。
それをやってそれをやらないのかよ、
という失望は結構あるものだ。
その期待には答えたいものだね。
さらにいうと、
「まったく新しいジャンル」の開拓というのは、
「それでしか摂取できない焦点の発明」でもあるわけ。
「爆弾が爆発しそうなときに、
赤のコードを切るか、青のコードを切るか」
という焦点が最初に発明されたとき、
みんなこれをまねして、
今でも使われるパターンになっているわけだしね。
「試合でやってもプロモーターやみんなが反対するから、
俺たちだけで無観客試合をやろうぜ」
というのは僕はロッキー3で初めて見たが、
この栄養素はほかのものでもありそうだ。
こうしたものを発明できると、
強いものになると思う。
というか、それこそが、オリジナリティだよな。
だから、
「〇〇もの」は人気だし、
とりあえず書いてみることをお勧めする。
そのパターンを、
その他のジャンルに持ち込んでもいいわけだからね。
2023年12月14日
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