もしカナ配列を使ったことがなくて、
ローマ字配列と打鍵感覚を比較したいと思った人は、
次のやり方を試すといいのでは、
というのを提案してみる。
1. Alt+ひらがなカタカナキーを押して、
qwertyローマ字→JISカナ配列に切り替える。
(右下のMS-IMEを右クリックして出たメニューから、
ローマ字入力からカナ入力へ切り替えても良い)
2. 「なにもない」「そこそこしてくる」を打ってみよう。
qwertyローマ字でそのキーを表記すると、
UIMUE CBCBDWH.
を打ってみると出てくる。
何度かやろう。
なにもない なにもない なにもない
そこそこしてくる そこそこしてくる そこそこしてくる
変換なしでエンターで確定で良いので、
普段のローマ字くらい素早く打ってみたまえ。
ジャラッと打てるはず。
これが、1打1カナの感覚である。
3. 元に戻そう。
Alt+ひらがなカタカナキーを押して、
qwertyローマ字に戻りたまえ。
「ピコッ」とか言って欲しいが、Windowsは答えてくれない、
愛想の悪いやつだ。
4. そして今度は、qwertyローマ字で、
「なにもない」「そこそこしてくる」を打ってみよう。
NANIMONAI、SOKOSOKOSITEKURU
三回ずつくらい打ってもいいよ。
これが、カナ配列者(親指シフターなど)のいう、
「ローマ字はかったるい」という感覚だ。
5. もう一回、カナで打ってみて、ローマ字で打ってみて、
内部の感覚を比較してもよいぞ。
結構指の感覚が違ったはずだ。
テンポ感が全然違うよね?
JISカナの、
「なにも」はアルペジオだし、
「ない」は左右交互。
「そこそこ」「して」「くる」はアルペジオだ。
速くない?
楽じゃない?
これが、「カナで日本語を打つ」という感覚なんだ。
1打1カナの、想像以上の気持ちよさが実感できるよね?
逆に、こっちからみて、1.7打1カナが、
いかに馬鹿馬鹿しいか想像できるかな?
ただし、JISカナは勧めない。
こんなに良運指のワードは少ないし、
4段必要だし、右小指外を全部使う、
指効率の悪い配列だからだ。
今体験した指の感覚で文章が書けるのは、
もっと効率のいい、
僕の勧める合理的なカナ配列たちである。
(過去記事を読めばわかるが、
薙刀式、新下駄配列、飛鳥配列、シン蜂蜜小梅配列、
月配列、新JIS配列、親指シフトなどを勧めている)
たとえば薙刀式なら、
【】をセンター連続シフト(スペースキーを使う)とすると、
なにもない M【DK】MK
そこそこしてくる BVBVREHI
の運指でできる。
シフト操作が必要(その代わり30キー範囲に全カナがある)
だが、
上の例と遜色ない感覚になっていることがわかると思う。
さあ、どっちを選ぶ?
ローマ字?
カナ?
僕は、
「頭の中のことばと指の直結」を考えるなら、
カナ一択だと思う。
「言葉を気持ちよく打ち、そして疲労が少ない」
のもカナ一択だと思う。
マスターするのが大変、というデメリットは置いといて、
「普段の運用」を考えると、
カナ一択だと思う。
ただしJISカナ配列はダメで、
300倍くらいいい、合理的なカナ配列(たとえば薙刀式)を、
使うのがいいと思う。
「この感覚」を、
言葉だけで伝えることは難しい。
だから体験プログラムをつくってみた。
「なにもない」「そこそこしてくる」は、
普段の日本語でまあまあ出てくる確率の高いシークエンスだ。
それを一生qwertyでバタバタ打ち、
思考が侵食されていいのか?
と僕は問いたいわけ。
どっちが自分の思考に近いだろう?
カナか?
ローマ字か?
どっちが文章の質があがる?
どっちが疲れずに一日ずっと書ける?
どう考えてもカナ一択だ。
(もちろんこの先に漢直があるのだが、
僕はまだマスターしてないためこれ以上語れない)
あとは、
「マスターする覚悟」だけだよ。
薙刀式はその中でもマスターが簡単な配列で、
マニュアルの練習法に従えば、
一週間もあればそこそこ動かせるようになる。
(もちろん人による)
親指シフトは三ヶ月とか半年かかるらしいから、
どっちをやるかは明白だろう。
もちろん、それ以外のカナ配列でもいいよ。
自分に合う、ピンと来るものがあるはずだ。
カナ配列が、
ローマ字をめんどくさいとか馬鹿馬鹿しいとか、
滅びればいいのに、
と言ってる感覚が、少しわかると思う。
それはめんどくささとか労力の話もあるけど、
「頭の中と言葉を直結させる」
という、
「文字を書くことそのもの」
「言語による思考そのもの」
に、
どっちが近いか、
という話なんだよね。
それを体験するための、
「なにもない」「そこそこしてくる」
であったわけ。
これを体験してしまったら、
もうqwertyローマ字には戻れないよね。
指と脳の直結の感覚がわかったからね。
2023年10月13日
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