経験則。なんでかを考察したい。
場所や建物がタイトルになる映画は、
あまり面白くない感じがある。
なんでか。
「その場所や建物がテーマと関係なく、
ただ事件が起こった場所である」
だけのことが多いからではないか。
「ホテル〇〇」というのはよくあるタイプだ。
そのホテルがよっぽど何かテーマ性があり、
映画で扱うテーマを象徴しているなら、
意味があるが、
大抵は「その事件が起こった場所」でしかなくて、
テーマとは関係ない場合が多いんだよね。
だから、
なんだか異国情緒あふれるタイトルだとしても、
映画自体が名作になることはあんまりない気がする。
それで思い出したのが、
「ルパン三世カリオストロの城」なのだが、
名作なのに建物の名前だなあと。
でもそもそもこのタイトルはテーマを表しているわけではなく、
「ローマの休日」的なラブストーリーのBストーリーと、
「ゴート札事件」という本筋のAストーリーの二本立てが、
ストーリーの本質である。
それを「カリオストロの城」というタイトルで、
扱いきれているわけではないものだ。
ということは、そもそも「カリオストロの城」というタイトルが間違っているわけだ。
本編が充実していれば、
場所や建物のタイトルになっていても問題ない例だが、
ほとんどの場合、
その場所や建物の異国情緒に頼ってしまい、
映画的ストーリーを紡ぎだせないまま終わってしまっている気がする。
だから、ほとんどの場所タイトル、建物タイトルは、
面白くない気がするんだよな。
よっぽど変なもの、
「超能力団地」とか、「京都鬼が辻」みたいな、
企画性のあるものならばまだわかるが、
そうじゃない、なにがしかの雰囲気だけのものは、
たいてい凡作になることが多い。
「メゾン・ド・ヒミコ」とかもそうかな。
だから何?という雰囲気映画だったよな。
漫画「めぞん一刻」は名作なのにねえ。
もともとのしっかりしたストーリーやテーマこそが大事で、
タイトルは重要じゃない、
ということだ。
にも拘わらず、
いい感じの場所や建物の雰囲気に負けて、
その名前負けしてしまうストーリーしかつくれない、
というのが実情だろうな。
「新橋一丁目」で、面白い映画はつくれそうにないよなあ。
まああくまでも経験則だ。
例外はあると思う。
実在の場所や建物を取材して作る場合、
その取材や実在に負けて、
フィクションとしてのストーリーやテーマが面白くない場合がある。
つまり、タイトル負けしがちということだ。
2023年12月17日
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