なぜあなたの話は伝わらないのか。
なぜ下手だと言われるのか。
あなたの中の状況が、
観客に伝わっていないから、ということがないか?
ある場面で、
あることをしようとしている。
その時、周りの状況があり、
それありきで行動を決めているわけだ。
たとえば戦争もので、
相手が昼飯を食っている時間がわかり、
その時刻に攻めようとしているとしよう。
こちらの行動を描き、
攻める直前まで来たとしよう。
「よし、いまだ、いくぞ」と攻撃をかける。
こういうやり方は、下手なやり方だ。
作者は、「昼飯の隙をついて攻める」という状況文脈が、
(自分でつくったから)分っている。
しかし観客は、
このことを忘れている可能性がある、
ことまで想像できているか?
という話。
「昼飯の隙に攻めるぞ」と前のシーンであり、
次で攻めるならば、さすがに忘れていることはないだろうが、
別のエピソードを一個挟んだり、
別のシーンを挟み込んだりすると、
意外と忘れていることが多いんだよね。
だから、
「昼飯でいないはずだ」と、
一回状況を整理してから、
攻め込めばいいわけだ。
どういう整理の仕方が上手かはいろいろある。
部下に上官がもう一回説明して整理するパターンもあれば、
「臭い昼飯でも食らってな!」
と生きのいいやつがバズーカを打つように、
「その状況を知っているやつがいる」という表現で、
観客に親切にも状況を伝える、
という方法もある。
あるいは、
昼飯を食っている敵の部隊と、
がら空きになっている戦線を見せてから、
こちら側の攻めを描く手もある。
どういう説明の仕方をしてもよい。
わざわざ説明して、
くどい、と思われることと、
状況が分かっていない状態で、
話を進めることでは、
後者のほうが罪である。
へたくそながらも、
状況が分らなくなっているならば、
状況の説明はあったほうが良い。
あとは、それが上手か下手か、ということになる。
今どういう状況?
観客はすぐに忘れるぞ。
それは別のことを考えているからだ。
登場人物の気持ちや人間関係や、
テーマについてなど、
焦点が一回そっちに行ったら、
それを考えてしまい、
今どういう状況なのか、忘れる傾向にある。
つまり、
「今こういう状況で、これに行く」と、再セットすることは、
焦点をよりはっきりさせる、
ということなのだ。
2023年12月25日
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