新下駄の単打率が、驚異的な7割と知り、
薙刀式の単打率6割と、ひとつランクが違う感覚を得る。
これだけを比較すれば新下駄の勝ちなのだが、
全体の感覚だとどう違うのだろう、
とさらに比較してみたくなった。
打鍵効率はどちらも同程度。
薙刀式の3キー同時もきちんと打鍵数に3と数えているが、
いうても、濁音拗音、半濁音拗音、外来音なので、
微々たる影響だ。
どちらかというと、濁音を薙刀式はすべて2打にしてるので、
単打濁音がいくつかある新下駄が、
そこで単打率を稼いでいる感じ。
単打で単一カナとして濁音を打つ方が、
確率的効率はよい。
一方薙刀式の濁音同置は、
いちいち濁音を別に覚える必要がなく、
また連濁という日本語特有の現象で、
運指を同じにできる利点がある。
(例: ときどき、書き方と下書きの「かき」「がき」)
これはどちらが好みか、
で個人に対して負荷の大小が変わってきそう。
好きな方が負荷が小さく感じると思う。
あと薙刀式が勝てそうなのは、
脳の負荷かな。
薙刀式は、28キーの2面を覚えさえすれば、
濁音、半濁音、小書き、拗音、外来音が、
すべて同置きなので、
134種のカナを56キーの記憶負荷だけで扱えるようになる。
この圧縮が薙刀式のよさだ。
つまり、あまりたくさんのことを考えずに、
無意識化できるわけ。
一方新下駄は、
3.5段を3面と、拗音外来音面を半面2面持つから、
実質4.5面程度の記憶負荷が必要だ。
一旦覚えてしまえば無意識化できて、
運用上の負荷はない、らしい。
僕はそうなれなかったが、
なってる人が結構いるから、人類には可能であることは、
すでに証明されている。
でも、
目の前に2面のキーがあるか、
4.5面のキーがあるかは、
運用上の脳負荷はだいぶ違うと思うんだけどどうなんだろう。
数値上は倍程度の開きがあるが、
実質倍よりは開いてないと想像されるが、
それが、単打率1割ぶんと交換かな、
と思っている。
薙刀式は、新下駄より単打率を1割下げた代わりに、
脳負荷を下げている感覚、
という風に考えられる。
新下駄は、倍ほど登場人物が多い小説だが、
全員を覚えられれば、1割単打率が高くて楽、
みたいなことだと思われる。
僕は登場人物が多い小説が苦手なので、
少ないに越したことはないなー、
なんてズボラなんだと思う。
外国の小説とか、なかなか名前も覚えられないしね。
で、これも好みだよな、と思う。
単打率が高いことはとにかくスラスラ感が違うので、
その1割で気持ちよさは随分変わる。
たった2面だけで絵の具が少ないから、
目端が効いてるほうがスラスラ書ける、
という好みもあっていいよね、
だと思う。
目的はスラスラ書きたい、と、
両者は一致してると思うけれど、
そこに至る方法論はずいぶん違う。
人によって得意不得意があるし、
脳の好みも異なるから、
僕は好みを使えばよいと思ってて、
新下駄と薙刀式どっちも優秀だろうと考えている。
ただ、短期的速度、タイプウェルなどでは、
明らかに薙刀式は負けているだけのことだ。
(僕が真面目に短期タイピングをやってないから、
実証してないだけで薙刀式ももうちょい行けるのかも知れないが、
新下駄XA、薙刀式SS程度には差がある)
体に合うスポーツや楽器が得意になるように、
好きなものが一番だと思う。
数値スペックだけでない、
「それを打ってて気持ちいい感じ」
というのが好みがあるため、
動画を色々検索するのがいいと思う。
先日のKIHでは薙刀式と新下駄を直接比較できたし
(新下駄のエディタ画面が圧縮されるミスがあります。痛恨)、
様々な動画がネットにあるので、
手の動き方や出てくる文章の気持ちよさで、
比較した方がいいと思う。
クルマはカタログスペックだけで比較せず、
動いてるモノで比較するべきだと思う。
クルマは試乗すればわかるけど、
配列は二つマスターするのは大変すぎるため、
試乗会ができないのが辛いところ。
なので動画で比較されたい。
その時に、
こうした理屈の部分、カタログスペックなどが、
現実にどう効いてるかを見極めれば、
納得も行きやすいと思うんだよね。
どちらにせよ、
qwertyローマ字、JISカナより、
遥かにかけ離れてスラスラ書けることだけはたしかだね。
(追記)
この議論の根拠が、岡さんの計算によって、
多少異なる可能性が出てきた。
薙刀式の単打率、55%という。
大きな傾向は上の議論は正しいが、
微妙な数量の塩梅が異なる可能性があります。
詳しくは次の記事で。
2023年10月21日
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