2023年10月28日

【薙刀式】ロールオーバーと同時打鍵

文字領域同時打鍵配列の、原理的欠点。

素早過ぎるロールオーバーをすると、
同時打鍵に化けてしまうミス。


Twitterから。
> 新下駄配列は「しかし」「とかが」とかが気持ちよく押せないのが欠点だよな。

しかし…LDL
 (LD)=お なので、
 おし、しおに化けるってこと。

とかが…SDO
 (SD)は同手なので存在しない。
 (DO)=み なので、
 とみ、に化けるってこと。


薙刀式の前の版、v14では、
「から」F.が、(F.)同時の「ぶ」に化ける問題があった。
これは「よくある連接は、
化けにくくかつ打ちやすい位置に」
という方針で、
「ら」裏の「ふ」を動かし、
「ら」の裏に濁音にならないカナを置くことで、
ロールオーバー上等になり、
v15へとバージョンアップしたのであった。

こうした、
「日本語としてポピュラーな言葉を打っていくとき、
作者も気づいてなかったバグや不満」
が出ることが、
よくあるように思う。

薙刀式は、
バージョンアップという対応をしながら、
気になるところを一つ一つ丁寧につぶしていった経緯がある。

新下駄はせーので完成形を公開して、
以後一度も改訂をしていない。
それほど完成度が高い配列だ。


とはいえ、
日本語でよく使う「しかし」「とかが」
などのように、こういう不具合が出てくるんだなあ。

「しか」単独だけだと、
まあ気をつければ済む、くらいのニュアンスになるが、
しか、かし、の両方に気をつけなきゃいけないのは、
「しかし」の言葉の重さに比べれば、
もっと手軽に打ちたいと思うのは人情だな。

「とかが」も、「かが」部分はサクッと打ちたい。
そんな大した言葉じゃないし、
余計手軽に打ちたいところ。


新下駄は2gramベース設計だが、
3gramでこうしたことがある、
というのは想定内だったのかな。

いずれもタイピングゲームにはほぼ出てこないが、
日本語文章の中には一日数回出てくる言葉だろう。

「シフトキーがらみの連接は気をつける」
が現実的対処法だよな。
そのうち有限個、気をつけるワードが出揃って、
無意識化できるようになるとは思うが。


シフトキー=打ちやすい位置=頻度の高いカナ
=連接でもよく使われる=バグる
の=を、どこかで断ち切らないと、
これは原理的に起こり得る。

ロールオーバーせずスタッカートで打つのが、
打鍵法による対処で、
論理配置的な対処は、
「メジャーな言葉を化けないように、
色々と動かす」になるだろう。


薙刀式では、
丁寧に棘抜きのように動かして、
実用レベルに調整したつもり。

濁音同時押しのFJのうち、
一番よく使うJが、メジャー頻度ではない「あ」だから、
実は化け問題を上手に回避している。

ただ半濁音同時押しのMVで、
「はな」=「ぱ」化け問題は残る。

これを動かすと余計不便になるので、
やむなく残した。
どこかで妥協をしないと、
原理的に防げないからなあ。



これは、
文字領域を同時打鍵するうえで、
原理的に付きまとう問題だ。

打ちやすく快適で、
親指を気にしなくていい光の部分と、
この闇の部分を、
どちらをどう評価するかでいうと、
やはり便利な光の部分を取ることになるだろう。

でも光の裏には闇が共存するので、
これは理解しながら使うしかないところなんだよね。


僕は光の部分と闇の部分を両方考えてるので、
話が長くなってしまうが、
両方を提示したうえで、
清濁合わせ飲むべし、が結論だ。
posted by おおおかとしひこ at 11:38| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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