2023年10月31日

【薙刀式】下段の打鍵法と生理的感覚

下段が苦手な人がいる。
親指シフトは、だから中上段メインだ。

でも飛鳥は親指キーから近いという理由で、
下段をかなり使う。
僕もわりと下段便利派。
親指キーから近いので、親指と組み合わせる配列は、
そういう傾向にある気がする。

で、そもそも下段の打ち方って、
人によって異なる可能性がある。


Twitterから。
> 大岡さんの配列、アルペジオを重視する代わりに指の曲げすなわち最下段を許容する傾向にある?
> 私は最下段に届くよう指を曲げるのがしんどいようで そういや薙刀式でもVMエンターで発狂してたしな

なるほど、人によって下段の打ちやすさ
(引用中では最下段となっているが、
文脈から僕のいう下段のことだね)は、
だいぶ異なるようだ。

深いストロークの、
メンブレン、メカニカル、静電容量出身で、
スタンドを立てて、
手を上に被せて、
上から突き刺すような打ち方の人と、

浅いストロークの平らなパンタグラフ出身で、
フラットにキーボードを置き、
手を手前に置いて指を伸ばし、
撫でるように打つ人では、

だいぶ打鍵法が異なると、
僕は考えている。

なのでまずこの出身を明らかにしないと、
打ちやすさ打ちにくさは主観なので、
主観の判断がまず違ってる可能性がある。


特に僕は手書き出身なので、
小指球を机につけて、
そこを回転中心として、
手首や指を回転させながら撫でる、
鉛筆がきと同じ軌道による撫で打ちをする。

なので、
中上段は撫で打ち、
下段だけ手のひらを起こして突き刺し打ち、
みたいな感じになる。

ところが、
もともと突き刺し打ちの人は、
「指を縮めて」下段を打たないといけないっぽい。

この辺の感覚の差が、
出ているように思える。


僕は全然下段が苦じゃない。
上段と同じくらいの感じ。
小指上段は届かない(手首の位置を変えたくない)ので、
QPは薬指スライド派。

なので小指に関しては上段より下段だね。
人差し指もその傾向がある。
TYなんかは捨ててるし、
RUの上段より、MVの下段の方が安心感がある。
人差し指が短いので。

そうそう、指の長さも関係あるかもね。

指が長い人、手のひらが大きい人は、
畳むのがめんどくさいかも知れない。

僕は手のひらが丸っこいし、
指も短い方だろうね。
そのへんは動画を見られたい。

それもこれも、19mmピッチ一択しか、
キーボードがないせいだ。
だから、
手の大きさが人によって異なり、
異なる打鍵法が発達したのではないか?



ちなみに、格子配列だけど、
今の僕の「キーの打ちやすさ」の実感。

SABCDの順で評価すると、

DCAAD  DASAC
CCSSA  ASSAC
CDBSA  SSAAC

うーむ、左右の差がひどい。
薙刀式やカタナ式は、
このS同士や、Sからのアルペジオを中心とした配列だと思う。

なので、MVは好位置扱いしている。
小指下段とかはあんまり好きじゃないが、
中指下段まではどれもいい場所だろうと考えている。


打鍵法は癖みたいなもので、
なかなか矯正は難しいと思われる。

だから、
僕はqwertyローマ字がとても苦痛で
(上の図を見る限り、よく使うATYは壊滅)、
打鍵法を矯正するくらいなら、
配列と物理キーボードを変えてしまった。

それくらい、生理的なものの違いは、
しんどいということだ。


生理的に違うのに、
強制が起こるべきではない。
この方の過去ツイートを探ると、
薙刀式は生理的にあわず、
新下駄にチャレンジ中らしい。

生理の違いで、
薙刀式と新下駄が対立概念になるかどうかは分からないが、
それがよいならよいのだろう。

なんとなくだけど、
qwerty-月配列のラインと、
薙刀式-飛鳥のラインと、
新下駄のラインと、
親指シフト-シン蜂蜜小梅のラインの、
4方向の生理があるような気がするのだが、
まだちゃんと分かってないので、
あくまで仮説だ。

なので、同じ方向性の生理内で移動すると、
楽に使えるかもなあ、などと考えている。
それが合わない人は、
別のラインが合うと思われるので、
積極的に移動してみてはどうかな。


最下段を好むか好まないかは、
こうした生理に依存する部分な気がする。

最初に覚えたキーボードに、
一生影響されそう。

僕は、静電容量のHHKBやNiZも、
パンタグラフのように打っていた。
メンブレン出身の人は、
メンブレンのようにパンタグラフを打って、
「指が痛い、打ちづらい」とか言ってることが多いように思う。

おそらく、キーボードに隠されたこういう現象も、
まだ人類に発見されてないのでは?
とすら僕は考えている。


僕から見た生理的違和感は、
これまでの僕の工夫や研究によって、
ここまで言語化されたけど、
別の生理もあるだろうと想像していて、
それらを自作キーボードで体現してる人もいるので、
自作キーボードは、
キーボードの生理をあぶり出すのに最適な道具だよな、
などと考えている。


カタナ式の下段、子音ではN、
母音ではエンター、O、ん、ーは、
僕は「打ちやすいキー」として認識している。
これが「打ちにくいキー」だと思う人は、
カタナ式は使えないだろうね。


人によって、打ちやすいキーと打ちにくいキーは違う。
打ちやすい連接とそうじゃない連接も違う。
そのことが出発点になるはずなのに、
人は自分のそれを視覚化せずに、
自分と他人のそれを同じだと思い込んでいる。

ちなみに僕の詳細な900連接測定データは公開してるので、
このブログを「900連接」で検索すると出てくるよ。

薙刀式、カタナ式は、
これに基づいてつくられている。
正確にいうと、
データが先にあった状態ではなくて、
僕の感覚でつくって、
あとでデータを測定したので、
やっぱそーかー、という確認に使われた感じだね。


これをもう少し簡単に測定できたら
(測定に三日以上、解析に一週間かかった)、
色んな人のデータをとりたいよね。
それで4ライン仮説を検証したいな。


僕はこれらのざっくりとした感覚を、
日本刀の「手の内」に似てると思っている。
流派によって手の内は異なるし、
たとえば引き切りの日本刀と、
押し切りの西洋剣術(フェンシング、ナイフ、カリやエスクリマ)は、
手の内が異なる。
たぶん、筆やペンでも手の内というのは色々ありそう。
僕は小筆は得意だが大筆は苦手で、
手首をつけないと上手く書けないので、
関節や筋肉の使い方の生理なのだろう。
posted by おおおかとしひこ at 09:35| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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