2023年11月01日

俺は悔しいよ(「ザ・クリエイター創造者」評)

二つの意味で悔しい。

ひとつは、日本でなぜこれを作れないのか?
という簡単で難しい問い。

もうひとつは、
ブレードランナー→アキラ、攻殻と来たこのジャンルの次を、
日本がまだ漫画でもアニメでもつくれてないこと。

以下ネタバレせずに批評。


まあ基本はアキラだ。
ビジュアルの多くはアキラだった。

アキラバイク的な車、パイプや黄色と黒の縞で覆われた建物たち、
超能力的子供がキーになること
(閉じ込められてた場所はまさにアキラやラボだ)、
ラスボスの空中要塞はSOLでしょ。

それに攻殻が加わる。
香港のような街並み、ブリアレオス的なロボたち、
ハッキング。

そこに第九地区、アイランドあたりの、
未来ロボットデザインが加わる。


多くはブレードランナー派生だ。
日本が80年代元気で、
ロサンゼルスを食わんとしていた勢いの時代。

アジア(やや間違った)とアメリカの融合、
人間とロボットの融合、
晴れと雨の融合。

音楽がハンスジマーなのが意外なくらい。
川井憲次がやるべきでしょそこは。


僕はこの世界観が大好きで、
失敗した実写攻殻をこのチームでもう一回見たいくらいだ。
これならアキラの実写化もいけるやろ。



でね。

なんでこれを日本でやれないんだろうね。

どうして日本のプロデューサーがやろうとしないのかね。
日本の映画は、どこを見てるんだろうね?


そしてもうひとつ。
昨今のハリウッドでは、
日本のマンガやアニメにインスパイアされたものが、
たくさん作られたよね。

そろそろ日本の原作枯渇してるよね。
あとは異世界転生くらいしかないんじゃないですかね。

クールジャパンとか言ってたころ、
「次がすでにないのでは?」なんてよく言われていた。
フィリピンではボルテスVが国家事業並みだし、
イタリアやサウジではグレンダイザーの立像がつくられてる。


日本の資源は尽きかけている。
日本は新しいものを作ろうとしてるのかな?

悔しい。




あ、ラストバトル、
高所恐怖症の僕はめっちゃ怖かったです。
ミッションインポッシブルの、ドバイタワー並みに怖かった。

あんなクライマックスをやろうぜ、
って言ってる日本人いるの?
いたら即連絡してくれよ。

ここで日本が沈んでいくのを見るの、
ほんとつらいわ。
俺たち、あそこに行けないんだなーって。


俺はその次をつくりたい。
posted by おおおかとしひこ at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック