2023年11月05日

【薙刀式】タイピングはアクションか、リアクションか

ものを書く時の視点はどこにあるか?
自分の意識は物語のどの辺にいるか?
という、書き手とタイピングの深い話を、
天キーのあとの飲みでもりやんさんと喋ってたので、
消えるには勿体無いので記録しておく。


アクション、リアクションというのは、
「書きたい(これから書く)場面」に対して、
自分がそこに分け入って書くタイプをアクション、
そこで起こったことを把握して記録するタイプをリアクション、
という風に考えているように思える。

僕は前者のタイプで、
もりやんさんは後者のようだ。

ざっくり言えば、
一人称視点と三人称視点の差かも知れない。

僕は登場人物の中に入り、
その人の気持ちになって行動するけど、
勝手に動くキャラを観察日記のようにつける書き方があるのも、
全然分かる。

ずーっとそれかというと、
勿論そうではなくて、
行き来することもあろう。
でなければ客観視したり、
熱い思いを共有したり、
両方は難しいだろうからね。

だからあくまで基本スタンスがどっちか、
の違いしかないだろうと思われる。


で、
その時タイピングの姿勢や打ち方も異なるのでは?
というのが本題。

左右分割、テンティングとはいえ、
僕はなるべく前のめりに書きたいから、
どうしても肩が前に出て、
首がストレートネックになり、
それを抑えるために、
膝上打鍵システムを考えてるんじゃないか。

一方もりやんさんは、
バチクソテンティングなので、
もう少し冷静になってるんじゃないかと比較してみる。


武術的姿勢でいうと、
僕は実は正中線を開けた状態で書いている。
正中線を文字に重ねたいので。
つまり自分の意識は文字の距離にいて、
そこと間に何も挟みたくない。

バチクソテンティングの場合、
自分と文字の間に一枚挟まってる感覚になるんじゃない?
ってことを思ってて、
それは正中線を閉じた状態で書くことになるんじゃないか、
と思った。

前傾姿勢、後傾姿勢の心構えの違い的な。
ピッチャーとキャッチャーみたいな。


そうそう、
紙に書くときに首痛くならないか、
って話のときに、
タブレットを水平に置いて書いてみたら首が痛くなった、
という実験を話すのを忘れてた。
タイピング姿勢と、ペンで書く姿勢は、
どこかが絶対に違ってて、
単に文字の位置が水平高さか机高さかの差ではないっぽい。

ちなみにもりやんさんは机で紙に書くと首が痛くなるそう。
タイピングと同じ身体感覚なのかなあ。

僕はいつも適当な姿勢で寝返り打ちながら書いてるし、
そもそもペン先が書く文字をほとんど見てない、
という話をしたら、
なるほどという空気になってたな。

ペンで書く文字は、
自分の妄想上の体験を、
日本語というものに変換しているにすぎない、
みたいな感覚か。
だから僕の目は、妄想上の体験にピントがあってて、
文字にピントが当たってないし、
たぶん見てないな。

手書き漢直だから漢字変換が伴ってないので、
母国語をブラインドで書いてるだけかもなあ。

それに比べて、
タイピングだと漢字変換が伴って、
手前のIMEを一々見ないといけないのが、
めんどくさいのかもしれない。
だから第一稿手書きの方が、
妄想に集中できるんだろうな。


それはあくまでアクションのほうの視点だから、
であり、リアクションのほうの視点だと、
また見え方や軸足の置き方は変わってくるんだろう。

僕は書くことを体験的、主観的に捉えているが、
俯瞰的、分析的に書くこともできるはずで、
そうなるとタイピングのスタンスも変わるだろうと思う。

なるほど、おもしろい。


役者にも二通りあって、
自分の顔とか所作とか一切気にせず、
その人の気持ちになりきってやるタイプと、
「こっちの顔を見せたらきれいだろうなあ」とか、
「ここでこういうポーズだといいな」とか、
客観的見え方をプロデュースするタイプがいる。

前者の人は、見え方は監督やカメラマンが直してくれる、
と信じて、ぶっ込んでいくタイプ。
後者の人は、見え方がプロデュースみたいに思ってるタイプ。

僕はリライトで何度も直す前提で第一稿を書くから、
妄想にぶっ込むタイプなんだろうな。


なので、異なるタイプの人の打鍵姿勢や、
好みの感覚も変わるかも知れない。

僕は浅いストロークのスイッチを経て、
最近は3.8mmの深めを使ってるが、
それは「打った感が欲しい」ってことかも知れない。
妄想の体験を「掴み取る感覚」が欲しいのだろう。

浅めストロークだと、
客観的記録を取るのに効率が良さそう。

posted by おおおかとしひこ at 10:27| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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