2023年11月10日

【薙刀式】onik配列と日英共用

アルファベット無拡張、
日英共用配列というのは、
ひとつの理想ではある。
Colemakや大西配列を超えるものができたらしい。

母音を左右に割り振り、子音を人差し指で取るタイプ。
https://note.com/oidy/n/n80f31fe43b98?sub_rt=share_b#368ec615-50af-4030-939a-effe96b5876e


僕的には、
Aが左小指ホーム、
Nが左薬指ホームの時点で、
もういいです…
ってなってしまうので解読はあきらめた。

ロウスタッガードをハノ字で使ったり、
右手を右にずらしてBSエンターを取りやすくしたりなどの、
工夫があって面白い。


そもそもカーソルとBSとエンターを中央にして、
左子音右母音に分離して、
母音アルペジオを取りやすくして、
左小指、薬指不使用にしたカタナ式があるので、
日本語ローマ字に関しては僕はカタナ式のほうが打ちやすいと考える。

だけど日英共用となると、
また違う前提が必要そうだ。


僕は日英共用に関しては、
そもそも文字の流れが異なるから、
別々の配列で最適化すればいいのでは?
とずっと思っている。


()を存在しても存在しなくても良い記号だとすると、

英語は、
 (子音)(子音)(子音)母音(子音)(子音)

が音節の単位で、
これが1〜3音節程度あるのが基本単語だ。

文章は、
(空白)単語 空白 単語 空白… 単語,or.

という構造をしている。
もっとも使うキーがスペースキーだ。
だから僕はスペースキーをJかK位置にしてもいいのでは、
とすら考える。
(あるいは、,スペース.と親指を3分割するとか)


これとローマ字の構造は違う。母音を8とすると、

(っ)(子音)母音(んorー)

という構造がローマ字で、
これが1〜5音節程度あるのが基本単語だと思う。
音節数は子音が少ない分、一単語あたりが長い。

文の構造も異なり、
活用語尾や助詞などを繋ぎの語、
語幹部分や名詞を話題の語だとすると、

(空白)(繋ぎの語)話題の語(繋ぎの語)話題の語…、or。

という構造になろう。

この二つの異質な構造について、
同じ配列を使うことが合理的か?

という議論をしてる人が少ない気がする。


二つの言語が似ていれば、
たとえば関西弁と関東弁くらい、
スペイン語とポルトガル語くらい(知らんけど)ならば、
同じ配列で共用するのは合理的判断だ。

だけど、そもそも音韻構造がかなり異なる、
具体的には子音連続が基本の英語と、
子音は母音ごとに挟む母音多用の日本語を、
同じ配列で扱うことに、
どれほど合理性があるんだろう?

僕は関西弁と関東弁ですら、
音の流れはまったく違うので、
ちゃんとやるなら別配列を提案したいくらいだ。
関西弁は「や」「ね」「ん」がホーム付近に来るだろう。

なので、
日英共用という前提そのものに、
僕は無理があると思ってしまう。



いや、26文字を覚えるだけで共用できるから、
便利だろ、という日英共用派の意見もわかるが、
文字の連接がずいぶん異なる。

手側の連接(たとえば900連接)で、
オイシイ所は限られているのに、
そこにどちらの言語のぶんをどれだけ配置するか、
という話になると思う。

それを50:50で席取りしたら、
どっちにも使いにくい配列にならない?
ってこと。

いや、両言語の主要連接は共通していて、
900連接のうちオイシイところ何百かで、
足りるのである、
などのような議論があればよいが、
日英の主要連接は全く違うように思えるな。
ここは要出典。

大体、大文字Iが単独ボタンでないことは、
英語キーボードの欠陥でしょ。
僕なら大文字IをJかF位置に持ってくるけど。



と考えて、
僕は、英語用は英語用(そんなに打たないのでqwertyママ)、
日本語は日本語用と割り切った。

最初はローマ字のカタナ式を使ったが、
打鍵数が多すぎるし、脳内発声がうるさく、
打鍵数の少ない、脳内発声のない、
カナ配列に舵を切った。
そして今は快適な暮らしを手に入れている。


日英共用配列は、
配列道の入り口として大変興味深いが、
究極なのかといわれると、
まだまだ入り口では?
と考える。

英語をほんとうに速く打ちたいなら、
(子音)(子音)(子音)母音(子音)(子音)
の構造をうまく使うべきで、
この一音節を同時押しで入力していくのが、
CharaChorderだ。

This is a pen.ならば、
THISスペース同時押し(shitと同じなのだがthis優先だろう)
ISスペース同時押し(siという単語はないから一意に決まる)、
Aスペース同時押し、
PEN.同時押し、
のたった4ストロークで一文が完成する。
(はず、詳しくは間違ってるかも)

長い単語、たとえばstructureなら、
STRUC同時押し、TUREスペース同時押しの、
2ストロークになるはず。

文頭の大文字はIME的なものが自動判断するか、
シフトも同時押しするかもだ。

細かい仕様は知らないので推測だけど、
大事なのは、
英語特有の音節構造をうまく利用した合理的な方法、
ということだ。


日本語ローマ字ではこうはいかない。
子音、母音、んやーの同時押しくらいでは、
一単語を生成するのに結構かかる。
英語では1音節の単語が結構多い。
子音の多さで補ってるからだ。

この差によって、英語はローマ字に比べて、
アドバンテージを持っている。

僕が英語話者なら、
CharaChorderとプログラミングに必要な記号マクロパッド
(テンキーもか)で、完結すると思う。
キーボードのキーを一つ一つ順番に叩くのは、
効率が悪いと感じるだろう。

英語が母国語のとき、
脳内発声があるかないかは想像できないので、
もしなかったとしたら、
音韻構造に基づいたCharaChorderのやり方が気に食わないかもしれない。
その時は、筆記体に基づいた何かを発明するだろうな。



というわけで、
言語や文章と、
キーボードや手の関係を考えてくればくるほど、

・そもそもロウスタッガードキーボードは使うべきではない
・目的特化道具を使い分けた方が良い

に至ったので、
日英共用という前提を疑ってしまう。

そもそも両方を沢山タイピングする人っていないんじゃないか?
翻訳者? いろんな国の人と仕事してる人?
大抵7:3以上の開きがあるんじゃないかなあ。
メイン言語を専用配列にして、
サブはデフォルト、が合理的判断のような気がする。

もちろん、同程度に両言語を打つ人は日英共用が合理的かもだけど、
なら別々の特化配列を使えば?
などと思ってしまう。

世の中には、
qwertyローマ字とJISカナを両方競技レベルまで使いこなす人までいる。
(テルさんの実演を見てびびった)
なので、
配列を一個しか使わない、
という選択肢が合理的とは思えないんよね。



もちろん、
「めんどくさいから一個を共用します!」
という理由もありだ。
それならそれなりにしかならんよね、
データを突き詰めるほどでもなくない?
などと考えてしまう。

で、いつもの結論なんだけど、
そんなにいいなら動画で見せてってことかなあ。

ローマ字を快適に打っているさま、
即時に英語に切り替えて打つさま、
がスラスラと書けてるならば、
「たしかに」と納得できるのだが。

所詮KLAのデータなんて絵に描いた餅にすぎないので、
実戦プルーフを見たくなってくる。


KLAは偏ったデータしか出さず、
KLAスコア最大化が目的ではない、
という点はうなづくしかないが、
ではその素晴らしい実戦を示すには、
数値データよりも動画の方が説得力があると思う。

「修行によって空中浮遊できる素晴らしい宗教がある」
ならば、「浮いてみろや動画撮るから」だと思う。
80年代の口だけオカルトはそうやって論破されてゆく。
いい時代になったものだ。

(僕が最近見てるのは、石井東吾先生のワンインチチャンネル。
かつてオカルト秘密扱いされた、
3cmの距離から破壊力を出すワンインチパンチを、
いつも普通にやってて原理も大体公開されてるので、
オカルトでもなんでもなくなってるのが素晴らしい。
そして動きの中でワンインチは居着きになるから、
出しづらいのであくまで身体操作訓練、
と割り切って解説してるのもすばらしい。
石井先生はシャベルフックのほうが得意っぽい)



大西配列に関しては、
作者の大西さんが公開してる動画もあるし、
僕がKIHで収録した動画もある。
それを数値的に超えるとは、
具体的にはどんな感じなのか、を知りたい。

数値的に設計した新兵器が、
実戦テストで全然ダメなことは、
ものづくりにおいては普通のことだ。
実戦には理屈じゃわからないファクターがたくさんあって、
現実世界に通用するかは、
理論じゃなくて実戦で示していくしかない。

僕がKLAやタイプウェルを大して信用していないのは、
そうした理由だ。
テスト勉強ができても社会で活躍できるとは限らない。
あくまで必要条件でしかなくて、
十分条件だったかどうかは、
実戦で示すしかない。

KLAスコアが悪いqwertyローマ字で、
僕の薙刀式より速い人だっている。
すべては結果論だ。


なので薙刀式は、
「ふつうの文章をふつうに書く」動画を撮っては公開して、
実践でどれだけ使えるかを示している。

我に続かれたい。
日英共用はいいぞ、を知りたいなあ。
posted by おおおかとしひこ at 11:45| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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