2023年11月13日

これはたまらんジオラマ

ファーストガンダム世代にはたまらん。
見てるだけで涙が出てくる。
https://x.com/yama_mon999/status/1723360875380105705?s=20

なんでだろう?
と理屈で考える。
これは、「テーマが確定したラストシーン」だからだ。


ガンダムのテーマはなにか?

Aストーリーは、
戦争という特殊な状況による、
ニュータイプの覚醒である。

これがテーマで、
モチーフは連邦とジオンの戦争だ。
これをガワとして、中身は新人類の誕生を描いた。

Bストーリーは、
アムロ少年の成長だ。
そもそもガンダムは、
「15少年漂流記」をベースにしている。

たまたま集まった15人(ではないが)の、
少年少女が同じ船に乗り、
ついに生還するまでの話だ。

このコミュニティに、
16歳の少年が受け入れられるまで、
という、
「アイデンティティを確立する」が、
アムロのストーリーである。

擬似父であるブライト、
擬似母であるミライ、
擬似兄であるリュウ、
擬似姉であるセイラ、
動機のフラウ、ハヤト、カイ、
後輩?のカツレツキッカ、
などの、
「社会」に、反発して、受け入れられるまでを描く。


この、
Aストーリーの終わり
(新世代のカツレツキッカがニュータイプとして目覚めるも含め)
と、
Bストーリーの終わりが、
綺麗に同時に起こり、
僕には帰れるところがあるんだ、ララァと、
ララァとの決別も描いているわけだから、
めちゃくちゃ情報量が多いんだよね。

それが一点で全て交差する。
だから名シーンなのだ。

全部がこのシーンで「おわり」になり、
全部のテーマがここで確定するから、
このシーンは名シーンなのだ。

ビジュアルはへぼいかもしれない。
デザインが妙にNASAなポッド、
ノーマルスーツに合ってないバックパック、
年上のモコモコ宇宙服も全部ダサいけど、
でも意味がうまく定着されてる、
よかったねシーンだ。

アムロというメアリースー的なキャラクターの、
おそらくは最上のゴールを、
現実の中でうまく描いた、
理想のラストシーンだ。

(これに比べるとZはなあ…ZZなんて覚えてねえや)


映画版なんかここで「めぐりあい宇宙」がかかるんだぜ。
最高だよね。

というわけで、
ラストシーンはかくあるべし、
の理想の一コマを見て、
僕は涙を流すのだ。


ガンダムはこれで完結したよ。
なんでZはこれを超えなかったんだよなあ。
posted by おおおかとしひこ at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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