親指シフトのこうした証言を見るたびに、
「タイピング速度とは」とまた考えてしまう。
Twitterから。
> 昔は親指シフトというモンスター配列がありまして……あれ使いこなせる人は、狂った速さでタイピングしてたっけなぁ……。
その「狂った速さ」って、
コピータイピングだったんじゃなかろうか。
親指シフトの主な用途は、
手書きの清書だ。
オフィスの秘書の仕事として思われていた。
(他に速記官など。
記者など特別な人しか、自分でタイピングしない前提だったろう)
80年代初期は、
「誰もがタイピングで自分の考えを著す」
までイメージされていなかったはず。
だからこの証言は、
「誰かの手書きの清書」行為だったのではないかと、
推測してみる。
そして、だからこそ、清書は速い。
内容を考えずに手だけ動かすのが、
脱力して速くなるコツだからね。
これを毎日やってる専門オペレーターに、
勝てるわけがないと思う。
ただこの速度は、
当時のタイピングコンテストで920字/10分程度だった証言があり、
現在のqwerty2000越えから見るとかなり見劣りがする。
つまり、こうした狂ったように速かった証言は、
自分の思うことを書く創作打鍵
(この場合僕だって500ぐらいに落ちることもある)
から見た900が、バカっぱやかった、
でしかないのではなかろうか?
こうした人は現在の松嶋れいらさんの、
2000越えのタイピング(変換あり)や、
RTC連覇のmiriさんのタイピング(変換なし)を、
狂ったように速いと思わないのかなあ。
たぶん見たことないんだろうな。
薙刀式の1500はたくさん動画に収めてあるが、
「狂ったように速い」と言われた事はない。
打鍵数が少なくて、
ダダダダと言わないからだろう。
でも80年代当時日本一の倍近く出てるんだよな。
所詮親指シフトの最速伝説なんて、
井の中の蛙の感想じゃなかろうか。
現在の基準が上がっている。
当時の驚きが主観的で、客観的に現在と比べられない。
などのバイアスがかかっているのだろう。
もちろんコピー打鍵では、
新下駄や月配列やいろは坂のほうが、
薙刀式よりいい成績を出している。
親指シフトも一人だけ速い人がいる。
だけど現在のタイピングの目的は、
清書が第一ではないだろう。
だからこそ僕は、日常文をふつうに打つ動画が、
もっと増えるべきだと思っている。
それが速いことが速いことだ、
という考え方を普及させたい。
俺より速いやつに会いにいく。
今のところ、タイパー達は俺より速い。
それは素直にすごい。
でも2000はいかなくて、人間そんな変わらんのでは、
などとも考えている。
タイパー以外の日常文に関しては、
薙刀式を超える速度の動画は現存しない。
挑戦者求む。
普通にブログに書く程度の文章で、
1500字(変換後)/10分を超えてください。
それを超えないと「狂ったように速い」じゃないよねえ。
2023年11月24日
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